2020年振り返り_仕事編
今日で仕事納め。
新職場に1月に入社して、なんとか無事に1年を過ごせました。入社して2ヶ月も経たないうちにコロナ禍に突入。リモートワーク主体となったので、同僚や上司とリアルで会うことは稀となり、9割オンラインで乗り切った。
以前の記事で少し書いたが、リモートワークが主体となった時の新人のオンボーディング施策は、様々な会社で工夫があったと思う。その一方で、新人だった立場としてリモート主体でどういう心づもりで働くと良さそうなのか、なんとなく手応えを掴んだ気がするので、それをまとめてみたい。
2020年、どんな役割をしてきたか
大きくこんな感じである。
1. 某サービスAのGrowthを目的としたデータ活用チームのリーダー
2. 営業部の課題を機械学習で解決するプロジェクトのプロマネ&プランナー
3. 某サービスBの開発部向けデータソリューションプロジェクト
4. 社内のデータ分析事例共有会の立ち上げと主催
2020年、どんな工夫をしてきたか
全体的な工夫
・会議では積極的に顔出し活動。
新人がどういう物の捉え方をするか、理解度がどうかはコミュニケーションの中で把握していくことがほとんどだと思う。特に声の抑揚が平坦な日本語で淡々と電話で話すと捉えづらい時がある。テレビ会議のシステムがあるなら、顔出しで行った方がそうでない時よりも、どんな人物かが伝わりやすくなり距離感が縮まったと感じている。
・バーチャル背景で遊んでみる
顔出しのついでに部屋の中を隠すためにバーチャル背景アプリを入れた。毎日背景を変えてみたり、ネタっぽい背景にしてみることで会話のきっかけを作った。小洒落た部屋っぽい背景にした時は、本気でそういう家に住んでいると思わせることに成功したので、会議終わった後に「あれ、実はバーチャルですよw」と送って、バーチャル盛りを楽しんでみたりした。少しは親しみを感じていただけたのではないだろうか・・・(と信じたい)
・とにかくアウトプットを出しまくってフィードバックをもらう
これはリモートワークじゃなくても大事なことではあるが、リモート下で成果を問われる仕事をしている人は、特に意識した方が良いと思う。さらに兼務先や異動先など、その組織に自分が知っている人がほぼいないアウェイな環境でリモートでやり取りをすることになったなら、なおさら小出しにした方が良い。という思いを新たにした。
その他、「郷に入っては郷に従え」とか勤怠とか、社会人としての信頼ポイントを積み上げていくことは、リモートでなくても当たり前に必要。
個別の工夫
1 については、新入りリーダー(私)、ベテラン、新人さんという布陣だったこともあり、新人さんのオンボーディングもやりつつ、一つ一つToDoをこなしていくことが求められていた。やったことはこちら。
・新人さんオンボーディングを契機に朝会を設定。ToDoの確認と雑談の場
・4半期ごとの振り返りで、進め方やチャレンジ要望の目線合わせ
・1on1を隔週で実施
朝会は、「毎朝その時間にいつものメンバーがいる」という状況を作り出すことができ、ホーム感ができたような気がしている。私にとっても朝会はホームルームのようなものになった。
振り返りはKPTを用いて実施した。ここで率直にフィードバックをもらって、改善したり案件の割り振りに活かしたりした。合わせて実施した1on1は、業務以外の雑談もするが、プロジェクトの話もそこで小さな課題を解決しながら「いつでもこぼれ球を拾いあえる」状態を作り出せたと思う。
2で特に意識的に行ったこと。
・プロジェクトのキーマンとの1on1の設定
これは目線合わせのために必要だった。特に機械学習案件では少しのズレがあとで大きな問題に発展することもあるので、「目的」「予測する範囲、予測しない(できない)範囲などスコープの確認」「精度で重視する指標はどれか」「誰を巻き込むか」を丁寧に確認する時間にした。またキーマンと同じ思考プロセスになれるように半分以上は雑談だったり、仕事の考え方や面白かった本の話などを入れて、連携プレーがしやすい人間関係を作った。結果的にこの案件は社内の表彰案件に選出していただき、良いチームワークで進められるノウハウの詰まったプロジェクトにできた。
・情報のマクロ的整理
営業部というのは、あまりデータ化されていない業務が結構あり、雑多なドキュメントがいくつもあったり、人依存になっている業務が多分にある。これを紐解き、業務プロセスの整理とプロセスごとのデータ整理、課題の洗い出しを行うためにいくつものドキュメントを作った。現状把握をさっとできるドキュメントを作っておけば、途中からジョインするメンバーがいても最初のオンボーディングの時間をある程度短縮できる。
・ミクロ視点での壁打ち(というかプロトタイピング)
営業部の方はそんなにデータサイエンスに明るくない。その人たちにデータを使ってもらうためにはとにかく「パッと見でわかりやすく」「自分の行動に置き換えられる」データ提示が必要。最終的にデータを活用する営業さんにとって、上記の条件が満たせているかを確認するのは実際にプロトタイプを見せる方が早い。リモートではあっても画面を見せながらヒアリングを行うことで、最初の反応や理解度を会話から探っていくことはできる。これを何人も行ったことで、現場で使っていただける物を作れたと思う。
