五種・複合体癖の矛盾と葛藤、そして強み
五種は、かっこいい。
行動的で、ポジティブで、動きながら次のことを考え、合理的で無駄なことはやらず、利益のためなら感情を割り切ることができ、成功への計算に基づいたチャレンジ精神が旺盛で、周りが騒いでいてもマルチタスクができる。
あるいは、落ち着きがなく動き回り、功利的で計算高く、用がない人には冷たく、負けると分かっている戦いはせず、自分を大きく見せて、ナルシストで、メリットのためなら方法は選ばない。
とにかくかっこいい五種。
2000年代に流行って「あの人は今?」状態になっているヒルズ族にも五種は多かったのでしょうが、現代でも成功者が多く、そういうのも含めて、五種はかっこいい。
が、五種は自分のかっこよさを自覚していて、都会的でこだわりなく流行に乗り、「どうやったら自分がかっこよく見えるか?」ということをよく研究しており、「これは来る!」というものには三種と同じくらい手を出すのが早く、廃れたら早々に撤退し、”あの頃の時代の最先端は今のダサさ”ということを知っているのに、自分がそんなものに手を出していたことなんてスッポリ忘れて、今のかっこよさを自慢げに演出するのです。
あるいは流行を作り出し、「これはすごいもの!」と豆粒くらいの大きさのモノを象さんくらいの大きさに見えるように演出して、市場に送り出して自分の利益にするようなところもあります。
つまりは八種や九種から見れば、ハリボテ感満載なのが五種、というわけです。
人間の持つ”厚み”というものが、胸や肩に全振りされているのでしょう(笑)
と、ちょっとキツくディスったとしても「あぁ自分にはそんなところがあるのか。自分の弱点を言われるなんて、最近なかったな。教えてもらえてコスパがいいな」と思えるところも、五種的な懐の深さと言えますね。
これが七種や八種だったら…(笑)
ハリボテはハリボテで、中身がなければ何でも詰め込めるのです。
そんな感情よりも利益を優先できるところも、五種のかっこよさ。
他の体癖ではちょっと気後れするような冷徹な決断を下すこともできる。
トカゲの尻尾切りも、情に厚い十種や九種ならできないけれど、五種なら難なくできるのです。
ところが、五種に他の体癖の種が複合することで、冷静で合理的な五種性は減退します。
ディスられて「コスパがいい」と思うどころがムキになったり、情に振り回されて冷徹な判断ができなくなったり。
そして恐ろしいことに、他の体癖が複合することでさらに行動的になったり、演出だけでなく中身をともなったモノを世に送り出したり、情け深い振る舞いをするような人もいるのです。
体癖とは、人の”構成要素”であり、純粋に近い五種はいたとしても、まるっきり純粋な五種という人はいないのです。
ダイアモンドには純度100%のモノがあるのでしょうが、人間には”純度100%の○種”という人は、いない。
というのは、「人はすべての体癖的な要素を内蔵している」という野口晴哉先生のお言葉の通り、誰でも脳もあれば肺も肝臓も腎臓もあり、誰もが上下、左右、捻れ、前後、開閉の運動をします。
すべての人が一種から十種までの要素を持っている。
それでも、その中でも特に濃い体癖的要素を○種と呼び、上位2つか3つくらいまでで「○種△種□種」ということになるわけです。
ですので、ディスられてキレるのであれば、五種の部分ではなく他の種の部分でキレているのであり、最も効率が良く利益が良いのを分かっているのに冷静な決断ができないのは、他の種の体癖的要素がそうさせているのですね。
さらに複雑になるかもしれませんが…
体癖以外の人の構成要素としては、”ストローク”も欠かせません。
ストロークとはいわば”愛”のことで、ストロークの十分な五種と、不十分な五種とでは、同じ五種であってももはや別種族です。
ストロークがあれば、自分にとっても他者にとっても良い選択をし、良い行動をすることができますが、ストロークがなければ自分のことしか考えない人になります。
ストロークは過去の影響により、溜まりやすかったり溜まりづらかったりします。
さらに、固定的なモノでなく、疲れていれば減り、やりたくないことをやっても減り、心身が体の波によって低潮していても減ります。
ストロークが減った状態は、体癖による言動が丸出しになり、その時こそ体癖各種の特徴が分かりやすく見えるのです。
いや、これは私ソシャフィアの八種九種的な見方であり、他の体癖であれば、良く見える面こそがその体癖の特徴だと捉えるのかもしれませんが…
そんなわけで今回の『タイヘキストマガジン』は、複合体癖の矛盾と葛藤、そして強みシリーズ、第10弾にして最終章!
