ふしぎな町のマニラ
別にバズっているわけではないはずなのだが、会う人会う人に、フィリピンに行っている話が知れ渡っている。思った以上に、先日の記事を読んでくれている人が多かったようだ。
家がなくなり、フィリピンへ移住したと勘違いしている方々もちらほら・・・。実は、フィリピンからちょっとだけ日本へ帰国して、カンボジア戻って二週間ほど滞在。そして、今はインドにいる。
インドの話をする前に、少しだけ、フィリピンを振り返ろうと思う。
個人的には、三週間ほど滞在したセブ島よりも、数日しか滞在しなかったマニラの方が魅力的に感じた。
マニラのうわさは、渋滞がひどく、治安が悪い。周りからはあまり良い印象の噂は聞こえてこなかった。そんなマニラの空港を降り立つと、雨季ということもあり、高層の摩天楼の上には真っ黒な雨雲が立ち込めている。暗黒都市・・・まさにジョーカーに出てくる『ゴッサム・シティ』。
そんな、暗黒都市マニラの街のアート巡りをしてみた。
ところが、実際に街を歩いてみると『印象』は変わる。
どう変わったかといえば、「マニラの街が好きになった。」
とはいえ、『印象』自体は変わっていないかもしれない。
思った通りの、わゆる、昔ながらの”発展途上国”。
街並みは古く、ごちゃごちゃしていてる。
道は大渋滞。
勢いも、停滞も、新しさも、古さも、ごっちゃ混ぜ。全てを包括しているような大らかさが満ち溢れている。
フィリピンのアートにも同じようなイメージを感じた。
ふらりと入ろうとしたギャラリーのシャッター閉まっていた。
覗き込むと、手招きされる。
陽気なフィリピン人のアーティストJobが、ギャラリーオーナーにお構いなく招き入れてくれた。
Jobは、音楽やペインティングのアーティスト。
友人の展示会を見にきたらしい。
そのまま、いくつかのギャラリーを一緒にめぐる。
Jobの話を、よくよく聞くと彼のボスは日本人らしい。
ボスの名前は『ウリュー』。
そんなJobのボスの拠点が、近くのショッピングモールの中にあるらしい。
Jobが場所を教えてくれるということで彼のバイクについて来い、と言う。というか、私が乗ったジプニー(乗り合いバス)の後ろからついていくので、降りるタイミングを教えてくれるらしい。
合図と共に飛び降りると「Good By!」
ボスの拠点が入っている場所の名前はMCS(Makati Central Square)。
古びた老舗のショッピングモール。
どことなく懐かしい感じがありなが、中に入るとアジアらしくカオス。昭和の香り漂わせていて、不思議と異世界に迷い込んだような錯覚を感じさせられた。
アートギャラリーもあれば、銃のお店もある。
色々なものが、ごっちゃ混ぜ。
銃の店にはたくさんの拳銃がカジュアルに展示してあり、試し撃ちもできるみたいだ。馴れない銃のお店に、ちょっとビビる。
そんななんでもありなショッピングモールMCSの4階にあるのが、瓜生劇場。
どうやら、Jobのボス『ウリュー』とは、瓜生敏彦さんという方らしい。
軽い気持ちでたどり着いた瓜生さんとは、どうやらすごい人のようだ。残念ながら、この日、瓜生劇場では何もやっておらず、瓜生さんにもお会いはできなかった。
とはいえ、フィリピンにも映画やアート、クリエイティブで、貧困問題に取り組む方を知れたことは大きい。
是非、いつかお会いしてみたい。
まだフィリピンとのふしぎな縁も、つながっていくかも知れない。