【レビュー】ソシエダロス解消? PSM第1戦 アラベス - レアル・ソシエダ
ソシエダの試合は約1ヶ月半ぶり。この間にユーロがありコパがあり、素晴らしい試合をさんざん満喫させてもらった。ただそれはそれ、これはこれ。
ソシエダの試合が待ち遠しかった。
今回はプレシーズンマッチなので、普段見れない選手が多く出場していた。その記録を去年のデータとともに残しておく。
コンディション
ユーロとコパに参加していた選手(レミーロ、ル・ノルマン、スビメンディ、メリーノ、オヤルサバル、アランブル)はお休み
6月の国際Aマッチに招集されていた選手(久保、ベッカー、ザハリャン)もお休み
オリンピックに出る選手(パチェコ、トゥリエンテス、セルヒオ・ゴメス)もやっぱりお休み
怪我明けのアイエンもお休み
ほとんどいないですねぇ…
スターティングメンバー
前半
休みの選手があまりにも多いので、スタメンは必然こうなる。赤字はサンセ(ソシエダB)からの起用。
後半〜終盤
後半はサンセがもっと増える。
オラサガスティはブライスのサブとして考えられているようだ。
試合結果
1ー1 (PK ソ5−6ア)
得点:ブライス・メンデス
その他スタッツはなし。
練習試合なのにPKまでやるのは珍しいが、とても良いと思う。
試合内容
前半
まずアラベスの守備について。
主力選手を多く欠くソシエダに対し、アラベスはシーズン中と変わらない顔ぶれを揃えた。昨シーズンのアラベスは総得点数が36。リーガは全38試合だから、1試合あたりの得点率が1を割っていることになる。にも関わらず10位でシーズンを終えている。アラベスが守備のチームであることは明白だ。(ちなみに6位だったソシエダはというと51点)
特にピボーテの2人(ゲバラとブランコ)の連携と影響力は素晴らしく、やはりこの試合でも際立っていた。
このゲバラとブランコが、ブライスとマリンを常に監視している。この立ち位置は決まったものではなく、別に左右が逆でもマークする相手が逆でも気にしない。ポイントはブライスとマリンに縦パスが入る瞬間に厳しくチェックに行けること。
最終ラインについても同様。CFのカルロス・フェルナンデスがポストで受けにくる瞬間は、アブカルかテナグリアのCBいずれかが必ず強く当たる。
そしてこれらの約束事は下図に示したエリアでのみ行われる。
たとえばブライスがこのエリアの外、サイドやピボーテの位置に流れた時はディフェンスは付いてこなくなる。
これに対しソシエダは、このエリアへの縦パスを試みるもののなかなか良い形で受けることができない。レイオフやフリックといったダイレクトプレーが見られないのが原因のようにも思えるし、メンバーによる連携面がそもそもの要因にも思える。
結局このエリアではアラベスに分があり、ソシエダはエリアの外でボールを保持する形が多くなった。アーリークロス、ワイドで受けたバレネチェアの仕掛け、裏に抜けるマリンへのロングボール。全てこのエリアの外でキッカケを作っていく。ゴールに近付きはするものの、決定機に繋がらない。
そうした展開の中、セットプレー(CK)からキケ・ガルシアがヘディングで先制したのは、まさにアラベスのゲームプラン通りだったはずだ。
その後ソシエダは、カルロス・フェルナンデスのフリックからブライスが中央で前を向き、鮮やかなミドルを決めた。美しい軌道でした。
後半
後半は両チームともに選手変わりすぎて、ちょっと訳が分からなかったので割愛。
プレイヤーピックアップ
実は今回のレビューのメインはここ。
普段は見れないサンセの選手がたくさん見れたということで、データを添えておく。
その前に、少しだけ補足。
スペインのサッカーリーグはこのようになっている。ソシエダBは去年3部で9位。コパデルレイには規定により参加していない。
フラガ (Aitor Fraga)
2003/03/09 (21) 右利き GK
昨シーズンはソシエダCで14試合、ソシエダBで12試合に出場。
今季よりソシエダBに昇格。
ヨン・マルティン (Jon Martín)
2006/04/23 (18) 右利き CB
昨シーズン第37節ベティスとの大一番でリーガデビュー。今後の活躍が最も期待されている選手。今季はル・ノルマンが抜けたCBのバックアッパーとしてトップチーム帯同が増えそう。
昨シーズンはソシエダBで26試合に出場。U-17スペイン代表でのキャップ数は16。