五種の複合体癖について書いていきます。
ついに…ついに…
最終回…!
10面体サイコロのお告げに従い、三種から始めて毎月○種の複合体癖について書いてきました。
それも…最後!完走!
このシリーズは、ただでさえ書くのに時間がかかる『タイヘキストマガジン』の中でも、ものすごく時間がかかるのです。
人生で出会ったいろいろな人を思い出したり、タイヘキスト仲間に「ねぇ、●種▲種の人、いない?」と聞いていったり…
それをできるだけプライバシーに配慮して個人が特定できないように設定を変えて書いていくのは、なかなか手間がかかりましてね。
それでもここまで書き切れたのは、『タイヘキストマガジン』をご登録してくださっているあなたのお陰であり、記事を購入してくれるあなたのお陰なのです。
体癖をお金を出して学んでくださる人は、賢い人ばかり。
本当にありがとうございます。
タイヘキスト、万歳!
おっと、感極まって編集後記っぽくなっちゃった(笑)
シリーズファイナルも気合を入れて書きます!
では、前置きが長くなりましたが…
五種の複合体癖の秘密を暴いていきましょう…
五種一種
五種も一種も、感情の薄い体癖ですね。
その分(?)頭もよく、仕事ができる人が多いのですが、家庭生活は上手くいっていない人も五種一種には多く見られます。
五種は所有欲が強く、手に入れるために全力を尽くすのに、一旦手に入ると興味を失ってしまうところがあります。
人に対しても同じで、「結婚する前は大切にしてくれたけど、結婚したら何もやらなくなった」という人には五種が多いのです。
何もやらない代わりに、面白くないことは何でもやらせようとしてしまう面も出てきます。
五種は自分の利益・メリットにならないこと以外は、基本的に無関心で面倒くさく感じますからね。
そこに一種の「ねばべき」が入ると、モラハラになります。
一種は善悪、つまり世間的に正しい/間違っているを気にする感受性を持っており、ほとんどの一種が「自分は正しい」と思っているのです。
裏を返せば「相手が間違っている」。
その「間違っている」を許せなくなってしまい、責めてしまうのですね。
自分ではやらないのに、相手が自分が思った通りにできないと、イライラしてしまう。
だけど離婚するのは「周りの目があるから」と世間体(一種の毀誉褒貶の感受性)を気にして、なかなか踏み切らない。
五種性にしても、家事や子育てなど自分の身の回りのことを配偶者がやってくれて効率が良いし、自分でそれらをやるのが面倒くさいから、相手によほどのことがなければ離婚しようとは思わない。
特に男性にはそういった人が多いのですが、女性の方はマルチタスクでもう少しうまくやる人の方が目立ちますね。
どの複合体癖の五種も、家よりも外が好きなのです。
家はすでに手に入っているものばかりですから、まだ手に入れていないものがたくさんある外の方に関心を向けがち。
冒険心が旺盛、というわけですね。
仕事はもちろんそうですし、友人との食事や趣味のサークルなどにも頻繁に出かけたくなる人がほとんど。
最近はネットもありますから、スマホやパソコンで外を感じられることも多くなってきましたけどね。
家庭に関心を持ちづらいのには変わらないのです。
五種一種は、計画性に基づいた行動力と頭のキレの良さで、仕事ができる人が多いように見られます。
仕事ができれば褒められて一種の毀誉褒貶も埋められますし、マンネリでなければまだ見ぬ領域を仕事で見ることができて五種の感受性も埋めることができるでしょう。
何より、お金もキャリアもスキルも手に入るわけですから、五種一種の活躍場は、家庭ではなく仕事にあるのです。
家庭でうまくやっていくためには、五種一種本人のストロークももちろんですが、それに加えて配偶者の体癖との相性も重要かもしれません。
配偶者を「自分の子供」と見る十種混じりや、感情が少なく忍耐力の高い二種、あるいはギブ&テイクでお互いのリソースをイーブンに交換し合えればうまくいく五種も合いそうですね。
ここから先は
¥ 500
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?