早朝うなぎ

早朝が好き。うなぎが好き。

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最近の記事

男は黙って「アオのハコ」を読め!

 一つ明らかにしておきたいのが、恋愛漫画によく出てくる「ドS男子」や「壁ドン」のようなものは、世の中の99%の男性から良く思われていない。理由は、世の男性のほとんどがそんなことをやったこともなく、やろうとしたこともないため共感できないからだ。なので、その手の男(髪が長く、背が高く、基本無口)が頻出する世の中の恋愛漫画は男性にあまり刺さらず、ほとんどの読者は女性である。 ただ今回、そんな男性にこそ読んで欲しい恋愛漫画に出会ったので紹介する。それが、ジャンプで21年から連載が始ま

    • ピザを片手にストレンジャーシングスを見よう!

      ストレンジャーシングスというドラマをご存知だろうか。1980年代アメリカの、ホーキンスという小さな町を舞台に繰り広げられるミステリーアドベンチャーである。2016年にネットフリックスでリリースされ、瞬く間に世界中で大ヒットした。2022年にはシーズン4がリリースされ、これまでの4シーズン合計で520億時間という天文学的な視聴数を記録している。このドラマの何がそこまで視聴者の心を掴むのか、紐解いていきたい。  先ほど述べたように、舞台は1980年代、アメリカの田舎町ホーキンス

      • 今日の空

        雲ひとつない澄んだ夜空に、ひっそりと三日月が浮かんでいる。それ以上足したり引いたりが全く必要ない、ある種完結された美しい景色だ。そこには喜びも悲しみも、怒りも寂しさもない、そういうものを寄せ付けない崇高さがある。

        • 誠実の仮面

          「皆様と真正面から向き合って、誠実な政治を実現して参ります」とか真剣な顔をして言ってた政治家が、地域の権力者から幾度となく賄賂を受け取っていたらしい。うーん、何て自然な響き。 株式投資の広告レベルで日常的になっているこの手のニュースを聞く度に、世の中の人って何かしら仮面を被っているんだなぁと思う。 だって、あんなにも真面目な顔で誠実さを訴えていた人が、裏では賄賂を貰っているんだもの。 いやでも、もしかしたら賄賂を受け取るときだって、この真面目そうな顔のまま受け取っているのか

        男は黙って「アオのハコ」を読め!

          ほんとに意味のないことって実際ある

           不得意で、やりたい訳でもなくて、その上誰のためにもならないとわかっていながら、でもどうしてもやらなきゃいけないっていう類のことが、昨日僕の身に降りかかりました。一体どんなシステムが働けばそんなことが存在し得るのか、誰か知ってれば教えて欲しい。  それはそれは、味も匂いもない砂を永遠と食べさせられるような、色の出ないペンで「あいうえお」を書き続けさせられるような、非常に残虐な仕打ちを受けている気分でした。 そんな経験ないですか?

          ほんとに意味のないことって実際ある

          通勤時間に散歩しよう

           サラリーマンをしていると、忙しくて他のことを考えられない、という時期が結構な頻度でやってくる。文化的な生活から自然と距離が開いていき、それにも気づかないくらい忙しい、みたいなときだ。そのときは、仕事のミッション達成に生き死にがかかっているような気持ちにさえなる。結果として生物的観点から、今は仕事に注力せざるを得ない、と自分を納得させることになる。 言うまでもなくこの一種のトランス状態は、まさに資本主義が僕らに求めていることだが、本来自然動物である人にとっては危ないシチュエー

          通勤時間に散歩しよう

          「懐かしさ」ってビールみたいなもんです

           音楽番組で夏の懐メロ特集が組まれていた。ちょうど僕が中学生のときに流行った曲だ。昔聴いていた甘酸っぱい恋の歌が流れ、懐かしい気持ちになる。胸がギュッとして、ちょっと寂しい、そんな気持ちになる。  とはいえ、この歌詞にあるみたいにな、夏の海で女の子と二人で話をしたり、花火をした経験なんてない。この曲を一緒に聴いたり歌ったりした子もいない。歌に関連するような生々しい思い出は持ち合わせていないのに、なぜこんなにもリアルに、懐かしさが胸を打つんだろう?  そもそも恋愛に限らず、

          「懐かしさ」ってビールみたいなもんです

          通り雨

          夜と夕方がハイタッチして 世の中に闇が覆い被さる直前の白く暗い空に ざぁざぁと雨が降った 電灯を取り巻く黒いふちが暗闇と混ざり 徐々に光だけがその存在感を増していく ただその光もまた 雨のカーテンの奥で輪郭を失い始める 蛍のような橙色 夜明け前のような薄いオレンジ色 病院のような白色一本道の奥の奥まで 輪郭のない光の筋が続いている みんな慌てふためき 斜め下を向いて帰路についているなかで 僕だけが雨の向こう側の光の粒を 真っ直ぐに見つめていた