ルペレス (Iñaki Rupérez)
2003/01/07 (21) 右利き 右SB
とても印象に残った2選手のうちの1人。この試合ではCBを務めていたが、ビルドアップ時に相手のプレッシャーがないとスルスル上がっていく。ドリブルの持ち運び方がとてもうまく、コース取りとスピード感が素晴らしい。この記事を書くにあたって、本職がサイドバックであることを知り大いに納得した。でもぜひまたセンターバックで見たいです。
昨シーズンはソシエダBで27試合に出場。
https://www.instagram.com/inakiruperez/
ゴメス (Jonathan Gómez)
2003/09/01 (20) 左利き 左SB
昨年は2部ミランデスに1年間ローン移籍していた。セグンダで38試合に出場。ユース時代はメキシコとアメリカで通算21キャップを積んでいる。
現在はアメリカ国籍。
ゴロチャテギ (Jon Gorrotxategi)
2002/02/02 (22) 右利き アンカー、インテリオール
印象に残った選手のもう1人の方。危機管理能力が高く、特にネガトラ時の対応の早さが際立っていた。ボールタッチもしなやか。出番が後半で、アラベスも若いメンバーを多く出していた時だったので、次はよりレベルの高い試合で見られたらと思う。
昨シーズンはソシエダBで35試合に出場。
https://www.instagram.com/jongorrotxa_/
パブロ・マリン (Pablo Marín)
2003/07/03 (21) 右利き インテリオール、左WG
22-23シーズンにリーガデビューし、カップ戦含め計17試合に出場。
しかし昨シーズンは出番なし。ソシエダBで32試合に出場。
ゴティ (Mikel Goti)
2002/05/23 (22) 左利き 両WG、CF
昨シーズンの頭にビルバオからフリー移籍。トップチーム帯同は何度かあるものの未だリーガ出場経験は無し。ソシエダBで31試合に出場。
バルダ (Jon Balda Zubiri)
2002/04/20 (22) 左利き 左WG
昨シーズンはソシエダBで17試合に出場。
マリエスクレナ (Arkaitz Mariezkurrena)
2005/04/05 (19) 左利き 左WG、CF
昨シーズンはソシエダCで14試合、ソシエダBで23試合に出場。
今季よりソシエダBに昇格。
ダディエ (Alberto Dadie)
2002/07/20 (22) 右利き 右WG
昨シーズン第20節ビルバオ戦でリーガデビュー。コパデルレイの1、2回戦でも出場したが、その後トップチームでの出場は無し。
ソシエダBで34試合に出場。
オチエン (Job Ochieng)
2003/01/17 (21) 右利き 右WG
去シーズンよりソシエダCから昇格。ソシエダBで34試合に出場。
ケニア国籍。
最後にいくつか
配信してくれてありがとうございました
ソシエダもアラベスも背中にネームが入っていないので、誰が誰か判別するのにとても苦労した。プレシーズンマッチということで選手紹介もないし、映像は途切れまくるし、遠くのサイドはよく見えないしと困ることだらけ。
それでもこの試合を日本から見れたことにとても感謝している。しかも無料で。放映権が高騰し、見たい試合が見れないかもしれないという不安がすっかり身に染み付いてしまっている。
ソシエダロス解消?
久しぶりのソシエダにテンションは上がっていたが、やはりここまで主力選手が欠場しているとちょっと物足りない感は否めない。
ハビ・ロペスに関して
この試合に前後してアラベスからソシエダへの移籍が決まった。
実は前回のアラベス戦でのレビュー時、次のようにnoteに記している。
だから第一報を聞いた時にすぐその名前を思い出した。はっきり言ってめちゃくちゃ嬉しい。
ただ、その前にシティから獲得したセルヒオ・ゴメスもまた左SBということで、ハビ・ガラン獲得の意向は無いと確信してしまった。ル・ノルマンがアトレティコと聞いて、ガラン絡みの話も進むかと思っていたのに。
ハビ・ガラン好きにはつらい現実だが、もしかしたら左WGとして獲得してくれる可能性もまだあるとこっそり期待している。
次節はこちら
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