マウントレーニア公式X ついシェアしたくなる!話題になった生成AI施策に注目
今回は森永乳業株式会社のマウントレーニアの公式Xで公開された、AIを使った施策に注目します。多くのリプライや引用ポストが生まれていた本施策。どのような施策だったのか、その内容を弊社独自の目線で解説しながら、SNS上で話題を生み出すにはどのような体験が必要なのか迫ります。
【「一人ひとりの心の拠り所になること」を表現!生成AIによる“褒めボイス”】
2024年6月20日、マウントレーニア公式アカウントで以下のような投稿がされました。
プレスリリースURL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001118.000021580.html
お笑いコンビ「さらば青春の光」の森田哲矢さんと通話している感覚でどんな出来事も褒めてもらえる、生成AIによる“褒めボイス”を楽しめる特設サイト「褒めらレーニア」を、6月20日(木)にオープン。
そのAIを実際に使った様子の動画投稿です。投稿は、77件のリプライ、1.3万いいね、3,032リポストされ、613.6万ものインプレッションを獲得し多くの人がこの投稿を目にしていることが分かります。
投稿された動画を見てみると、実際に2回、AIで褒めてもらうことを実演する内容になっています(ぜひ一度こちらからみなさんも試してみてください。スマホからがおすすめです)。電話をかけるような画面の後、チャット画面になり、褒めてほしいことを入力すると、AI森田さんが入力した内容に合わせて褒めボイスで返してくれるという体験型の施策です。
投稿テキストに「どんなことでも想像の5倍くらいほめてくれる」とあるように、「朝起きた」「徹夜した」というような些細なことでさえも、AI森田さんが受け止めて褒めてくれるのです!
プレスリリースによると、AI森田さんの反応は本当に様々なようで、ささやかな出来事ほど(AI森田さんの)テンションが高まり、大きな自慢話ほど冷静になってしまうそうです。このように、くすっと笑える遊び心のある仕掛けもありながら、どこか温かくやさしい気持ちになれる感覚を体験できる施策なのです。
上記の投稿の後にも、2投稿別の実演動画投稿(以下参照)を行い、AI森田さんの返しのバリエーションの多さを披露。塩対応など意外性のある返しがあるということも実演して見せることで、投稿を見た人たちが、思わずやってみたくなるような投稿を行っています。リプライでは「塩対応食らいたくて現実離れなコメントしてみたら相手にされませんでした」といった声もあり、反応を楽しむ様子がうかがえました。こうしたオチもしっかり織り交ぜながら、施策を告知しているのはさすが…!とうなずいてしまいます。
これらの投稿を見ると、どのようなことを入力すると、どんな返事が来るだろうワクワクしませんか?
自分だったら、何を褒めてもらおうかなと思わず想像してしまいませんか?
だんだん「自分もちょっと試しにやってみよう」と思ってしまいませんか?
リプライや引用ポストを見ていただくと、実際に「褒めらレーニア」を試し、AI森田さんからの回答や様子をシェアしているユーザーが非常に多く、回答を面白がったり楽しんだりしていることが分かります。ユーザーがつい自分でも試したくなってしまう、そんな心をくすぐる見せ方がX投稿上でできていたと言えるでしょう。
中でも「ローソンよって、マウントレーニア買ってこ。」といったリプライもあり、購買の後押しにまでに繋がっている形跡があるのは非常に興味深いです…!
また、マウントレーニアがブランドとして目指している「一人ひとりの心の拠り所になること」とも親和性が高い施策で、目指すものを非常に上手く表現できた施策ではないでしょうか。一人ひとりの出来事に内容に合わせて、寄り添った回答をしながら褒めてくれる。まさにブランドが目指していることを表現した、素晴らしい施策になっていますよね…!
【話題化を目指すには?“つい”自分もやってみたくなる体験を作り出す】
この「褒めらレーニア」の施策の中で重要なポイントは、以下の2つです。
投稿を見て「つい試したくなる」
投稿を見て「つい結果をSNSにシェアしたくなる」
X投稿上で、AIを実演した動画を複数パターン見せることで興味喚起を行っている点は、まさに「つい自分も試したくなる」という気持ちを誘うものです。
「こんなワードを入れたらどんな返事が来るだろう?」と期待感を醸成し、自分も試しにやってみようと思わせることができるからです。
加えて、リプライや引用ポストで他のユーザーが試した様子が多く見られることも後押しとなっていると考えられます。
リプライや引用ポストが、やってみた結果を「自分はこんなワードを入力したら、こんな返しだった」とSNS上でシェアし合う掲示板化します。いわゆる同じ体験をしたコミュニティが生まれるという状況が近いでしょう。このような環境が生まれたことが、施策の盛り上がりを後押ししたと言えるでしょう。
特に、AI森田さんはただ褒めるだけでなく、たまに塩対応も織り交ぜてくるというユーモラスな遊び心があるので、よりユーザーのつい試したくなる心をくすぐる仕掛けとなっているでしょう。面白い返しが来るまで何回も遊んでしまうユーザーもいるのではないでしょうか。
「つい試したくなる・ついシェアしたくなる体験を目指すこと」が、SNS上で話題になることへの一歩ではないかと考えます。これは生成AI施策に限らず、SNSを絡めた施策をするうえで重要な考え方でしょう。大喜利合戦となる投稿や、おすすめ情報がリプライに集まる投稿なども元をたどるとこの考え方にたどり着くのではないでしょうか。
自社のブランドやサービスのSNSでの発信を振り返ってみるとどうでしょう?
ターゲットがついシェアしたくなる切り口はあるのか、ついシェアしたくなる体験とはどのような体験か、エゴサーチやソーシャルリスニングを行い分析してみることで何かヒントが得られるかもしれません。もしその際に私たちの力が必要でしたらお気軽にご相談ください!
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