【2023年から2024年のインバウンド対応に向けて】訪日外国人観光客の食の多様性に言語の壁を超えて接客ができるツール「FOODPICT(フードピクト)」
コロナが明け、2023年に入り日本への外国人旅行者が増えています。
日本政府観光局(JNTO)が2023年9月20日に発表した「2023年8月訪日外国人数(推計値)」は215万6,900人となり、コロナ前の2019年と比較すると85.6%(2019年は252万人)まで回復しています。
出典:訪日外客数(2023年8月推計値)
2024年には航空会社各社による国際線の運航拡大や、中国からの団体旅行の解禁、さらに2025年には大阪・関西万博(日本国際博覧会)も開催予定で、外国人観光客はコロナ前の水準以上になると予測されています。
1. 外国人観光客の食の多様性への対応、どうしていますか?
日本での食事は、外国人観光客に人気アクティビティのひとつです。
外国人観光客が日本旅行に期待することは、訪日前・滞在中・次回訪問時のいずれにおいても「日本食を食べること」が第1位を占めています。
しかし日本は諸外国と比較すると、外国人観光客のフードダイバーシティ(Food Diversity/食の多様性)への対応に遅れを取っています。
日本を訪れた外国人観光客の約3人に1人が「食事の場面で困った」経験があると回答しており、安心して食事を取れないことや、レストラン探しに苦労している観光客も少なくありません。
2. いくつ知っていますか? 実はこんなにある!食の多様性
食の多様性を考える上で基本的な要素となるのが、以下の3つです。
① 宗教上の戒律と禁忌
豚や貝、イカやタコなどの軟体動物やエビやカニなどの甲殻類を食べないユダヤ教、豚とお酒を食べないイスラム教、牛を食べないヒンドゥー教など、さまざまな理由により食に禁忌を定めている宗教が多くあります。
② ヴィーガンやベジタリアン
動物性の食材を避けるヴィーガン、乳製品は食べるラクト・ベジタリアン、卵は食べるオボベジタリアン、乳製品と卵は食べるラクト・オボ・ベジタリアン、香りの強い五つの野菜(ねぎ、にら、にんにく、らっきょう、あさつき)を避けるオリエンタルベジタリアンなどがあります。
③ 食物アレルギー
消費者の健康保護などを目的にFAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)により設置された「コーデックス委員会」は、世界共通のアレルゲンとして以下の8つを規定しています。
・グルテンを含む穀類及びその製品
・ピーナッツ、大豆及びその製品
・甲殻類及びその製品
・乳、乳製品(ラクトースを含むもの)
・卵及び卵製品、木の実及びその製品
・魚及び魚製品
・亜硫酸塩を10mg/kg以上含む食品
各国はこれらの規定を基に、それぞれの国の実情に応じたアレルギー表示のルールを定めています。日本では食品表示法に基づき、表示義務がある8品目と、表示を推奨している20品目が定められています。
3. 言語を超えたコミュニケーションツール
【 FOODPICT(フードピクト)】とは
フードピクトは、ISO(国際標準化機構)とJIS(日本産業規格)のピクトグラム制作規則と、CUD(カラー・ユニバーサル・デザイン)のガイドラインに準拠し、世界1,500名への理解度・視認性・必要品目の国際調査から2009年より約1年をかけて開発された食材表示の絵文字です。
観光庁が推奨する情報開示に基づく食の多様性対応の1ツールとして、宗教上の戒律や禁忌、ヴィーガンやベジタリアン、食物アレルギーにより「食べられないもの」があるお客様との、言葉や文化の違いを超えた正確なコミュニケーションをサポートしています。
従業員が英語をはじめとする外国語を話せなくても、訪日外国人観光客とコミュニケーションが取れたり、自ら選択することができ、ひとめで分かるツールとして開発されたのが【FOODPICT(フードピクト)】です
これまでに、UNWTO(国連世界観光機関 / World Tourism Organization)ガストロノミーツーリズム世界フォーラム(2022年開催)やG20大阪サミット(2019年開催)などの国際会議、羽田空港(東京国際空港)・成田国際空港・関西国際空港をはじめ、全国100社1,600店を超えるホテルや飲食店で利用されています。
4.【 FOODPICT(フードピクト)】レストラン・飲食店での活用事例
フードピクトは外国人観光客にとって日本への最初の入り口となる国際空港や、観光先で立ち寄るレストランで利用され、安心して日本での食事を楽しんでいただくためのツールとして好評をいただいています。
映像:フードピクトの誕生経緯と展開が3分間で紹介されています。
(出典:BS朝日「Fresh Faces」番組公式YouTube|2021年1月30日放送)
インターネットで食事のアクティビティを探す外国人観光客に向けて、グーグルビジネスや自社のホームページなどでフードピクトを使用していることを掲載すれば、探している人へピンポイントで情報をお届けできることが期待されます。
【リーガロイヤルホテルの事例】
【阪急阪神ホテルズの事例】
【アドベンチャーワールドの事例】
5.【 FOODPICT(フードピクト)】食品メーカーでの活用事例
Airbnb(エアービーアンドビー)などを使い、別荘・民泊・コンドミニアムを予約し、長期滞在する外国人観光客は、外食ではなく宿泊先で調理をして食事を取る場合もあります。
特に調味料などの複数の原材料が含まれている食品は、日本語を読めない外国人観光客にとって購入しにくい原因となっています。
そこで食品や飲料、お土産や化粧品などにフードピクトを取り入れることにより、外国人観光客だけでなく、食物アレルギーがある日本国内のお客様にも安心してお買い求めいただく取り組みも進んでいます。
【オタフクソースの事例】
【ニチレイフーズの事例】
また、すべての人に安心を届けるフードピクトは、農林水産省のウェブサイトでも紹介され、新しい食品表示のインフラとして全国の避難所に配備されているコミュニケーションツール(別記事で紹介)でも利用されています。
【農林水産省の事例】
より良い食体験をすべての人に届ける株式会社フードピクトでは、フードダイバーシティ(食の多様性)に対応する事業として、使用食材を開示する絵文字【FOODPICT(フードピクト)】の他にも、プラントベースの商品開発と顧客体験を支援する【Plant Journey(プラントジャーニー)】を自治体や飲食宿泊事業者に提供しています。
またガストロノミーツーリズムのコンテンツ造成やファムトリップへの講師派遣もお承りしております。お気軽にご相談ください。
【会社概要】
・社 名:株式会社フードピクト
・設 立:2017年1月23日
・資本金:1,200万円
・所在地:兵庫県神戸市灘区水道筋3-4
・代表者:菊池信孝|代表取締役
・連絡先:hello@foodpict.com
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