旅育のカワイイ障壁
中村家が旅に出るのに、大きな障害ができた。
猫を飼いだしたのだ。
ペットがいると、旅に出にくくなる。
猫好きな妻が、猫を飼いたがっているのを、今まではそれとなく賛成せずにきてきた。
しかし、ある日、息子の日奈太が、子猫を拾ってきた。
なんでも、水辺で死にそうだった子猫らしい。
家に帰ったら、『ニタ』という名前が決まっていた。
日奈太が自分で決めたらしい。
意外にいい名前。
とはいえ、ベビーシッターのジェニーの友人のフィリピン人の女性が飼ってくれるらしい。
数日のお付き合いのはずだった。
まだ生後数日。
目も開いていない。
そして、自分で食事を取ることもできない。
インターネットで調べると、3時間に一度は食事をあげないといけないらしい。
寝れやしない。。。
いつもよく寝る妻が、夜中に起きて餌をあげる。
もう、僕だって寝ていられない。
家族総出で、猫に振り回される数日間を過ごすことになった。
しかし、その後は我々、中村家は日本へ3週間帰国。
その間は、結局、我が家のベビーシッターのジェニーが面倒を見ることになった。帰国中も、ジェニーに給与を払った甲斐がある。
戻ってくると、もう目もぱっちり開いて、元気にと回る子猫になっていた。
そして、なんだかドサクサのうちに、我が家にいることになっている。
日奈太にとっても、子猫との毎日は学ぶことも多いだろう。
実際、子猫のニタを乱暴に扱って、叱られることもチョクチョクだ。
一人っ子の日奈太には、ちょうど良いのかもしれない。
ニタを、鞄や袋に入れて、一緒にお出かけする日も増えた。
まぁ、ベビーシッターもいるし、ニタを飼っても旅には出れるだろう。
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