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夏休み明けは増える?学校行きたくない

8月下旬。一斉に多くのメディアがメッセージを発する。
「新学期が始まることで悩んでいる人は無理して登校しなくても大丈夫」
「今、しんどい思いをしている生徒の方は〇〇までご連絡を……」
また、不登校や子どもの自殺に警鐘を鳴らす多くの特別番組が放映される。

いったい学校現場では何が起こっているのか…

かくいう私も学生時代に同じような気持ちを抱いたことはある。この文章を見ている多くの皆さんにも同じような経験があったのではないだろうか?
「また、あの変化も刺激もない日々が始まるのか…」「あの息苦しい空間に戻らないと行けない…」と。

ちゃんと答えられないジレンマ

息子が小学校1年生になったある日、ふと私にこう語りかけてきた。「お父さん、なんで毎日学校に行かないと行けないの?」私自身、学校の教師であるにも関わらず、この唐突であまりにも真っ直ぐな問いかけに一瞬たじろいでしまった。皆さんならどのように返すだろうか?


私はとっさに「だって、ひらがなとか算数ができないと、この先困るよ?」と。

小学1年生の息子は「それなら家でもできるよ!」

「ん〜・・・」
確かに、コロナ禍でオンライン教材も豊富にあり、基礎学習なら家でもできないことはない。

「そうだ!学校で友達と交流したり、遊んだりすることも立派な勉強じゃないかな!」と大人なりに学校に行く理由を次から次に繰り出してみた。

それに対しても「昨日も地域の子と遊んでいるよ。それに学校では休み時間が短くて全然遊べない…」もはや、息子の言っていることの方が断然理にかなっている。

教師であり、父親でもある私にとって、この小学1年生の息子からの主張はえらく心に刺さった。


文科省の公表した数値では、2019年度には18万人以上の不登校・登校拒否の児童生徒が報告されている。この不登校には定義があり、「30日以上の欠席」が条件となる。不登校傾向の生徒を含めるとその数はさらに膨れ上がる。

こんな悲しいデータも…

自ら死を選ぶ児童生徒が増加し続けているのだ。経済の多少の持ち直しをきっかけに成人の自殺数は減っているのにである。10代の子どもたちの死因1位が「自殺」なのである。


学校の新たなスタイル


現在、教育の世界も大きく様変わりをしはじめている。「学内フリースクール」を設ける学校も出てきた。(朝日新聞2021年8月31日「教室が苦手な子へ学びの場」参照)また、個々の学びのペースに柔軟に対応させるカリキュラムを作る学校も増えてきた。私の勤務していた中学校にも「サポートルーム」と呼ばれる空間が存在した。何らかの理由で学校に(一時的に、または長期的に)登校しづらかったり、教室に入りにくい生徒たちの「居場所」であった。

子どもたちは居場所と仲間、そしてサポートしてくれる大人がいるだけで、どんどん前向きになっていった。スクールドッグのスーが、そこで担う役割も大きかった。


人は適切な環境とサポートがあれば自ずと進むことができる。今、日本の学校にはこういった子どもたちの「居場所」が何よりも求められている。

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