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【健脳】反抗期のメカニズムを知る

何かを学ぶとき、学んだことを脳内の付箋に書き記して、体得したら脳内付箋を一掃するという話をしました。

体得する喜びは、脳内の保護者と習慣くん、本能くんの三人が喜んでいる状態です。新しいことを身につけることで、習慣くんはレベルアップしていきますし、生活習慣レベルアップすることで本能くんは色々楽になります。

だけど、この3人が仲良くできなくなる時がやってきます。
それは中学生くらいでしょうか?
親が子供に自立を促そうとし始める時です。

先日、ラジオ番組の「テレフォン人生相談」で以下のような相談がありました。(以下は私の要約です)

難病の子供を看病しながら育ててきた。薬のおかげもあって健常者と同じ生活になり、成人になって一般企業に就職した。年齢は25歳。次のステップとして独立を促したが、そのころから子供が「みかんの皮を剥いて」というレベルの子供の甘えのような態度が始まった。それではいかんと、注意し続けたら親子関係に亀裂が入った。結局、子供は自立して転居する段取りがついたが、関係が悪い状態での別れになることが親として悲しい。

2023/12/26の「テレフォン人生相談」より

相談にのった精神科医の先生は「子どもとの別れはそういうもの」「自分を責めすぎないで」とアドバイスしていました。精神科医の専門性を発揮して欲しいと思いましたが、番組の時間枠を考えると仕方ありません。

この25歳の子供の脳内で起きていることはこうです。
保護者脳「独立するには色々覚えなきゃ」(脳内付箋を増やす)
習慣くん「色々覚えることが多くて大変」(脳内付箋を貼る余地がない)
本能くん「親子関係の愛着を失いたくない」(安定の現状維持バイアス)
⇒この3人の多数決で「自立に反発」と決まりました。

子供が中学生くらいになると、親は自立した大人に必要なことを教え始めます。子供が親にこじらせる反抗期は丁度そのころで、脳内会議はこうです。

意欲的に覚えたくないことを、あーだこーだ言われても黙って脳内付箋を増やす保護者脳。だけど付箋を貼る余地がなくなると習慣くんがキャパオーバーで元気がなくなって本能くんを説得できなくなる。そのとき保護者脳が力不足だと、そもそも独立するより親と一緒に居たい本能くんの意見が通る。習慣くんは、その状況に相応しい「自立に反発」する行動や言動をとる。

これが反抗期のプロセス。

本能>習慣>保護者の順に強いのは、マズローの欲求段階説に通じます。
下層の土台が揺らぐと、上層が機能しなくなるのです。

もし、保護者脳が付箋を貼る余地がないと知ってたら、
一旦学びを止めて習慣くんの付箋を整理してあげたり、
愛着を携えて本能くんを不安にさせないことでしょう。

反抗期を超えた大人は、こうして1人でも学べるようになっています。

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