九種・複合体癖の矛盾と葛藤、そして強み
九種は、怖い。
集中力が異常に高く、不機嫌そうで、話しかけても無視して、言葉短く核心をつき、それなのに一旦話し始めるとマシンガンで、「すべてか無か」の極端で、こちらをガン見して威嚇(?)してくる。
あるいは…
研究熱心で、情熱的で、懐に入った人はとことん面倒を見て、仕事が丁寧で、そのくせ「はっ!」と思いつくと脈絡なく唐突に物事に没頭する。
とにかく怖い九種。
かつてNASAから宇宙船に必要な超緻密な部品を発注されて手作業で作成し技術大国として日本経済を支えてきた町工場の職人にも九種が多かったのでしょうが、そういうのを含めて、九種は怖い。
が、その怖さの奥に深い愛と情念とが混在していて、執念深く真の完璧を追い求める求道者ゆえの真っすぐな姿勢があるのです。
そこに他の種の要素が組み合わされば、九種の怖さは少し減ります。
減った分に、さらに素晴らしい面がプラスされるのです。
怖いだけではない人にはそういった複合体癖の秘密があり、相手が九種だからといって敬遠しているのは非常にもったいない。
懐に飛び込んでみれば、見た目からは想像もつかない愛で迎えてくれるのですから。
その一方で…
他の要素が足されることによって、さらに怖さが増してしまう九種も。
九種なのに機を見計らって動かなかったり、九種なのにやたらと人に気を遣ったり。
”何を考えているのか分からない度”が増してしまう人も少なからずいます。
人を「○種だ」と十把一絡げにしてしまっては、多くのことを見落としてしまいます。
自分も九種で相手も九種だったとしても、全く違う側面が浮かび上がることもある。
「自分や相手の中に九種と他の種がいる」と、”体癖は人の部品である”ということを認識すれば、共通している部分と差異がある部分とを正確に見分けることができるのです。
体癖はタイプ分けではありません。
”人の個性の構成要素”にフォーカスするものです。
その部品には、共通する部分が多く見られます。
体の動かし方、雰囲気、体つき、感受性、行動パターンや口癖、価値観…
九種混じりの人が二人いれば、同じように動き、同じように話し、同じように感じる”部分”があります。
体癖を始めて見出した野口晴哉先生は、絵画の中から原色を抜き出すようにして、それらを発見したのです。
というわけで今回の『タイヘキストマガジン』は、”九種の複合体癖”について述べていきます。
複合体癖シリーズの第三弾です。
今回も第1弾の三種、第2弾の八種と同じく、10面体のサイコロを振り運を天に任せて九種に決まりましたので、この記事は絶対に爆売れするはずです(笑)。
いやいや実際、「こんなマイナーなの、誰も読まないだろ」とタカをくくっていたのですが、「私の周りでエピソードに書いてあったのと同じ人がいます!」とか「三種っぽいのにあぁいうことをやるの、八種が混じっていたからなんですね!」と、千の太陽よりも熱いメッセージをいただきました。
よって、このシリーズは第1弾、第2弾を踏襲し、独白形式のエピソードと解説をつけてお送りしたいと思います。
エピソードはソシャフィアが体癖診断や整体の施術、体癖コーチンングなどでお客様にしていただいたお話や、タイヘキスト仲間を中心とした友人たちと雑談をして得た情報を元に、プライバシーに配慮して一部改変してお送りいたします。
では、九種の複合体癖は、どんな葛藤や矛盾を抱えやすいのか?
そして、どんな強みがあるのか?
おっかない九種複合体癖の謎に迫っていきましょう。
九種一種
九種一種は、頭の中で常に何かを考えています。
一種の思考が九種の持続性と相まって、答えのないことでも何でも頭の中でグルグルと回しているのですね。
そうすると、周りで何が起こっていても頭の中にあることに集中して、周囲の人間から見れば非常にボーッとしたように見えるのです。
表情が固く眼光が鋭い人が多いので、怒っているふうにも見えて近寄りがたい雰囲気を持つ人もいます。
純正の九種であれば考えていることが突発的な行動に出て、しかもそれが続くのですが、そこに一種が混じると行動を起こすために頭で整理してから動こうとするところがあります。
人によっては動くための大義名分がそろわないと動けず、いつまでも頭をグルグルと回し続けます。
そういう点で、動く/動かないという葛藤が九種一種にはあり、動きたい九種と動かない一種とでぶつかるのですが、九種が前に出ていると行動した方が良い結果が得られることが多い傾向があるように見られます。
強みとしては、非常に考えが深く、深謀遠慮で遠く先々のことまで見通すような計画を立てられるところが挙げられます。
明確な目標があれば目の前のことに一喜一憂せず、信念を持って最後まで駆け抜けることができるところも九種一種の魅力ですね。
私ソシャフィアの友人で弁護士になるために大学卒業後14年間も勉強し続けて、それでもあきらめずに司法試験に合格した九種一種もいます。
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