カンボジア・シルバー受賞作品【SDGs×アートWhiteCanvas】
WhiteCanvasシルバー受賞作品『Flower Family』を描いたKhchao Touchさんは、1982年にバッタンバン生まれ。彼女も名門アートスクールPhare Ponleu Selpak出身だ。
細密で繊細な彼女作品は、爪楊枝よりちょっと大きいくらいの手作りブラシで描かれる。特別な木の小枝を削って作り、絵の具を少しずつおいていく作業は、点描に近い。
ひとつの作品を作るのに、数ヶ月かかることもあるという。
この作品は、白血病になった娘をタイの病院に連れていく、列車の中で生まれた。
長時間、揺れる列車中で、この点描しか描けなかったのだろう。
一人娘が白血病という大病に苛まれ、不安や恐れを振り払い、前向きな心を保つために描かれた。
彼女にとって、この作品は瞑想であり、精神世界を表現するものだったのだ。
そのインスピレーションは、心の中に咲く花であり、ツタが広がる植物などの、自然物。
画面に描かれる三輪の花は、彼女と旦那さん、そして娘の3人を表しているようだ。
三輪の花が支え合って、生きている。
タイトルの通り『Flower Family』、家族の華だ。
そんな白血病になった、彼女のひとり娘はどうなったのか?
実は、完治したTouchさんの娘Swallow Padmaちゃんは10歳になり、WhiteCanvasのキッズ部門に応募してくれた。
細々と描かれた森の木々は、母親譲りの細密さ。真ん中に狼が描かれた構図はダイナミック。惜しくも、上位受賞は逃したものの、ノミネート作品に選ばれた。
WhiteCanvas唯一の、親子ノミネートだ。
Touchさん、Padmaちゃん、そして旦那さんで英国人Darren Swallowさんの三人は、バッタンバンの目抜き通りストリート2.5でLotus Arts Galleryを営んでいる。
実は、Khchao Touchさんの受賞作『Flower Family』は、WhiteCanvasの協力団体・東方文化支援財団で購入することができなかった。彼女の作品は、お金で売るものではなく、親しい人のためや自分たちのために描かれているからだ。従ってWhiteCanvasノミネート作品内で、ブロックチェーン証明書Startbanhnタグは添付されていない唯一の作品になる。
そんなTouchさんの作品は、Lotus Arts Galleryで見ることができる。
ぜひ、彼女の繊細で緻密な作品を、実際に見てみて欲しい。何か、心に刺さるものがあるだろう。
現在、プノンペンのギャラリー『Pi-Pet-Pi Gallery282』でも、作品展示中。私も是非みに行きたい。
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こちらの記事でもWhiteCanvasについて書かれています。