見出し画像

【レビュー】久保のトップ下 第6節 レアル・ソシエダ - バジャドリー

ソシエダはマジョルカとの試合に敗れ、現在1勝1分4敗
勝てないのは元より、低調なパフォーマンスも問題視されている。

今節の相手は、セグンダ(2部)から上がってきたバジャドリー。本来の実力差で考えればソシエダが有利だが、バジャドリーはミッドウィークの試合がなかったためコンディションが良い。

ソシエダは過密日程と怪我人の多さが懸念されるが、どんな形であれ、まずは結果を出さなければならない。



前節、マジョルカ戦はこちら。

ELの日程の関係で、7節と6節の順番が入れ替わってます。


チームコンディション

  • ハビ・ロペスはまだお休み



スターティングメンバー

ついに久保トップ下!
結果の出ていなかった4-3-3をやめて、4-4-2ダイヤモンドにシフト。

期待感がすごい。



試合結果

 0ー0


点が取れない…


チームスタッツ

数値はFotMobより

ボックス内でのタッチ数が今季もっとも多い。
必然的にゴールに近い位置でシュートを打てている。

バジャドリー戦

ちなみに前節はこんな感じ。

マジョルカ戦

明らかな改善が見られる。


個人スタッツ

データは Opta Analyst から

トゥリエンテスが挽回。前節では後方へのパスが多かったが、今節ではターンして前を向こうとする意識が強かった。

逆にスチッチはふるわない。
久保との関わりがあまり見られず、守備での貢献もいまひとつ。慣れの問題か、コンディションの問題か。



試合内容

左右非対称のサイドバック

ビルドアップ時はセルヒオ・ゴメスが高さを取って、左右非対称になる。
アランブルは少し前に出る程度。

スチッチはトゥリエンテスよりも高い位置

左SBセルヒオ・ゴメスが上がることで、マークについている18番マチスのポジションを押し下げる。それによりアゲルドの方がスベルディアよりも、バジャドリーのプレスがかかりにくい。
今節のソシエダはここをビルドアップの起点に置いた。


アゲルドが狙うのは3ヶ所

1. トゥリエンテス経由でスビメンディ
2. ライン間へのパス
3. 対角へのロングボール
(頻度:低)
(4. ドリブルで持ち運ぶ)

トゥリエンテス経由でスビメンディ

トゥリエンテスがマークを背負った状態で下りてくる。スビメンディの方が低い位置にポジショニングしているため、落としのパスにも無理がない。

ライン間へのパス

ライン間は久保とオスカルソンが狙っている。
ライン間で受けた時、横から流れてくる久保はトラップで前を向こうとする意識が強い。前を向けると一気にチャンス
オスカルソンはディフェンスを背負っているため、シンプルにスビメンディや久保へ落とす。

逆サイド、アランブルへのロングボール

相手がコンパクトになっていればロングボールでアランブルの前のスペースも狙う。アゲルドのキックは柔らかくて正確。

プレスがこなければドリブルで前進も

こちらも頻度は低い。


ちなみにバジャドリーがしっかりとブロックを作っている時間帯では、左SBのセルヒオ・ゴメスに出してもあまり意味がない。

バジャドリーの右SBペレスが余っているので、ソシエダは数的不利

左のアウトレーンはこれ以上前に進めない。
なので左から攻めるのは、バジャドリーが前掛かってたり、サイドチェンジでまだブロックが整っていない時といったようなシーンに限定される。


もちろんスビメンディからも

アゲルドからの展開は中央を狙う形が多いので、バジャドリーも対策として中に絞ってくる。中央がコンパクトになってきてビルドアップが難しかった場合には、スビメンディが最終ラインに下りてくる。

スビメンディはCB間に下りてくることもある

それに連動し、右SBアランブルが左のセルヒオ・ゴメスと同じ高さを取る
両ワイドに幅を取ることで、相手のディフェンス陣形を広げる
加えてトゥリエンテスがひとつポジションを落とし、中盤の密度を下げる。久保とオスカルソンが狙うライン間にスペースを生まれやすくする。

両方のSBが上がっていると、クロスが合わなかった時のセカンドボール対応が早くなるのも良い。


4−3−3とは異なる右サイドの崩し

続いて右サイドの崩し。
スビメンディが最終ラインに下りてきていない限り、アランブルはあまり高さを取っていない。なのでアランブルの前、右WGのエリアが空いている。

ここに久保が移動してくる。
久保が外で張っている時にスベルディア→アランブルと経由することで、右サイドからも起点が作れる。

ただ久保がワイドで受けただけのように見えるが、4−3−3の時とはちょっと違う。それがオスカルソンの位置

4−3−3の時

4−4−2から変形したことで、近い位置にFWがいる。だから久保が溜めを作らなくても、ポケットへの侵入やポストプレーといった次の選択がスムーズに行える。

オスカルソンはダイレクトプレー上手いですね

久保のポジショニングがいつもより低い位置だったのは、そうした選択肢がある関係からだろう。

ちなみにこの右アウトレーンに久保ではなく、ベッカーが移動してくることも何度かあったが、この試合では再現性のありそうな形は見えなかった。



4−4−2ダイヤモンドのキーマン

・ 久保

まず間違いなく久保建英
ライン間でも右ワイドでも受けれる上に、左のバイタルからボックスに侵入することも出来る。3人にプレスをかけられてもパスを繋げるし、アシスト未遂に終わったベッカーへのスルーパスも圧巻だった。

際立ち過ぎていて、早くも代役がいるのか心配になるレベル。
ブライス、スチッチ、ザハリャン、セルヒオ・ゴメスと候補はいるが…

うーん、どうなんでしょう

久保がボールタッチしたエリア。広範囲に渡っている。 sofascore.comより

・ スビメンディ

今節はトゥリエンテスが常に近い位置でサポートにあたっていたこともあり、ビルドアップにおけるスビメンディの負担はいつもよりかなり軽かったように見えた。

それでもスビメンディのトラップが上手かったからロストせずに済んだシーンだったり、ネガトラ時の対応だったり、やはりその存在は大きい。

・ アゲルド

アゲルドはめちゃくちゃ良いですね。
足速いし、対人強いし、ヘディングも高いし。
視野広いし、パス正確だし、持ち運びも上手いし。
(雑ですみません)

夏に獲得できてなかったらどうなっていたことか。



今後も4−4−2は採用されるのか

今節は4−4−2ダイヤモンドに変更して明らかに良くなった感はある。
ただ左SBをかなり高い位置まで上げる戦術は、ある程度のポゼッションが期待できるからこそ採用したように思える。
次のELニース戦や、9節アトレティコ相手に使えるのか?

今節あまり絡みのなかった右SH(スチッチ)のところを修正して4−4−2を続けるのか、あるいは4−3−3に戻すのかはとりあえずの注目ポイント。


それにしても

7試合を終えて1勝2分4敗
得点3に、失点7(PK3)。
直近4試合0得点

こんなにも1点が遠いとは


おわり


次節バレンシア戦。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


いいなと思ったら応援しよう!