ナテラ崩壊環境の式神ウィッチ
初めまして、式神ウィッチほぼ一本でローテのグランドマスターになった者です。4月2日以降のナーフ後環境における式神ウィッチに対する考え方を記します。
https://twitter.com/social_sha/status/1246076759285452802?s=20
1、今期の式神ウィッチの現状
前期の式神ウィッチは
①式神カード達による多面展開の押し付け
②真実の狂信者や未知の求道者・クラークを連打して相手の体力を削る
といった2種類の勝ち筋を持っていました。ですが真実の狂信者のローテ落ちによって②のような勝ち方を取りにくくなってしまいました。
しかしナテラ崩壊により新たな優秀なスペルブーストフォロワーが追加されます。インフィニットウィッチ・ドロシーです。
このカードの追加によって今期の式神ウィッチは①の勝ち筋が大幅に強化されました。疾走で相手の体力を削りきる事が多かった前期の様な動きが難しくなった分、盤面形成力やドロー力が強化されました。6-7ターン目にデッキ枚数が20枚以下になるのが当たり前になり、特に5-7ターン目の盤面形成力は前期と比べ大きく向上し、陰陽の開祖・クオンへの依存度が下がったのは大きな変化です。今期の式神ウィッチは如何に強い盤面を形成出来るかを考えるデッキだと言えるでしょう。
2、式神ウィッチの構築
自分は上のデッキでナーフ後翌日(4月3日)にグランドマスターに昇格しました。ナーフ後環境は機械エルフやディスカードドラゴンが激減し、その代わりに多種多様なデッキが頭角を現し、特に機械ヴァンパイアが急増しました。こうした変化により6-7ターン目には試合が終わっていたナーフ前と比べ、8-9ターン目まで試合が長引くように環境が低速化していきました。それに伴い5-7ターン目に強力な多面展開を行い相手に処理を押し付ける動きが間に合う様になりました。この動きを強くする為にフレイムデストロイヤーや神託の大天使・ガブリエルを採用。また流行していた機械ヴァンパイアの対策にアブソーブスペルを採用していました。
現在(4月7日)時点のランクマッチで使用している構築です。直近のJCGの結果から自然ウィッチや自然機械ドラゴンが増加傾向にあるので強力な盤面を押し付ける為にスタッツの低いカードで盤面を2面埋めてしまうクラシカルソーサラーの採用枚数を減らしました。またデッキの安定感を高めにウィズダム・コアをピン採用し、その分上振れ要因のフレイムデストロイヤーを不採用にしました。機械ヴァンパイアにより強く出る為にアブソーブスペルの採用枚数を増やし、それに伴いウインドブラストを不採用にしました。その分2コススペルの枚数を確保する為に結束の魔術を採用しています。
確定枠
上の画像の30枚は個人的に確定枠だと思っている30枚です。この30枚はほとんどのプレイヤーが採用しているので解説を省略します。
自由枠
問題は残りの10枚に何を入れるかになってきますが、この16枚が候補として挙がってくるのではないでしょうか。その中でも特に採用されがちなカードをピックアップして解説します。
マナリアの偉大なる研究・結束の魔術
2コストスペルの2枚です。マナリアの偉大なる研究は陰陽の開祖・クオンや未知の求道者・クラークなどの強力なカードを複製できる反面、手札にフォロワーが居ないと腐ってしまうデメリットがあります。一方で結束の魔術はどんな時も腐らずサーチを行いかつスペルブースト持ちのカードである為インフィニットウィッチ・ドロシーのドローを阻害しない点が優秀な反面、マナリアの偉大なる研究のようにデッキの強力なフォロワーを複製しコントロールデッキに物量で押し勝つ戦法は取れないという欠点もあります。環境にコントロールデッキが増えるならマナリアの偉大なる研究、ミッドレンジデッキが増えるなら結束の魔術を採用するのがいいでしょう。