          僕の多様性・君の多様性

           僕は仕事柄、粗を探すことが身体に染みついてしまっている。機械整備の仕事は、終わりのない改善を永遠に繰り返す作業だから。  「ここは治りましたが、次はこのあたりチェックしておきたいですね」みたく繰り返していると、いずれ「この機械もそろそろ寿命だな」という瞬間が訪れる。役目を全うするまでサポートする、といえば聞こえはいいが、僕の感覚では「スクラップする瞬間まで粗を探し続ける」という表現の方がしっくりくる。仕事だけでなく、自分という輪郭を縁取る言葉としても的確に感じる。機械だけで

          僕の多様性・君の多様性

          「日本人は豚になる」を読んで

          三島由紀夫の文章を引用しながら、近代以降の世の中が内包する様々な問題を、痛烈かつ二ヒリスティックに批判をしていく、という内容。 「我々は意識的に努力を続けないと正気さえ維持できない時代に暮らしているのである」 「狂人とは理性を失った人ではない。狂人とは理性以外のあらゆるものを失った人である」 「言論の自由の名のもとに、人々が自分の未熟な、ばからしい言論を大声で主張する世の中は、自分の言論に対するつつしみ深さといふものが忘れられた世の中である」 文化とは、宗教とは、言語

          「日本人は豚になる」を読んで

          既得権益

          澄み渡る空気の中を、 アイディアの風船が飛んでいく。 最初は小さく、頼りなさげにふらふら揺れているだけだけれど、 徐々に空気を吸い込み、大きく逞しく天に昇っていく。 周りを見れば、そんな風船がいくつも飛んでいる。 雨風雷、たくさん邪魔をされて、 中には割れたり萎れたり。 ただ、いくつかの風船は強く大きく育ち、 グングンと天に向かって昇っていく。 いつか本当に天に昇り、 人々を照らす光になるのだろう。 何だか良い感じだ。 あれ?? どれだけ逞しい風船も

          詩『原子力発電所』

          なんにもなくなっちゃったね うん、なんにもなくなっちゃった わからなかったのかしら?こうなる前に わかっている人は、いたんだよ 教えてあげなかったのかな? 声をあげていた人はいたさ、一生懸命にね みんな信じなかったんだね そうじゃない え? みんな、大変だったんだよ、色々と 例えば? 仕事をしたり、ネットを見たり、誰かの文句を言ったり、好きなアイドルのライブに行ったり、そんなことにさ くだらないわ みんなにとっては、それ以上だいじなことなんてなかった

          詩『原子力発電所』

          どうする家康第25回「はるかに遠い夢」を見て

          こんばんは。 早朝うなぎです。 今週の「どうする家康」、色んな感情が溢れてきてしまい、涙が止まりませんでした。 前話では、家康の妻・瀬名が、「奪い合う」ことではなく「与え合う」ことによって、日本により大きな共同体を作るという途方もない夢を、息子・信康とともに企てて、家康に打ち明けました。 ただしその夢は、武力で天下布武を目指す同盟・織田信長にとって裏切り行為であり、絶対にバレてはいけない謀事です。 リスクを承知で家康はその謀事に共感、それまで争っていた武田家とも協力し、裏で

          どうする家康第25回「はるかに遠い夢」を見て

          山本七平「空気の研究」を読んで〜空気に支配される日本人〜

          日本には「空気を読む」という独特の表現がある。誰しもが一度は、この類の注意を周りから受けたことがあるはずだ。海外にも似た表現はあるが、あくまで「気を使え」的な意味で使われているだけで、日本の「空気読め」という表現に含まれる不思議なニュアンスはない。 本著は、日本に蔓延する「空気」についてスポットを当て、なぜ「空気」なるものが日本に存在しているのか、その「空気」が日本に何をもたらしてきたかを教えてくれる。 ・遺跡発掘現場で日本人とユダヤ人が人骨を廃棄する作業をしていると、1

          山本七平「空気の研究」を読んで〜空気に支配される日本人〜

          ファーストラブ〜初恋〜余韻の深さが半端じゃないす。

           今日一日は、全く仕事が手につかなかった。先週末に、ネットフリックスの「ファーストラブ〜初恋〜」を一息に全九話見てしまったためだ。休みが明けた今日も、仕事を目の前に置きながら意識は未だドラマの中を旅していた。  このドラマは、宇多田ヒカルの楽曲「ファーストラブ」「初恋」にインスパイアされて製作された、ネットフリックス限定のオリジナルドラマだ。配信直後からSNSを中心に、一気に話題となった。「体中の水分目から出た」「三周目だけどまだ泣ける」というように、多くの視聴者から感動の声

          ファーストラブ〜初恋〜余韻の深さが半端じゃないす。