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ATC Journal

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龍谷大学社会学部・椿原ゼミによる読書案内とエッセイ。
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#レイシズム

白人の立場になってみる。

【紹介書籍】著者 ロビン・ディアンジェロ、監修 貴堂嘉之、翻訳 上田勢子、2021、『ホワイトフラジリティ 私たちはなぜレイシズムに向き合えないのか?』明石書店  本書は、白人が日常的に行っているレイシズムについて指摘しています。また、差別行為をする白人の意識について具体例を用いて詳しく書かれています。    本書では、「レイシズムは複雑で微妙であるから、完璧に学習したり学び終えることはない。」(p10)と述べられています。また、レイシズムとは悪人だけが考える思想であり、一

「差別」の変貌へ

[紹介書籍] 『レイシズムとは何か』 著者 梁英聖    本書では「レイシズム」とは何かを定義しながらレイシズムの歴史を扱っています。また、海外の国々だけではなく日本のレイシズムについても触れています。    まず「レイシズム」とは一体何を指すのでしょうか。日常的に使う言葉ではありません。本の中で「レイシズム」とは、劣っているものと優れているものに優劣をつけることであり、ある人種を絶滅させようとし、純粋に保とうとすることだと定義されています(p.48)。ナチスのユダヤ人虐殺が