プロDD・M ~その528
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。
自分の意識の底でもがくアッキー。
そんなアッキーを消滅させんと目論む白の3人の力はさらに強まった。
しかし、それに反発するようにアッキーの身体がびくんびくんと動き出す。
そして、逆流するように力が、3人に流れ込んできた。
「ぐあぁぁぁぁあ」
「アッキーから力がッ!これが不死王の力ッ!」
「さすがは我々が見上げていた男ッ!!」
「一筋縄じゃいかないんだよぉ」
「気を引き締めろォォ!!SHOUT増量ッ!!」
そこにどこからともなく剣が投げ込まれた。
その剣はアッキーの心臓を貫いた。
「何ッ!?誰だッ!?味方か??」
コイケも困惑の声をあげたが、その直後だった、より強力なアッキーの力がコイケ達へ流れ込んできた。
「ムウッ!?何?心臓を貫かれたというのに!!むしろ力が増幅しているッ!!?」
3人の身体からついに血が吹き出てしまう。
「ここでアッキーを仕留めなければ…まずい!!」
コイケの叫びは真に迫っていた。
それに呼応するかのように、ムネッチも叫ぶ。
「アッキーはァ!金縛りにするッ!!」
「了解だよぉ!」
「「「My fake world展開ッ!!」」」
そして、それでも動かんとするアッキーに対し、ムネッチが突っ込んでいく。
「アッキー!刺し違えてその命、貰い受ける!!」
だが、遂にアッキーは身体が自由に動くような素振りを見せる。
「このアッキー様すごいよぃ!さすが不死王と呼ばれた男!SHOUTのエネルギーは全て貰っている!白の力を頂いたようになァ!解っているのか、ムネッチィ!」
「イエッタイガァァァ!!」
「不死王であるッ!!!」
ムネッチの決死の一撃もアッキーの放つオーラに撥ね飛ばされてしまう。
そして、着地したアッキーは胸の剣を抜き、払った。
その勢いだけで白の3人が吹き飛んでいった。
「ふぅ…俺の未来シルエットに見えない未来はない」
ライチとヨシケーの攻撃を躱した男。彼に見覚えがあったのは、ライチだった。
「お前は……オマベ!!?群青王国の残党がなぜここにッ!?」
「うちの大将がなんとなく引かれただけさ。何があるかは知らねぇがな。時々あるんだ、そういうことが」
アッキーは、謎の剣を手にしながら、ふと呟いた。
「ポンチョ….群青のポンチョか?」
そして、アッキーに近づいてくる男が1人。
「確か、アッキーって言ったな、俺は…」
「ポンチョだ..しかし…」
「間違いない…アッキーだ…」
「ポンチョ…!」
思いがけぬ再会であった。アッキーの胸に刺さった剣の神器であった。
突き刺さった神器がアッキーの中に秘められた群青の力と呼応し、力を出していたのだ。
そして、2人は再会する。あの日以来の2人。どこかへ旅立ったはずのポンチョ。アッキーは尋ねた。
「なぜ走馬灯戦争へ戻ってきたのだ..」
「君を笑いに来た。そういえば、君の気が済むのだろう?」
ポンチョにそう言われたアッキーは、先程までの不甲斐ない戦いを思い出した。
結局、3人から逃れたのも自身の力ですらないことがわかってしまった。
「好きでこうなったのではない、それはお前にだってわかるはずだ」
そう言って、アッキーは、ポンチョに剣の神器を返した。
「しかし、同情が欲しいわけでもないだろう?ならば、皆の期待に応える不死王であったほしい。それが俺に言える最大の言葉だ」
悔しいのか、アッキーは言葉を繰り返す。
「なぜ走馬灯戦争に戻ってきたのだ!」
すると、ポンチョは意外な言葉を口にした。
「ユイの魂は関東圏に漂っている。海の向こうにはいないと見た」
「ユイ……」
アッキーはドキッとした。そして、先程、意識の底で見た光景を思い出した。
「ユイに会いたいか?アッキー」
「何ッ!?」
「ユイに会いたいかと聞いている」
「それは……」
「ふっ…やはり貴様もユイの魂の重力に引かれた哀れな男のままだったか」
「貴様ッ…..!」
「手を貸すと言っている」
「何ッ!?」
「ユイは死んでいない」
「何を馬鹿なことを!」
アッキーはかつてユイの命が絶えた日の事を思い出していた。
「だが、生きてもいない」
「…….どういうことだ?」
そして、ポンチョの口から、アッキーでさえ知らない群青の秘術の名が告げられた。
「ユイの散らばった命を1つずつ集めて、ユイという名のパズルを作る…….群青王国最秘奥……Puzzle!!」
「……….!!!!!」
こうして、アッキーはポンチョの手をとった。
「ふっ…アッキー。やっぱりあんたには、群青がよく似合うぜ」
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