八種・複合体癖の矛盾と葛藤、そして強み
八種は、面倒くさい。
反抗的で、斜に構えていて、ほめ言葉も素直に受け取らず、揚げ足をとるアマノジャク。
あるいは…
頑張り屋さんで、独自性に富み、長いモノに巻かれず、悔しさをバネにする。
とにかく面倒くさい八種。
80年代には「反抗するオレかっこいい」と校舎の窓ガラスを割って歩いていたのも八種が多いのでしょうが、そういうのを含めて、八種は面倒くさい。
が、カニは食べるのが面倒くさいけどそれを乗り越える価値があるくらい美味しいように、八種の面倒くささの奥にも深い味わいがあるのです。
八種に他の種の要素が入ってくると、味わいはさらに深くなります。
唐揚げにポン酢などのソースをかけると全く味わいが変わるように。
「怖いけど、割と良い人」と思われる人には、そういった複合体癖の秘密がある。
八種だからと言って「怖い、面倒くさい」と警戒しているだけだと、その奥にある深いコクを見逃すことになります。
が…
その素晴らしいはずの要素が、余計に面倒くさくしてしまうことも。
八種なのにやたらと気を使ったり、八種なのに妙に打算的になったり。
人はタイプでは割り切れない。
それでも”人を構成している部品”に目を向ければ、似たような部品が備わっている人もいる。
そう、体癖とはタイプ分けではなく、「人が共通して持っている構成要素」の学びと言えます。
その構成要素の配合バランスで、甘辛くなったり、酸っぱ苦くなったりするのですね。
そんなわけで今回の『タイヘキストマガジン』は、10面体サイコロのお告げに従い(笑)、”八種の複合体癖”について書いていきます。
複合体癖の深堀りシリーズ、第2弾です。
第1弾は三種の複合体癖についてでした。
「マニアックだったかな」と思いながら書いたのですが、割と好評をいただきました。
それに味をしめて、今回の八種複合体癖編も三種編と同じように、独白形式のエピソードに解説付き、という書き方で書きます。
(エピソードは主に体癖診断や体癖コーチング、友人たちとの雑談で得た情報を基にしておりますが、プライバシーに配慮して一部改変しています)
八種の複合体癖は、どんな矛盾や葛藤を抱えやすいのか?
そして、どんな強みがあるのか?
さっそく面倒くさい八種複合体癖の謎に迫っていきましょう。
八種一種
【女子大生の恋愛相談】
「私の彼氏、大学のゼミが同じで付き合い始めたんですけど、めっちゃ面倒くさいんですよ。
絶対に私の言うことにYESって言わないんです。
ゼミの課題とかで意見を出し合ったりするときも、イチイチ重箱の隅をつっつくような屁理屈を言って、私も『これじゃ単位をもらえないかも』と気になって全然課題が進まなくて。
教授の言っていることにも質問風の反論をしたりして、同じゼミの子たちにも『あんたの彼氏ってさ…』と言われる始末。
私に対してだけならまだしも、他の子の発言にもちょっかいを出すんですね。
『自分の方が正しい』って言いたいんでしょうね。
『頭のいい自分を見てくれ』っていう意図が伝わってくるんですよ。
で、こっちが彼の間違いを指摘すると、すごく落ち込むんです。
『どうせオレなんて…』みたいな感じになって、すごく面倒くさい。
たまにめっちゃキレたりして。
自分では人のことを言うのに、自分が言われるのはダメみたいでね。
そりゃまぁ、堂々としているし、頭もいいし、間違ったことをしている人に対してもしっかり意見を言うし、かっこいいところはあるんですけどね。
ゼミとか勉強のことでなければ私のことも大切にしてくれますし。
でもなんか、このままだと私も窮屈に感じてしまって、卒業する前に関係を清算した方がいいのかなって思っていて…
どう思います?」
八種の「見て見て」に、一種の「正しい・間違っている」に敏感なところが混ざると、非常に面倒くさい面が出やすいですね。
褒められても「別に、普通だよ」と弾いてしまう八種の癖と、人からの評判を気にする一種の癖が混じって、純正八種よりも「見て見て」が強くなってしまっている人もいます。
相手が間違っていることをしてしまった場合には、劣等感と怒りが混じって、執拗に指摘することもあります。
それも理詰めで若干の攻撃性を含んだ指摘をするものだから、相手は追い詰められた気分にもなってしまうのです。
それでも、自分よりも力が”下”の人にそれをすることはあまりせず、ある程度”上”と無意識に認めている人に対して言うことが多いので、パワハラ的になることは純正一種よりも少ない印象です。
つまり、八種一種が相手の言動を指摘しているということは、少なからず相手が”自分よりも上”だと認めているということでもあるわけです。
そういった相手が自分の間違いなどを指摘してくると、すぐに傷ついてしまう面を持っています。
八種の劣等感を感じやすい面と一種の毀誉褒貶を気にする面が一緒になって自分を責めてくるのです。
が、八種一種は非常に頭のいい体癖と言えます。
クリティカルシンキング(批判的な思考法)を論理的に展開することができるからです。
純正一種だと、一つのソースで「これはこういうもの」と結論づけることも多いのですが、八種がメインで一種が混じっていると「本当にそうだろうか?反論するとしたら、どういうところがネックになるだろうか?」と考えるのです。
これは仕事などで重要な方針を決める際などには、非常に大きな強みですね。
あるいは、周りが間違った方に流れているときには、流れを変えるのに力を発揮するでしょう。
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