チ○ポ出すなら浄土ヶ浜
チ○ポを露出するなら断然、浄土ヶ浜が良いに決まっている。公然わいせつだなんだと騒ぎ立てる者が表れても「チンポを出せねえ浄土がある訳ねえだろバカヤロー!」と、断固反論できるからだ。
北へ向かう高速道路をかっ飛ばしてまだ寝ぼけてるみたいに重い夏の夜の空気を置き去りにしよう。
「北へ向かう」と言うと何故か心が惹かれる。雪国自体に死のイメージが鬱蒼としていてそこに死への憧れを向けてしまうのかもしれない。言うまでもなく北国がその日照時間の短さから自殺率が高いことは有名だ。それ故、自死に対して特殊な寛大さがあるような気がする。村上春樹の小説ぐらい自然の摂理として自殺を捉えていそうな気さえする。こんなに過酷な環境で死にたくならないほうが不自然なのだと。本当は人の死なんてページの半分くらい触れれば済む程度のことで、おいおい泣いて騒ぎ立てるようなことじゃないのかもしれない。
浜についたらいなや走りながら服を脱いで波に怯える月に飛び込もう。ルパンダイブみたいに飛び跳ねて身体だけを逃がすみたいにシャツ、デニム、トランクスを同時に脱ぎ捨てる。サイドブレーキを引き忘れたのを思い出して海に入りたがる車に駆け寄り、押し戻す。君がいてくれてよかった。
今日も誰かに嫌われたんだろうな。だって俺も嫌いになってしまったから。
冷たかったはずの海水に体が慣れ始めた頃に羊水に浸っていた頃を思い出す。子宮に帰りたい。君の身体に入りたいと思うのは本当は性欲なんかではなくてただ子宮に帰りたいだけなのかもしれない。そこに限りなく近づける手段が性交しかなかっただけなのかもしれない。わかってくれなんて言わないが、そういうカルマの下に生まれてしまったのだから仕方がない。あの時切り落としてもらったほうが楽になれたのかもしれない。