3については、全体のところで書いた
・小出しのアウトプットとフィードバックのサイクル
をとにかく意識した。なぜかと言えば、誰も知っている人がいない組織に兼務で入ることになり、アウェイな状態からスタートしたためだ。こういう状況の時、そもそもキーマンが誰なのかも分からず、事業の状況やシステムの状況を正しく理解できる整理されたドキュメントが自動的に出てくることは期待できない。自分から情報を取りに行くしかないが、誰に聞けばわかるのかも分からないので、壮大なドラクエが始まるのである。
とはいえ、定例といった場には呼んでいただけたり、プロジェクトのコミュニケーションツールはあるわけなので、SlackでもTeamsでも、まずは発信を心がけた。私のようにデータを元に進める仕事では、途中段階の集計表や割合が肌感として合っているのか、どういう定義でいつも指標を見ているのか、最初のうちに確認が必要だ。でもその情報が簡単にすぐに出てくることはない。そこで、自分でやったものをとにかく投稿をし続けた。それを見た相手のフィードバックを元に、相手の感覚値を数字で積み上げていく過程を経て、やっと同じ目線で会話ができるようになった。そしてコンスタントに期限内に(理想は期限よりちょっと早め)情報を出すことで、社会人としての信頼ポイントをまずは稼ぎ、そこにプラスαの付加情報や使いやすいチャート化した資料化を行っていくと、「こんなことやりたい」という要望が相手から自発的に出てくるし、私が困った時にキーマンが必要な情報をさっと教えてくれるようになる。提案をしていくことも大事だが、いきなり大きな提案ではなく、小出しに投稿したアウトプットをベースに、「引き出す」方が相手の温度感も高く、ゴールも明確にしやすい業務をデザインできるなと実感した。
・合宿を開催
アウェイな組織で一緒に奮闘することになった2名の同僚+上司に掛け合って、11月にオフィスでリアル合宿を行った。そしてこれはチームビルディング以上に、カオスな状況を整理するためにとても役立った。
それぞれが調べてきた情報を持ち寄って、今、自分たちを取り巻くいろんな人がどんなチームで何をやっていて、誰と連携しているかの人物相関図を作った。それからシステムの状態を自分たちの言葉で図にすることで、何が起きているかを自ら説明できるようにした。それをやっと見つけたキーマンにレビューをしてもらった。
要するに、ロジカルシンキングで言うところの、空雨傘のうち、
空:情報収集はリモートでも十分可能。しかし情報整理はリアルが向いている。大きなモニターに情報を投影し、ホワイトボードで整理するやり方がとても機能した。
雨:空を整理する会話の中で自然と結論が見えてくる。個人が感じたモヤモヤも話すことで雨がどんな雨なのかがクリアになる。これもリアル要素がある程度あった方が良さそう。
傘:傘の上位概念である「プロジェクトゴール」のイメージや落とし所は、リアルの場でキーマンを含めて行えるのが理想。個別具体の話はリモートで長めの時間をとって議論して、あとは個別に動く形でも今のところは機能している。(今後、リアルを入れるかもしれないが)
4の分析事例共有会は、まずは小さく限られたメンバーで30分で実施する形で開始し、定着してきたら1時間枠に拡大し、参加メンバーも部内に広げた。運よく、部内の交流施策の一つに入れていただけたので、それも参加者が増えた要因かなと思う。今後はさらに広げていけるようにしたい。
この共有会は、ナレッジの共有に加えて、様々な職種の人がデータを軸につながる会なので、たまに番外編のスピーカーにも登壇してもらうこともOKとしている。サービス関連領域やデータサイエンスに関する考えを述べる場や、自分で考えた企画の壁打ちの時間など、間口を広めにして「ゆるく楽しく」を心がけてやってみた(これもだいぶ手探り・・・)。じゃないと、私も含めて運営サポートメンバーが息切れしてしまうからだ。スピーカー集めは結構大変ではあるものの、長く継続していけるように「ゆるく楽しく」は維持していきたい。楽しみ要素としては、途中からオープニングBGMをかけてみた。12月はもちろんクリスマスソングにしたものの、今後はスピーカーの人が好きな曲などちょっと工夫を入れてみたい。
書いてみたら、思ったより長くなってしまった。自分でもここまで創意工夫をした1年は近年ないと思う。入社したばかりだから、コロナ禍だから、というだけではなく、現職場が様々な経験を積めるように機会創出をしてくれているおかげでもある。
来年も、それ以降も、コロナ影響はあるだろうし、リモートワーク生活は続いていくと思う。でもこの2020年を乗り切れたことは大きな糧になると心底思えるし、今、やり切った気持ちで仕事納めを迎えている。
2021年は2020年で積んだ経験値をさらに進化させていこうと思う。