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家庭教育支援者地区別研修(会津地区)

・主 催:福島県教育庁会津教育事務所
・開催日:令和4年8月31日(水)
・会 場:会津若松市北会津公民館
・参加者:32名 

1 テーマ

すべての子に安心・自信・自由を
~子どもの持つ力を信じ、「生きる力」を引き出す方法を学ぶ~

◆ テーマ設定の理由及び実践活動のねらい

 家庭教育に関わる地域の課題や子どもたちを受け止める家庭環境づくりについて研鑽を深め、地域で子育てをする親を支援する家庭教育支援者の実践力を高める。
 さらに、「家庭教育支援チーム」の実際を学び、地域の家庭教育支援者の育成を目指す。

2 講議 「家庭教育支援チームについて」

 会津教育事務所 社会教育主事兼指導主事 土屋 浩行

(1)家庭教育支援チームとは

① 身近な地域での様々な取組や講座等学習の機会の提供
② 親子で参加する行事の実施
③ 子育てや家庭教育に関する相談対応
④ 地域の情報提供等
 ・構成員
 ・支援対象

(2)活動内容

① 学びの場 (学習機会 の提供)
② 地域の居場所づくり (親子参加型等の実施)
③ アウトリーチ型家庭教育支援
(保護者や子どもの居場所に出向いて届ける支援)
④ 情報提供

(3)会津地区「家庭教育支援チーム」の紹介

① 福島県家庭教育インストラクター会津さざなみの会

・ 野外活動を通して、子どもの「意欲・関心」「人間関係能力」の育成と、親子の共同作業体験を実施している。
・ よりよい親子関係の構築を目指している。

② 西会津町家庭教育相談室“こころのオアシス”

・ 西会津町立西会津小学校1階にある家庭教育相談室「こころのオアシス」では、子育てや家庭教育に関する悩みなど、たくさんの保護者の皆様から相談を受け付けている。
・ 関係機関をつなぐハブ的な役割を果たしており、地域にとってなくてはならない存在となっている。

③ 喜多方市家庭教育支援チーム“もも”

・「無理をしないで地道に末永く」をモットーに、助けが必要な保護者には、いつでも「もものおばちゃんがいる」と思ってもらえるような活動を目指している。
・昨年度から相談窓口のホームページを設置している。

④ あいづCAP

・子どもたちが様々な暴力から自分を守るための人権教育プログラムで、子ども・保護者・教職員等にワークショップを提供している。

(4)「家庭教育支援チーム」の登録

・家庭教育支援の取組を継続的に行っている団体等であれば、「福島県家庭教育支援チーム」に登録することができる。
・メンバーが2名以上から登録することができる。

3 ワークショップ「すべての子に安心・自信・自由を」

あいづCAP 
田中 明子 様、芳賀 茂美 様、小野 美喜子 様

○ アイスブレイク

隣り同士(2人)で自己紹介(名前・仕事・好きな食べ物)

(1)CAPとは

(Child Assault Preventionrevention 子どもへの暴力防止)

・ 学校・地域・家庭で起こる可能性がある暴力とは何か
・暴力を受けたとき、どんな気持ちになるか
→ 悲しい、逃げたくなる、自信が無くなる、自己肯定感がなくなる、気力がなくなる、前に進めなくなる、憎しみ、恨み、怒り、不信
・暴力を受けたら、どんな状態になってしまうか
→眠れない、精神疾患、病気、人に会いたくなくなる、引きこもり、不登校、暴力的、いじめをする、家出、徘徊
・暴力に遭いやすい3つの原因
→① 社会的な力を持たされていない
 ② 知識や経験にかけている
 ③ 孤立させられている

(2)CAPプログラムの構成と内容

(小学3年生バージョン)

・ 子どものワークショップの紹介(ロールプレイの実践)

「今日はご飯を食べさせないよ」「今日一日トイレに行かせません」
生きるためにどうしても必要なことを「権利」という
他にある権利とは何か。(寝る・学ぶ等)
誰かから嫌なことをされたらどうすれば良いか
「嫌なことを友達に言われている児童」の回避の仕方について

(3)CAPプログラム 3つの柱

① 子どもの権利(人権意識)
・自分を大切に思うこと
・特別に大切な3つの権利の確認(安心・自信・自由)
・権利を奪われたときに何ができるかを考える。
 「いや」自分の意思を表明する
 「逃げる」その場を離れる
 「相談」誰かに話をする
②エンパワメント生まれながらに平等に持っている力
・つながる力・生きる力・個性・可能性・人権
⇔ 否定するもの(差別・偏見・比較)
・外的抑圧【外からの力】、レジリアンス(弾力性)【外から力を跳ね返す力】、内的抑圧【内からの力】の説明と具体的例について話し合う。
・ あなたはあなたのままで良い(ありのままで)無条件で受け入れる(認める)
・ 子どもの力を信じて、その力を引き出す関わり方(肯定・受容・共感・信頼・尊重・知識・愛情)
③コミュニティ
・学校と家庭と地域をつなぐ

(4)大人ができること

 ・ 子どもの話を聴く方法
 (子どもの気持ちを受け止める)
 「私に話してくれてありがとう」
 「あなたが悪いんじゃないよ」
 「あなたの言ったことを信じるよ」

(5)その他

○子どもの虐待4つの分類

・身体的虐待(乳幼児揺さぶり症候群・代理ミュンヒハウゼン症候群)
・性的虐待
・ネグレクト
・心理的虐待

○ 虐待の兆候

・ 虐待のサイン2つ
① 子どもの様子が今までと大きく違う
② 子どもが虐待かなと思うようなことを言った

・ 虐待とは(ababととuseuseに分けられる)
① 力の乱用
② 力の誤用

○虐待を受けた子どもの典型的な心理パターン

・被虐待児は、あなたの助けをひたすら待ち望んでいる弱々しい子であることは稀である
・被虐待児を援助、救出しようとして多大なエネルギーを費やしても、この子どもから嫌がられ、拒否され、時には攻撃されることもあり得ることを覚悟する。

○ 虐待の連鎖

・ 虐待を受けた子どもにしっかりと関わりを持てば(話を聞いてくれた、存在を認めてくれた、あなたは悪くない等)、その子が大人になったとき、自分の子に虐待しない割合は、67%で、虐待をしてしまう割合は33%である。

(6)最後に

・ 自分の言われたい言葉を選び、本日のペアになった方に言ってもらう
・ 大人も「安心」が無いといけない
・ 大人は子どものモデルである

※ 質疑・応答

○ キャップの立ち位置(活動)は
→予防の分野で相談を受けるのは、ワークショップの後のトークタイム時のみ
→相談された内容をつなぐ先は学校で、外で相談業務は行わない
○「誰にも言わないで」と言われたときの対応
→ どの先生には言えるのかを確認する
→ 通告が必要なものは、先生に伝えることを子どもに話してから伝える

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