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不安が自由のめまいなら、僕らは不安を解消できる。

デンマークの哲学者キルケゴール(Søren Kierkegaard, 1813-55)は、1844 年『不安の概念』を書き、この中に「不安は自由のめまい」と記している。

さて、自由とはなんだろう。

自由には2つの意味がある。

1つは”Freedom"(フリーダム)。責任から免れている状態。人間関係のしがらみがなく、仕事に追われることがない状態。気楽で暢気でフワフワしている。風に吹かれるタンポポの種になった気分、もしくは水面に浮かんで居眠りするラッコのような心持ち。楽園に居る気分かもしれない。

もう1つは”Liberty”(リバティ)。獲得する自由。つまり身体や精神が束縛されている状態から解放される自由。黒人解放運動とか女性解放運動のように不当な人権蹂躙から解放されることはまさにLiberty。窮屈な環境で苦悶している状況から解き放たれる自由。抑圧に打ち克った戦利品。

この2つは同じ”自由”でも全く違う。

目的を持って”Liberty”になると安心する。
目的を持っていれば”Freedom"を活かして動き始める。

目的もなく”Freedom"だと心が漂流して不安になる。
自由に眩暈めまいをおこして不安になる。
不安から逃れたくて自ら心を係留されに行く。
これがフロムの言う「自由からの逃走」。

責任から逃げ続けて不安になると環境を責める。
責任感を手放さないで自由になると不安にならない。

責任感や使命感、好奇心や挑戦心は、運命を受け容れて不自由になるものだけど、精神衛生的には健やかで居られる。

仕事のプレッシャーの方が、出口のない不安よりマシだ。
運命を受け容れる、不安にならないコツだ。


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