マナリアの叡智・ウィズダム・コア
前期の式神ウィッチでは複数枚採用されていたカード達。1枚から複数枚のスペルを使えるのは強いですが、ナテラ崩壊で追加されたインフィニットウィッチ・ドロシーのドローを阻害する点やナテラ崩壊で追加された結束の魔術の優秀さにより前期より評価を下げています。そうは言っても、デッキの下ブレをなるべく無くしてくれるので個人的にはとても好きな2枚です。現在は下振れを抑えるためにウィズダム・コアをピン採用にしています。
アブソーブスペル
最近採用が増えてきている3コストのスペルです。デッキ枚数が20枚以上の序盤には下の6枚などを主な役割対象としてプレイします。これらの強力なラストワード持ちフォロワーが跋扈している為に、現在はウインドブラストより優先して採用されている1枚です。ただ先程から何度も書いていますがスペルブーストを持っていない事や単純に3コストと少し重たいコストの為、環境に刺さらなくなればウインドブラストに採用を奪われる事も大いに考えられます。
またインフィニットウィッチ・ドロシーの登場で6-7ターン目にはデッキ枚数が20枚以下になる事が増え、確定除去として機能する点も高評価です。
クラシカルソーサラー
ナーフ前の構築には上の4枚のような機械エルフやディスカードドラゴンの疾走フォロワーを止める為に自分は3枚投入していました。しかしナーフ後は環境が低速化した事や、相手の盤面にすぐに干渉出来ず、スタッツの低いフォロワーが盤面を2面埋めてしまう事から評価を下げています。自分は当初式神・形代によるスペルブーストや機械ヴァンパイアに強く出れることから3枚採用していましたが、インフィニットウィッチ・ドロシーによる盤面の爆発力を重視し採用枚数を減らしました。
神託の大天使・ガブリエル・アイギスシールド・アテナ
多面展開して処理されなかったフォロワーをバフ出来る2枚です。攻めに強い神託の大天使・ガブリエル、守りに強いアイギスシールド・アテナという具合です。今期の式神ウィッチは即時的なダメージを出しにくい事、アイギスシールド・アテナはコストが重たく特定のデッキ(豪風のリノセウスや至高神ゼウスを主軸にしたデッキ)にしか刺さらない事から神託の大天使・ガブリエルの方が今の式神ウィッチに合うと思います。
双刃の魔剣士・フレイムデストロイヤー
スペルブーストによりコストが下がる2枚のフォロワーです。環境にアグロデッキが多いなら盤面を2面処理できる疾走フォロワーである双刃の魔剣士、ミッドレンジやコントロールのデッキが多いなら高スタッツで強力な盤面を形成するフレイムデストロイヤーを採用する形で採用枚数を工夫する事になります。先程の述べた通り今は自然機械ドラゴンや自然ウィッチが増加傾向にあるので強力な盤面を押し付け、相手のプレイを歪めさせるフレイムデストロイヤーを高く評価しています。
3、式神ウィッチの各リーダーに対するマリガン及び意識する事
記事作成時(4月7日)時点の環境を踏まえた各リーダーに対するマリガン及び意識する事を記します。今後環境が変化していく事が予想されますが、この内容を踏まえて適宜プレイを変えて下さい。
今回は現在自分が使っている上のデッキの場合のマリガンを説明します。
目指す所は先程述べた通り5-7ターン目の多面展開の押し付けからの処理されなかったフォロワー達で相手リーダーの体力を削り切る事です。
まずはどの対面でも共通のマリガンから説明します。ここからはカード名を簡易的な表示に変更しますがご了承ください。
基本単キープ先後:カオスウィザード(ウィザード)・陰陽の開祖・クオン(クオン)・ウィズダム・コア(コア)
後:小さな優等生・キョウカ(キョウカ)
セットキープ先:ウィザードorクオン+式神の使役(使役)
