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【レビュー】主力不在の一発勝負 Copa del Ray1回戦 ホベ・エスパニョール - レアル・ソシエダ

24-25シーズンのコパデルレイ(国内カップ戦)が開幕。

スペイン東部で起きた洪水により、レアル・ソシエダの初戦は延期となっていた。ただ2回戦の予定も差し迫っていることから日程に余裕はなく、代表ウィーク直後に開催されることに。

それに伴い、代表組はお休み。それ以外の選手と、下部(ソシエダB)の数名を加えて試合に臨まなくてはならない。

とはいえ、相手は5部に所属するチーム。
ソシエダBが3部なので、実力差はかなりあるものと思われる。


いやでも、一発勝負のトーナメントってやっぱり怖い。


ちなみにこちらは去年の2回戦。

1−0の展開とか気が気でないからやめてくださいね。


チームコンディション

なお直前の代表ウィークで招集されていた選手の出場記録は、以下の通り。

レミーロ / 1試合 (45')
アゲルド / 2試合 (180')
アランブル / 2試合 (161')
スビメンディ / 1試合 (70')
スチッチ / 2試合 (97')
久保 / 1試合 (85')
ベッカー / 2試合 (165')
オヤルサバル / 1試合 (90') 1G
オスカルソン / 2試合 (115') 1G
サディク / 1試合 (1')

U-21
フラガ / 1試合 (90')
ハビ・ロペス / 2試合 (109')

U-19
マルティン / 2試合 (180')

おつかれさまでした

オスカルソンが怪我。
次回のビルバオ戦には間に合わないかもとのこと。


スターティングメンバー

いつもとはだいぶ違うが、これはこれで楽しみ。


試合結果

 5ー0

得点者:バレネチェア*2、セルヒオ・ゴメス、マグナセライア、ゴティ

チームスタッツ

数値は FotMob.com より

スタッツも良いが、なにより5得点というのが素晴らしい。

シュート位置

前半

後半

個人スタッツ

今回は個人スタッツの発表がありませんでした。


試合内容

穴だらけの左ポケット

ホベ・エスパニョールは攻撃時4−2−3−1。

守備時にはここからちょっと面白い形に変形する。

両SBを絞って中央に4人を配し、バレネチェアのサイドには右SH21番が引いてきて対応する。
各人の守備意識は次の通り。

オドリオソラとセルヒオ・ゴメス、オラサガスティに対しては基本的にマンツーマン。中央のマグナセライアに対しては1対2を作り、1人余らせる

加えてピボーテの6番がゾーンを守っているため、ホベ・エスパニョールは守備時に2人分の余裕を持っていることになる。
言い換えれば、ソシエダは攻撃時に2人余るということ。

余るのはCBのエリアでの1人と、左SBのバルダ。

ホベ・エスパニョールが意図的にこの状況を作っているのならともかく、そうは思えない対応がちらほら。

まずフリーのバルダにボールが渡った時に、最初に誰がプレスに行くかが決まっていない。だから難なく前進できてしまえる

14番はマリンをマンツー

バルダが前進すると、21番か6番のどちらかが寄せてくることになるが、21番が出てきた時がかなりひどい。

マリンのマークをしていた右SB14番が、バレネチェアのマークにスライドするため、マリンの前が綺麗に空く。
普通に考えればCB12番が連動してスライドすべきところだが、そんな素振りはなく、スルーパスが出されてから反応している感じ。


加えてもう1つひどいのは、オフサイドラインがガタガタなところ。

バレネチェアとマリンのマークについている21番と14番は、マンツー重視でオフサイドラインを揃えようとする気がない。

先制点のシーン。21番はいつも視野の取り方が良くない。

だからソシエダはかなり簡単に裏のスペースを突けてしまえる。

こっちは4点目のシーン。

21番はバルダにパスが来ると思ったみたい

バレネチェアがフリーすぎる。

とにかく前半はソシエダの左サイドが空きまくったことで、かなり容易に多くのチャンスを作り出すことができた。


後半のホベ・エスパニョールは、21番を引っ込めて4−2−3−1に変更。
ソシエダの4−3−3に噛み合わせることでマークを捕まえやすくしたが、さすがに4失点してからでは遅すぎた。

今季、得点不足に悩むソシエダにとって大量得点は喜ばしいことではあるが、ホベ・エスパニョールの守備設計の甘さにるところも大きかった。


総評

早い時間帯で先制点と追加点が取れたことで、かなり安定した試合運びができた感じがある。

普段はベンチを温めることの多い選手や下部の子たちが多い中で、この試合をテストの場として、アピールの場として戦えたのは収穫だったに違いない。


それにしても、バレネチェアとセルヒオ・ゴメスの上手さは別格だった。



ウルコの起用法

今季の開幕戦以来、3ヶ月振りのスタメンとなったウルコ。
その試合も前半45分のみの出場にとどまり、その後は戦術的判断によるベンチ外という状況が続いていた。

正確に言えば、ベンチ入り4試合、ベンチ外8試合

さすがにベンチ外が多すぎると気になっていて、次に出てくる時は絶対に何かしらウルコ専用の戦術的変更を用意してくると思っていた。


実際に見られた変更点は、ミドルブロックで構える守備時。

ウルコをCB間に下げて5バックにしている。

残念ながら、この試合では自陣深くまで攻め込まれるシーンがほとんどなかったため、効果の程は判断しかねる。

でもウルコを下げて3CBを形成するこのパターンは、両SBを上げる3バック型のビルドアップとの親和性が高い

直近の数試合では3バック型のビルドアップは見られていないが、相手や状況次第ではまた4バック型と併用されるだろう。

たとえウルコにスビメンディのような攻撃時の関わりを求めずとも、スビメンディの負担軽減として代わりを担えるシステムは、もう既に出来ているような気がする



どうでもいい話

ちなみにこの note では以前、サブの扱いに関して触れたことがある。

ウルコとオラサガスティとパブロマリン、この3人のMFはプレシーズンマッチで比較的長いプレー時間を与えられた。
にも関わらず第4節終了時点でこの出場時間ということは、イマノルの求めるレベルに達していなかったのだろう。

もちろんスビメンディやブライス、セルヒオ・ゴメスと比べれば実力的に物足りない部分があるのは否めない。でもウルコもオラサガもこれからの選手だし、やる気は人一倍強いはずだ。

スビメンディやブライスと同じタスクを与えるのではなく、違う何かでシステムに組み込むことができれば、主力の負担軽減に繋がる。

たとえばウルコは21-22シーズンをCBとしてセグンダで35試合に出場した経験がある。189cmと身長にも恵まれている。5バックで守備重視にシフトする時のセンターに置いたりとか、なんとなく可能性があるような

なんとなく当たったかな、というところ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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