【レビュー】理想的な追加点 第12節 セビージャ - レアル・ソシエダ
レアル・ソシエダは前節、ホームでオサスナ戦に敗れ14位に後退。
数日前にスペイン東部で発生した大規模な洪水により、ミッドウィークに予定されていたコパデルレイの1回戦が延期された。
そのため疲労という肉体面においては、いつもより心配はない。
ただ精神面を考えれば、家族や友人知人が被災しているかもしれない選手たちの心痛は察するに余りある。
普段のリーガとは状況がやや異なる中での一戦。
この災害が起きた経緯についてまとめられている良記事を貼っておきます。
日本ではあまり報じられていないニュースなので、ご存知ない方はぜひ。
チームコンディション
バレネチェア(足首)とトゥリエンテス(ヒラメ筋)が怪我のため招集外。
スターティングメンバー
注目の右WGには久保を起用。
ミッドウィークのELでターンオーバーすると考えると、次節のバルセロナ戦もこれに近い布陣になりそう。
試合結果
2ー0
得点者:久保、オヤルサバル(PK)
チームスタッツ
データ的にはわりと控えめな数字が並ぶ。
シュート位置
シュート数自体は少ないけど、2点取れているので問題なし。
個人スタッツ
PKを除いた xG はやっぱりやや低め。
試合内容
3バック型のビルドアップは無し
ソシエダは直近2試合で見せていた、3バック型のビルドアップを封印。
理由は、おそらく2つ。
ということでまずは1の方から見ていく。
ソシエダのビルドアップに対して、セビージャはCF7番イサークが1人で両CBに対応。パスコースを限定する程度のプレスなので、アゲルドとスベルディアはわりと簡単にドリブルで前進ができる。
加えて、前進してもWG11番ルケバキオと27番イドゥンボは前を塞ぎに来たりもしないので、ソシエダのビルドアップにはかなり余裕がある。
スビメンディが下りてきて手伝う必要がない。
というのが攻撃面での理由。
2つ目は守備面での理由。
セビージャの攻撃時は4−2−1−3。
SBが幅を取らず、内側に絞ってくるところが特徴的。ピボーテの2枚を含めた、後方6人の距離感を重視しているようだ。
中央から持ち運び、攻撃の軸であるWGルケバキオとイドゥンボに展開していくという狙いに見える。
ソシエダはセビージャの両WGに対し、もちろんマンツーマン。
これをネガトラ時も徹底できるよう、攻撃時も4バックの形でアランブルとハビ・ロペスを上がりすぎないようにしていたと思われる。
先日オサスナにやられたばかりなので、とても納得のいく采配。
ロングボール多用のセビージャ
よく分からなかったのはセビージャの方。
意外にも、序盤からロングボールを多用してきた。
人数的にはセビージャが有利な状況でもロングボール一辺倒な姿は、まるで少し前のソシエダのよう。
工夫があって面白かったのは左SB3番ペドロサを上げてくる形。
トップ下の26番フアンルがサイドに流れたことで出来た中央のスペースに、左SBペドロサが進入してくる。久保がこの対応に追われることで、普段よりも低い位置まで戻ることを強いられた。
それでもソシエダは、ターゲットであるCF7番イサーク・ロメロにボールを収めさせることなく、セカンドボールを回収。
SBペドロサが空けたスペースで、今度は久保がパスを受けて1対1。
セビージャはダブルチームに行く気もなさそうだし、久保のドリブルするスペースも空けててくれてるしで、その意図をはかりかねる。
そして最もよく分からないところは、久保との1対1をなぜかその後も全然ケアしようとしないところ。
ゴラッソ!
そりゃそうなりますって。
理想的な追加点
前半のソシエダは、得意のハイプレスを仕掛けていない。
ずっと4バックだったあたりからも、そもそも前半から積極的に点を取りに行くプランではなかったと思われる。
それでもセビージャにミスが多かったこと、プレスが弱かったことも手伝って、主導権はソシエダが握っていた。
だが、後半からセビージャはプレスを強める。
ハビ・ロペスをマークしていた右WG16番ナバスが、一列前のアゲルドにプレス。ハビ・ロペスには後ろの右SB32番が縦にスライドしてくる。
ソシエダは前半とてもスムーズだったパス回しが、引っ掛かり始める。
出しどころが無くなり、蹴らされたロングボールをセビージャに拾われる展開に。
セビージャのシュートシーンがちらほら生まれ始め、流れが傾いていた。
そんなタイミングでスビメンディがPKを獲得。
オヤルサバルのPK成功率は今回で33/37(89%)に。
すごすぎですね。
結果的にはこのゴールで大勢が決したが、あの流れのままセビージャに同点にされていたらと考えると、かなり紙一重だったようにも思う。
そういう意味でも理想的なタイミングでの追加点だった。
今回のマッチレビューは以上です。
いよいよバルセロナ戦
さて、次節はついにバルセロナ戦。
今年のバルサの強さは誰もが知るところであり、ソシエダにとって厳しい試合になることは容易に想像できる。
でもそもそもな話、ソシエダは優勝争いをしているチームではないし、負けて当たり前の実力差はある。なので別に負けても良い。それよりもどんな内容で戦ったのかの方が大事だ。
ポジティブな内容であれば、その後に控えるビルバオ、アヤックス、ベティスとの強豪3連戦を勝ち抜く自信にも繋がる。
23-24シーズンのホーム戦ではそれが見れた。
後半のアディショナルに決められ、惜しくも敗れたものの、何度もバルサゴールに迫る素晴らしい試合だった。
https://www.youtube.com/watch?v=2j5eCRlvTQ0
そして直後のCLベンフィカ戦で快勝し、そのまま3連勝を飾っている。
今回もぜひそんな感じでお願いします。
あ、もちろんバルサに勝っちゃっても全然問題ないです。
ハイライト載せておきます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。