(メモ)賃上げ原資を考えるためのいくつかのグラフ
マクロ的な貯蓄と投資の貨幣的なバランス
総貯蓄 - 総投資 = 経常余剰(海外への貯蓄)
これは恒等式であって、不況であろうと好況であろうと成立している。ただし、これでは経済主体を国民経済一つとみているので、これを資本の側、労働者、政府の3部門に分けて考察してみよう。貯蓄も投資も資本側(企業と資本家個人)、労働者、政府に分けてみる。資本側の貯蓄ー投資(固定投資及び在庫投資)を金あまり、労働者の金あまりも貯蓄ー労働者の固定投資(住宅など)、政府の貯蓄ー投資を財政黒字(マイナスにして財政赤字)とすると、
資本側の金あまり+労働者の金余り=海外への貯蓄(投資)+財政赤字+資本側の資金調達+労働者の借入
労働者の貯蓄は主に住宅購入などの投資に使わないで残ったプラス部分は金融機関への預金や年金基金となり貨幣資本として機能する一方、マイナス部分として住宅ローンなどの借入がある。また過剰貨幣資本は資本側において生じる「過剰」であり、資本側の外に対して貨幣資本としての機能が向かっていく部分と考えることができるので、資本側の金あまりから資本側の資金調達を差し引いて考えるべきであろう。つまり過剰貨幣資本=資本側の金あまり+労働者の金あまりー資本側の資金調達となる。そうすると以下のように書き直すことができる。
過剰貨幣資本=海外への貯蓄(投資)+財政赤字+労働者の借入
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