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ATC Journal

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龍谷大学社会学部・椿原ゼミによる読書案内とエッセイ。
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#教育

子どもたちの言語の発達と「デジタル・テクノロジー」

【紹介書籍】バトラー後藤裕子 (2021) 『デジタルで変わる子どもたちーー学習・言語能力の現在と未来』 筑摩書房. 近年、テレビやスマートフォンなどが普及しており、多くの人々がこれらの機器を利用している。そして、これらの機器を使って、SNSなどを利用している人も多いように思う。 では、このような状況の中で、これらの機器を使うことは、若者の<言語能力>や言語の発達などにどのように関係しているのか。本書は、これらの問いについて考えることができるものである。 本書の第5章では、

なぜ集団は暴走するのか

〔紹介書籍〕田野大輔(2020)『ファシズムの教室:なぜ集団は暴走するのか』.大月書店 この本の題名だけを聞くと「ファシズム、ナチスに興味がある人向けかな」とか「ドイツや差別の歴史に興味がある人用の本かな」と思われるかもしれないですが、それだけに限定された本ではなく、ジェンダーや人種差別、学校でのいじめなど様々な差別や暴力が起こるときの、集団の構造や人の心理の動きについて詳しく述べられているため身近に感じる内容も多く、読みやすい一冊といえます。 本書からなぜ人の心理などがわ