後:ウィザード+知恵の光(知恵)、ウィザードorクオン+2コストスペル【マナリアの偉大なる研究(研究)以外】ウィザードorクオンorコア+キョウカ
エルフ(機械エルフ・コントロールエルフ)
ナーフされ数が激減した機械エルフですが先行を取られて、3ターン目にマシンクローエルフに疾走されてそのまま押し負ける試合もまだあります。未知の求道者・クラークから手に入る真理の術式でマシンクローエルフを破壊できるように準備しておきたいです。ですが今は機械エルフの数が激減しているので、コントロールエルフを意識した重めのマリガンをする事をお勧めします。コントロールエルフはアウェイキングガイアの追加で盤面の除去力が上がった一方、無窮の輝石・カーバンクルのローテ落ちで豪風のリノセウスの回転率が落ちています。陰陽の開祖・クオンを複数体出せるようにマナリアの偉大なる研究でこれらのフォロワーを複製し、物量で押し勝ちましょう。
エルフ対面セットキープ後:クオン+研究
ロイヤル(進化ロイヤル・潜伏ロイヤル)
ナテラ崩壊環境2弱リーダーと呼ばれていたロイヤルですが、最近流行っている自然ドラゴンや自然ウィッチに勝つ為に潜伏ロイヤルが使われ始めています。今期のウィッチのカードプールでは潜伏フォロワーを取る事が出来ないのでクラシカルソーサラーや陰陽の開祖・クオンなどで守護を貼りつつ、相手が処理しきれない盤面をつくって勝ちましょう。その他の進化ロイヤルやレヴィオンロイヤルなどには中盤に多面展開を押し付ければ勝てるので問題ないです。ただ先行を取られてアグロムーヴをされると辛いので、潜伏ロイヤルと同じように序盤のライフカットを意識しましょう。
ロイヤル対面マリガン先後:クラシカルソーサラー(クララ)
ウィッチ(式神ウィッチ・自然ウィッチ)
ナーフが行われたことで環境で暴れだした2デッキです。自然ウィッチは猫耳の魔法使い・キャルとエレメントシャーマン・ライリーによるOTKが主な勝ち筋でしたが、ナテラ崩壊で追加された神託の大天使・ガブリエルにより猫耳の魔法使い・キャルのユニオンバーストを待たずしてリーサルを狙えるようになりました。序盤からダメージを食らい過ぎないよう前期以上にダメージカットに勤しみましょう。また式神・天后や神託の大天使・ガブリエルで守護を貼って1ターン凌ごうとする時はエレメントシャーマン・ライリー+両雄激突で取られないように攻撃力を6以上にしましょう。式神ウィッチミラーは盤面形成力や盤面処理力が高い一方で、即時的にリーダーへのダメージを出しにくいので、盤面の取り合いをだらだら続けるより相手リーダーの体力を早期に削り取りたいです。式神ウィッチには回復できるカードが無いのも大きな理由です。自分が負けないように最低限の盤面処理をしたら、残りの疾走フォロワーで相手リーダーにガンガン攻撃するといいでしょう。
セットキープ先後:ウィザードorクオン+2コストスペル【上記の様な手札なら鬼呼びの導師(導師)やクラシカルもセットキープ】
ドラゴン(自然機械ドラゴン・進化ドラゴン)
波動のプレシオサウルスがナーフされて一時はなりを潜めていたドラゴンですが、現在は鋼鉄と大地の神を採用した自然機械ドラゴンが環境に現れました。気弱な竜少女・イノリやダークジェイルドラゴンなどの機械や自然でない強力なダメージソースのカードの採用枚数が減っている事や盤面の処理能力が低い事から盤面形成をしっかりと行えば勝てる相手だと考えています。また進化ドラゴンには至高神・ゼウスはケア不可能なので、ゴブリンスクラムで如何に盤面を上手く取られない様にするかだけ気をつけましょう。具体的には攻撃力もしくは体力が4点以上のフォロワーを複数体並べる事を意識するのがお勧めです。
セットキープ先後:ウィザードorクオン+2コストスペル【上記の様な手札なら導師やクラシカルもセットキープ】
ネクロ(冥府ネクロ・妖怪ネクロ)
