プロDD・M ~その540
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。
特攻したブルーハワイだったが、状況ロボは一瞬早く覚醒していた。
「ぐぁがああああああああ」
「ブルーハワイ!!」
状況ロボから伸びた触手が、ブルーハワイの身体を拘束した。
「こ、こいつ……この私の力も取り込んでエネルギーにする気か……!」
その頃、コイケはモノクロームを展開し、ニシを飲み込んでいた。
「こいつゥ!!こんな結界、このニシ様にかかればァ….ぐぅぅぬぬぬ!!」
「無駄ですよ、ニシ。あなた程度の力ではこのモノクロームは破れない。あなたは女神を自分の好きなようにしようとしすぎた」
「何だと!」
「ヲタクとはもっと受け入れる、受け止めるものなのですよ、それがわからないのなら」
「黙れ!女神を正すのもヲタクの役目だ!」
「それが正しい道だと誰が決めるのです?」
「俺が決める!俺こそが…!」
「それが驕りだとなぜわからないか!!ぬぅぅん!!モノク……」
コイケがその右手にモノクロームの力を集約し、決着をつけようとしたその時だった。
突如、モノクロームの空間に割れ目が発生し、何かの力が流れ込んだ。
「む!?まさか外側からこの空間を破るだと?」
「困るなぁ……勝手に頭数を減らされると…..」
その力、凶悪なほどにDD…..そして、元の世界に戻った2人を止めた男は…..
「戻ってきたのですか……コジオ!!」
「ライコ…..お前……」
自身を庇ったライコに、アッキーは驚いていた。
しかし、ライコは平然と、強敵の前に立つ。
「さて、困った人ですね。まだ支払いが済んでいないってのに」
対するノコッチと消し炭の魔女もまた平然と、勝利への自信が揺るがなかった。
「割り込んで来たってことは、そっち側だな、わけぇの」
「それでいいですよ」
「よし、それでいいんだな、お前の死ぬ理由は」
ノコッチは再び大鎌を振りかぶった。
それを見たライコの両手に雷が走る。
「いいですよ。まぁ、俺は死なねぇけどな」
ノコッチが振り下ろしたカリスマとライコの右手が接触する刹那、火花が散った。
「むっ!」
「その余裕が、命取りってぇやつですよォ!」
その右手はカリスマを滑らせ、逸らした。次の一手、ライコの左手がノコッチの顎へ向けてかち上げられた。
それをノコッチが寸前でのけぞって躱す。
「小癪なァ!」
「バカ!ノコッチ!まだよ!」
消し炭の魔女の声が最後まで届くよりも早く、ライコの身体は縦に回転していた。
(こいつ、左手の勢いをそのまま!)
ついてきた左足がノコッチの顔を蹴り上げた。
「くらった!!だが、まだ浅い!」
アッキーが言った。その言葉通り、ダメージを受け、多少退きながらも、ノコッチはカリスマを横振りに構えていた。
一方のライコは、身体が反転したところで、右手を地面についた。
右手から発生する電撃が、ライコの身体を走らせる。
「ライコ!!そのまま飛び込むつもりか!!まずい!!死ぬぞ!!」
アッキーがそう思うのも無理はなかった。
明らかに懐に飛び込もうとしているライコに対し、それを横一線に切り裂こうと構えるノコッチ。結果は明白であった。
そして、ライコの身体が地面を離れると同時に、ノコッチはカリスマを振るった。
「あぁぁ!!!」
「終わったわね…」
ライコ死す。誰も疑う余地はなかった。ライコ本人を除いては…。
「安心しなって、アッキーさん。加速には定評があるんでね」
「!!?!!」
その時、ノコッチは見た。音速を超えるライコの肉体を。そして、聞いたあまりのスピードで生まれる強烈な爆発音を。
「SONIC MOVE!!」
「がぁはぁあああ!!」
次の瞬間、アッキーが見た光景は、ノコッチの腹部に突き刺さるライコの左手であった。
そして、そのままノコッチの意識を刈り取るように、その身体が壁まで吹っ飛んだ。
「はぁ…はぁ……」(やばいですね…しばらく左手は使えねぇぞ…)
「ライコ!!」
駆け寄ろうとするアッキーをライコは制止した。
「待ってください、アッキーさん、問題はここからなんですからね」
「!!」
アッキーは思い出した。まだこの女がいる。
「それにノコッチをまだ仕留めきれたわけじゃねぇんで…回復して起きられたら、完全にこちらの敗けです」
2人の前にゆっくりと歩いてくる女…消し炭の魔女。
そして、彼女は、怒りを抑えた声でこう言った。
「どうやら残酷な死がお望みのようね…」
次の瞬間、アッキーとライコは、自身の身体が押さえつけられるような強大な力を感じた。
「2対1になれば…..逃げ切れると思っていたが…..とんだ読み違いでしたね……」
「とんでもないパワーだ…消し炭の魔女は、まだこんな力を隠し持っていたのか」
危機を強める2人に対し、消し炭の魔女は、呆れたように言い放つ。
「普段は、出きる限り力の流れを抑えているの……だって、こうなるから……!」
「ぐぅっ……!!」
2人は、さらに押さえつけられるのを感じた。
「アッキーさん、すみません、こいつはやべぇかもです…」
「ああ…..これが消し炭の魔女…あまりに流れる力が膨大すぎて、はっきりと視認できる…..」
消し炭の魔女はまるで死刑宣告をするように告げる。
「私は消し炭の魔女…原点にして頂点…不死王?1000年を生きた?それがどうした?…私は1万年以上生きた魔女だ」
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