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体の動きから体癖を見抜く

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以前、以下の記事で「体癖は外見から判断するものではない」というようなことを書きました。

詳しくはこちら♪

体癖は野口晴哉先生がおっしゃるように、「咄嗟に現れる動作のうらにこそ、その人の体質的なその人の本来的な心が反映している(『体癖』原文ママ)」のであり、「体を理解するためには恰好より中身の動きを見るべき(『体癖』原文ママ)」であり、「外見の恰好から判断することは間違いのもとともいえる(『体癖原文ママ』)」のです。

だいたい、外見から判断するのは現代ではとても難しいのです。
太っている/痩せているもそうですし、じっくり人を見ていたらそれだけでセクハラ認定される時代ですね。
九種か十種かを見分けるために、お尻だの恥骨だのガン見していたら、相当ヤバい奴だと思われてしまうのです(笑)。

では、どのようにしたらもっと正確に洞察することができるか?
晴哉先生のおっしゃるところの「咄嗟(とっさ)に現れる動作」と「中身の動き」なのです。

これらはそれぞれ、「無意識にしている体の動かし方」と「心の反応の仕方」と言い換えることができますね。

今回はこのうち、「無意識にしている体の動かし方」について、整体師歴18年の私ソシャフィアが、体を触る仕事をやっていない方でも分かるように、説明していきます。

体癖の見分け方を説明する前に、まずは人体の動きの鉄則を知っておく必要があります。

人体の動きの前提

体は、

・前後
・左右屈曲
・左右回旋(捻れ)


が最も基本の動き方です。
それに加えて、

・上下
・伸び縮み


があります。
というか、これら5つしかありません。

例えば斜めに動くにしても、左右屈曲(あるいは左右回旋)と上下(あるいは前後)の組み合わせです。
この5つの方向の組み合わせによって、人の体は自由に動くようになっています。

上に動く場合には下には動かず、右に曲がっているときは左に曲がりません。
動きの方向は全部で10ですが、実際に動くときは5つの方向のみです。

また、動きの方向ではありませんが、「早い・遅い」という属性もありますね。
動作が素早い人もいれば、ゆっくりの人もいます。
が、これに関しては話がややこしくなりすぎてしまうので、以下割愛します。

体の動きの偏りと体癖

体は、筋肉が緊張(収縮)することで動きます。
筋肉は骨についており、筋肉が動くと骨と骨のつなぎ目である関節が動くわけですね。

が、すべての筋肉を同じようにバランスよく動かせる人はいません。
必ず偏りがあります。

大前提として、心臓は中心よりも少し左にありますし、肝臓は右側の方が大きいのです。
体の前も後も違う臓器が入っていますし、上半身と下半身の重さも同じではありません。
これは地球の地軸の偏りなどによる影響だとも言われており、完全に偏りのない人体は、理論上、地球上には存在し得ないのです。

前後の動きを偏らせることでバランスをとろうとする人もいれば、左右回旋でバランスをとろうとする人もいます。
その偏りが何百代にも渡って受け継がれ、人間は進化してきたと考えられるわけですね。

で、前述した体の動きと、偏りとがリンクしているわけです。
左屈曲の動きをよくする人は左屈曲に偏りが出ますし、よく縮む人は縮みやすく伸びづらい体になっています。

晴哉先生がこれらの偏りについてよく調べて、偏りによって、感受性や行動の様式などの違いがあることを明らかにしていったのが、体癖です。
上の動きに偏りがある人は頭ばっかり使って行動せず、体をよく捻る人は戦闘的になりやすくなる、などということを。

しかも、それらを意識的な動きでしているのではなく、とっさに、自分では気づかず、無意識で行っているのです。
それは、5つある腰椎の第一腰椎(腰椎一番)から第五腰椎(腰椎五番)のうち、どれがよく使われているか(=どれが歪んでいるか)によっても関係があります。
腰椎一番が上に上がっていれば生理的湾曲(背骨のS字)が少なくなり首が上がりやすくなりますし、腰椎三番が捻れていれば体も捻れやすくなります。

腰椎1から5

さらに腰椎は、神経支配的に各臓器とも対応しています。
神経のつながり的に見て、腰椎二番は胃や肝臓などの消化器と関係が深く、腰椎五番は肺などの呼吸器と関係が深いのです。

これらをまとめると…

・前屈み、反り返るなどの前後の動きが多い
=腰椎五番が運動の中心
=肺が影響
=前後型(五種、六種)

・首をかしげる、腰を横に曲げて座るなどの左右屈曲の動きが多い
=腰椎二番が運動の中心
=胃や肝臓が影響
=左右型(三種、四種)

・首を捻る、脚を組むなどの左右回旋の動きが多い
=腰椎三番が運動の中心
=腎臓や副腎が影響
=捻れ型(七種、八種)

・頭を上げる、うつむくなど上下の動きが多い
=腰椎一番が運動の中心
=大脳や間脳が影響
=上下型(一種、二種)

・椅子の上でヤンキー座りする、体を大の字にして寝るなどの伸び縮みの動きが多い
=腰椎四番が運動の中心
=生殖器が影響
=開閉型(九種、十種)


ということになるわけです。

また、腰椎一番がゆがんでいると胸椎九番がゆがみやすくなる、腰椎二番がゆがんでいると胸椎六番と胸椎八番がゆがみやすくなる、胸椎六番がゆがむと胸椎二番や頸椎六番がゆがみやすくなる、といった”関連椎骨”もあり、それも体の動きや臓器と関係するのですが、ものすご~く専門的になりますので、割愛いたします。

体の各部位の動きから、体癖を読み解く

ここからは、体がどう動いたときに、どの体癖が当てはまるかと思われるかを記述していきます。

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