ロイヤルと並んでナテラ崩壊環境2弱リーダーの一人ですが、式神ウィッチに対して非常に強いリーダーです。大妖狐・ギンセツが辛いのは前期から変わらずですが、真実の狂信者のローテ落ちにより6-7ターン目に冥府への道を起動されるとほぼ負けです。上の場面の様にフォロワーを冥府への道1枚では処理されない体力7点以上にしてワンチャンス作りましょう。そうした工夫をしてやっと5分に持ち込める程度なので、相手が自然ネクロや機械ネクロのような序盤中盤が弱いデッキである事を祈り、全力でデッキを回しましょう。
セットキープ先後:ウィザードorクオン+2コストスペル【研究もキープ】【上記の様な手札なら導師やクラシカルもセットキープ】
ヴァンパイア(機械自然ヴァンパイア・コントロールヴァンパイア)
ナーフ後一番増えたリーダーです。真紅の抗戦者・モノや鋼鉄のヴァンパイア・スレイによる強力な疾走に加え、ナテラ崩壊から新たに魔獣の女帝・ネレイアが追加されデッキの処理能力が大幅に向上しました。魔獣の女帝・ネレイアの盤面の処理能力は非常に高いですが、こちらからはコストの下がった炎の握撃や鬼呼びの導師で簡単に処理出来るのでどうしようもない相手ではありません。また機械神の採用枚数が減っているのも追い風でしょう。他に意識する事として、ブラット・コアを1試合に1枚以上使われる事を覚悟して陰陽の開祖・クオンを連打出来るようにマリガンするのが大切です。鋼鉄と大地の神が来る相手の7ターン目までに陰陽の開祖・クオンもしくはそれに並ぶ強力な盤面を形成する事も重要です。
ヴァンパイア対面マリガン後:アブソーブ・クラシカル
但し後攻でもコアはキープしない
セットキープ先後:ウィザードorクオン+2コストスペル
【上記の様な手札なら導師セットキープ】
ビショップ(機械自然ビショップ)
最近聖なるアルミラージ・ジャスティを採用した機械自然ビショップが開拓されています。盤面形成力は式神ウィッチより高いですが、聖弓の使い手・クルトの採用枚数が減っている為に盤面処理力は落ちています。鋼鉄と大地の神が出てくる迄に強力な盤面を形成し押し切りましょう。欠落の聖女・リモニウムから生まれるリモニウムの救済を沢山作らせない為に、相手が進化権を使えるターンが来る前に機械フォロワーは全て処理しておけると理想的です。
セットキープ先後:ウィザードorクオン+2コストスペル
【上記の様な手札なら導師やクラシカルもセットキープ】
ネメシス(AF機械ネメシス)
何人ものプロ選手によって研究が進みAFと機械(天地の侵略者・ベルフォメット)を組み合わせた構築が生まれました。継続的な盤面処理能力が高く、パラダイムシフトにより柔軟な動きが出来るデッキです。ナテラ崩壊で追加されたカードによってデッキにAFを殆ど埋めなくなったので機械の加速兵の採用が減り、加速装置を使った瞬発的な盤面処理能力が落ちています。現在のデッキに採用されている処理カードは上のカードの様に3点刻みばかりなので、体力4点以上のフォロワーを複数体並べると良いでしょう。ヴァーテクスコロニー+アブソリュートモデストによるリーサルを取られないよう相手の9ターン目までには勝負を決めたいです。
セットキープ先後:ウィザードorクオン+2コストスペル【上記の様な手札なら導師やクラシカルもセットキープ】
4、最後に
今回紹介した式神ウィッチでランクマッチを30戦戦った所、勝率70%以上を出せました。環境に合わせた細かい調整を施せばJCGやRAGEでも大活躍するでしょう。スペルウィッチを毛嫌いしている方もパワーが高くたくさんドロー出来る楽しいデッキに仕上がっているので、是非式神ウィッチを使ってみて下さい。このnoteに対する意見・感想や質問はTwitter(@social_sha)に送って頂けると嬉しいです。最後まで読んで下さりありがとうございました。