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テクノロジーは我々をどこに連れていくか【テクノ・リバタリアン】

簡潔な本紹介もこのタイトル構造でやってみる。

今回紹介するのはかなり新しめの本で、インターネットでも話題になることがある橘玲氏が書いたものである。

政治思想の整理

この本のタイトルには「リバタリアン」という政治思想に繋がるキーワードが使われている。
「リバタリアン」は自由主義を主張する者に使われる言葉だが、日本語訳すると同じ訳語になりかねない言葉として「リベラリスト(リベラル)」が挙げられる。

重要なのは、何かを議論するときには立場を明確にする必要があるということだ。例えば、「私は死刑制度に反対する」と言った場合に、「死刑制度は国家による行き過ぎた暴力」という思想と「死刑制度は罪人に安息を与えるもの」という思想では全く立場が異なる。
死刑制度に賛成する人がこのような人と議論する時、相手の立場が明確でないとどっちの方向に行って良いかわからなくて議論ができないだろう。

そういう意味で、リベラリズム、リバタリアリズムを含めた政治思想の整理をしておくことは価値があるだろう。

テクノロジーの光と影

この本を読んでいくと、テクノロジーの光と影が見えてくる。
テクノロジーの発展は我々を自由な方へ導いてくれるので、それを至上として、テクノロジーを無限に発展させて自由を勝ち取ろうとする方々を「テクノ・リバタリアン」と呼んでいるが、果たしてこの方向は正しいのかを読者各々が考えていくことになるだろう。

テクノロジーの先端を走っている方々や、そのテクノロジーが解決しようとしている問題について概観するにはおススメの本だ。

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