ソシエダはまだCLを目指せる!? 秘密の抜け道お教えします(鍵はアトレティコ)
ビルバオがコパデルレイの激闘を制したことで、現在リーグ6位のソシエダはヨーロッパリーグへの出場権獲得が現実的となった。
でも欲を言えばチャンピオンズリーグに出てほしい。
数日前まで、ビルバオのコパ優勝とソシエダのヨーロッパリーグ出場権を切望していたはずだったのに、もはやそんな気持ちなどどこ吹く風。欲にまみれている。
チャンピオンズリーグに出るためには現状の6位 → 4位、2ランクUPが必要だ。言うは易し。
でももし6位 → 5位でもOKと言われたら?
今回ご紹介するのはそんな前代未聞の秘密の抜け道。
断言します、ソシエダはまだチャンピオンズリーグを目指せます。
※なお自力と他力、加えて奇跡も必須です。
CL, EL, ECLの参加条件
そもそもの話になるが、UEFA主催の大会は全部で3つある。
チャンピオンズリーグ(CL)、ヨーロッパリーグ(EL)、ヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)で、ラ・リーガにおけるそれぞれの出場権の内訳はこうなっている。
リーグ戦 1〜4位 → 翌年のCL出場権
リーグ戦 5位 → 翌年のEL出場権
リーグ戦 6位 → 翌年のECL出場権
カップ戦(コパデルレイ)の優勝チーム → 翌年のEL出場権
コパデルレイの優勝チームがシーズンを1〜5位でフィニッシュした場合、EL出場資格はひとつ繰り下げられ6位に与えられる。6位に与えられるべきECLの出場資格は7位へと繰り下がる。
現在の順位表
全てのチームが8試合を残す現状での順位。
4位に入る
4位に入るためには残り8試合で、アトレティコとの勝ち点差9を埋めなくてはならない。しかも勝ち点が並んだ場合、諸々の規定によりアトレティコが上の順位となるため、さらに+1ポイント、計10ポイントの上積みが求められる。
これはなかなかに厳しい。
最終節がアトレティコとの直接対決なのはポジティブにも取れるが、その前にはレアル・マドリード戦とバルセロナ戦も残っている。それ以外に当たるベティスにバレンシア、ヘタフェだって充分すぎるほどに強敵だ。
5位からチャンピオンズリーグへ
そこで本題になる。
新フォーマットの存在
来年度24-25シーズンよりチャンピオンズリーグのフォーマットが大幅に刷新されることをご存知だろうか。
最も大きな変更は以下の2点。
出場チーム数が現行の32から36に増加
全36チームをひとつのリーグに見立てた「スイス式トーナメント」と呼ばれる方法で順位を争い、決勝トーナメント進出チームが決定する
ここで注目してほしいのが増える4枠についてだ。UEFAは次の4つの基準で参加チームを増やすとしている。
UEFA国別ランキングで5位の国(従来2枠)、そのリーグ戦3位のチームに1枠
予選ラウンドの通過枠を4チームから5チームに増加
4. 前シーズンのヨーロッパ大会で好成績を残した2つの国に対して、出場枠を1つずつ追加
具体的にどういうことか。
1はリーグ・アン(仏)で3位のクラブが対象となる。昨シーズンで言えばマルセイユが該当する。
2はいわゆるチャンピオンズパスを指す。自国のリーグで優勝したものの、ストレートでCL出場権を与えられないチーム同士で行うプレーオフのことだ。
この辺の仕組みはとても複雑な上に今回は関係のない話なので説明を割愛させていただく。
23-24シーズンにこの枠から選出されたのはヤングボーイズ、アントワープ、コペンハーゲンとガラタサライだった。という辺りからなんとなくの立ち位置を察していただければと思う。
この枠が1つ増える。
問題は最後の2枠。
一読しただけでは、結局どのクラブが権利を与えられるのか分からない。UEFA公式のアナウンスによると、昨年なら対象クラブはプレミアリーグの5位リバプールと、セリエAの5位アタランタだったという。
なぜそうなるのか、具体的には次のような式で算定される。
やはりよく分からない。
ランキングポイントという新たなワードが飛び出してきたせいで、むしろ余計に分かりづらくなった感さえある。
簡単に言ってしまえば、UEFAの大会で結果を残した(盛り上げてくれた)チームが多かった国のリーグに、ご褒美的にもう1枠プレゼントするよという話だ。
去年はマンチェスター・シティのCL優勝に加え、ECLでも同じくイングランド勢のウエスト・ハムが優勝している。プレミア勢の貢献度が高いというのは感覚的に納得がいくだろう。
ランキングポイントについて
算定方法の核となる部分なので少し補足しておく。
確認になるが、UEFAの大会とはCL, EL, ECLの3つを指す。そこで収めた成績に応じ、各クラブにポイントが加算されていく仕組みだ。
ソシエダを具体例としてみてみよう。
グループステージを3勝0敗3分で首位通過したのち、決勝トーナメントで2敗を喫して大会を終えた。
CLグループステージ参加 … 4ポイント
勝利 … 2ポイント × 3回
引き分け … 1ポイント × 3回
CLグループステージ1位通過 … 5ポイント
計18ポイント、このように算出される。
これを3つの大会すべてで計算する。ELに出たビジャレアルとベティス、ECLに出たオサスナがそれぞれ獲得したポイントも加算し、クラブ数で割った値がスペイン勢のスコアとなる。
ラ・リーガに1枠追加される可能性
今季で考えると、今のところ該当するリーグは1位イタリア、2位ドイツとなっているようだ。詳しい数字が見つけられなかったので独自に算出してみた。複雑なのでもしかしたら微妙に違う可能性は否めないが参考までに。
このスコアの部分で最終的にドイツを上回れば、スペインは来季5つ目のCL出場枠を与えられる。
スペインだけ今年の出場クラブ数が多かったのは、昨年のELチャンピオンだったセビージャが特別枠で出場していたからだ。この分母の違いが今後の計算ともども難しくしている節があるが、現時点において、スペインとドイツでは約11ポイントの開きがある。
鍵はアトレティコ
まもなく、明日明後日にはCLベスト8の戦いが始まる。
好カード尽くしであることは間違いないが、ここに唯一、スペイン勢とドイツ勢の対戦がある。
もしアトレティコが2連勝して勝ち進んだ場合、ランキングポイントは一気に5ポイント縮まる。そしてドイツ勢が1チーム減る。もちろん他の試合の結果だって重要ではあるが、なによりこの対戦がソシエダの来季CL出場への可能性を繋ぐ鍵となることは間違いない。
そういうわけで、レアリスタはアトレティコ様を全力応援してみてはいかがでしょうか?
ソシエダのユース出身、グリーズマンもいますしね。
まとめ
本来なら4位以上のチームに与えられるチャンピオンズリーグの出場権。
それが来季からのフォーマット変更により、5位でも出場できる可能性があるという話をしてきた。
だがソシエダは6位だ。
結局のところ、ここから着実に勝ち点を積み上げていってビルバオかアトレティコいずれかを抜き、なんとか5位に入れなければどうしたってチャンピオンズリーグ出場は成し得ない。
6位を死守してヨーロッパリーグ出場権を確定させるのも、もちろん大事な目標だ。でもまだ上は目指せるかもしれない。
最後に待つ奇跡を信じて、リーガでの一戦一戦を応援していきたい。
CL出場への合言葉は『自力! 他力! 奇跡!』
〈了〉