初めてのテニスの大会

 私がテニスを始めたのは、婚活(無駄無駄無駄ァーーーッ!)に金を使うぐらいならもっと健康的な金の使い方をしよう!と思ったからなのだが、
 人間、いくつになっても、何かを始めるというのは、悪くない。
 そんな私とテニスの関係も、早いもので、もう5年程度となっていた。

 物凄く簡単に総長のテニス史を振り返る。
 近所のテニススクールに通い始め、骨折、コロナ禍、入院……という3度の長期離脱を乗り越え、
 一昨年の末頃、外で打ちたい!!となった。

 スクールって、そんなに試合しないんだよね。終盤に試合形式やるけど、大抵は1ゲームずつでメンバーが入れ替わる。
 私はコーチに質問した。
「スクールの外でも打ってみたい」
 すると、紹介されたのが、テニスオフ、テニスベアなどの募集サイトだった。
 こうして、外で打つようになった私は、次なる目標が出来る。
 大会に出てみたい。

 ただ、ここで1つ大きなハードルがあった。
 ダブルスしかやったことがない、のである。※スクールは基本的にダブルスしか教えない
 ダブルスで試合に出る為には、当然ペアとなる人が必要なのである。
 オフであちこちに参加させてもらってるだけの私に、ペアとなる人がいるわけがないっ!!Oh…..

 だとすれば、もうやったことないけど、シングルスで出るしかない!
 よし、申し込むぞ!オラァ!!となったのが、今回の大会である。

 念の為、私見であると付けておくが、
 シングルスと、ダブルスは、もはや全く別の競技である
 打つべき場所、守り方、有効な球、全てが異なる。

 これは無謀にもシングルスの練習すらしたことないのに、いきなりシングルスの大会に出場した男の、単なる備忘録である。


1.総評

 結果から言うと、優勝した。
 しかし、全ての試合が辛勝であった。
 先行してXで何度か投稿した内容であるが、

  • 攻められない(攻め方がわからない)

  • どこに打つべきなのかの方法論がない

  • あんなに左右に振られながら打ち合ったことがないので、強打できない

  • シングルスのコート用に打ったことがないので、やっぱり強打できない

  • 攻め方のセオリーがわからないという事は、守り方もわからない

  • 前に出るタイミング?知らん

  • そんな中でドロップ?アングル?打てん

 いや、お前、どうやって優勝したんだよ
 フィジカルとメンタルです←
 あと、私が勝負の天才って事かな←

 ここからは各対戦を振り返ってみよう。

2.強打の若手

 初戦の相手は、推定20代、中上級の中ぐらいのレベル。
 強力なフォアストローク、ネットプレーも果敢、力強いサーブ、と言った具合だ。
 なんや、この中高部活で鍛えましたみたいな若手は。若い、とにかく若い(重要)
 特にフォアストロークの威力やコースは凄かった。クロスへの切れていくえぐい球で幾度となくエースを奪われた。

 私にとってラッキーだったのは、これが初戦だった事だ。
 お互いにアップもしていない。
 つまり、彼は最初のゲーム、微妙に照準が定まっていなかった。
 おかげで、バックアウトが多く、あっさりブレイクする事が出来た。
 それも束の間、すぐに修正され、ブレイクし返され、折角2-0だったのに、2-2に戻されてしまう(;´・ω・)

 やべぇ…勝てる気がしねぇ…
 相手はガンガン攻めてくる。私は相手のコートにへなちょこ球を返すので精一杯。

 私のテニスはとにかくただひたすら拾うテニスとなっていた。不本意だが
 もはや何でもいいからコートに返す。

 ここで数週間前の出来事を回想しよう。
テニス上手い人(超上級)「僕に聞きたい事があったら何でも聞いてくれたまえ」
私「シングルスで試合出てみようと思うんだけど、どこ打ったらいいかわかんないっす!」
テニス上手い人「ふむ。そうだね、基本はクロスかセンターに打つことだね、ストレートは距離が近いから最初はあんまり狙わないようにね、カウンター喰らうからね、HAHAHA」

試合中の私(クロス打ったら、強烈な球でやられる、ストレート狙おう←)

 バックハンドも強い球がビンビンだったが、フォアよりマシ!
 私の反射神経とスピードなら追いつける!
 なので、ここから無限ストレートの試合が始まった。
 執拗なまでにバック側しか攻めない私を見て、彼は何を思っただろう←

 執拗なまでにバックハンドを打たせていると、たまに中途半端な位置に球が行くと、決めようとして力むのか?吹かして自滅してくれる←
 そして、終盤、コントロールを気にしすぎて、球が弱くなると、もはや拾い放題なのである。
 特に、相手が前に出てきて決めきれないと、カウンター出来る。
 でも、間違ってはいけない。私はシングルスビギナー。強打は禁物!エースなどいらない!←

 相手が触れるけど、ウイニングショットを打てない所へ打つのだ!w
 前に釣りだされたな!必殺スライスロブ!!(※相手の身長で届くぎりぎりを狙うロブ、相手が打とうとする場所で浮き上がる)

 6-4。辛くも勝利。
 テニスは必ずしも強い奴が勝つわけじゃないのだ。

3.粘りのベテラン

 2戦目の相手は、30代ぐらいだろうか?ベテランとか書いちゃったけど、別にベテランじゃないなw
 レベル的には、たぶん中級の上から中上級の下ぐらい。
 初戦の相手のような強力な球が来るわけじゃないが、ディフェンス力は高そうだ(私が全く攻めなさ過ぎて、実際のディフェンス力はわからないがw)

 なお、対戦相手は初戦。私は休憩なしで連戦である

 私が疲れているからか?それとも、あまりにも攻めないからなのか?
 それに付き合って、相手もなかなか攻めてこず、ひたすらラリーが続く展開に…….
 待って!これは美味しくない!次戦以降を考えたら、こんな所で体力を使い果たすわけには……!

 しかし、残念。総長氏、攻め方を知らないw

 もうそっちが合わせてくるなら、我慢比べしたろうやないかいィィィ!!
 シングルスの試合なんて全然経験ないから知らなかったんだが、ラリー5往復は当たり前、大体10往復…..15往復20往復なんてことも…(攻めないからだろ!w)

 当然、連戦の私が不利…….なわけあるかい!なめんなよ!週10で運動しとるんじゃい!バテるわけあるかい!w

 メンタルとしてどうなのか?そんなにミスらずに集中し続けられるものなのか?
「このゲームでこの総長に精神的動揺によるミスショットは決してない!と思っていただこうッ!」

 ラリーが続きまくる→相手が焦れてくる→タイミングを見計らってちょっと甘いコースに打つ→相手のペースが乱れる
 私は、攻めてくれない相手には、攻めさせることを学んだ。

 余談だが、この方、実は強烈なバックストロークを持っている方だったらしく、先述の強打の若手との試合で、
 2人ともバコバコ打ち合っていた私との試合でストレスが溜まっていたんだろう

 6-1
 持久戦を制した。戦いは相手の土俵に立ったら負けなのであるよ。

4.ドロップ使い

 次の対戦相手は、とっくに試合を終えて待っていた(それはそう)
 衝撃の3連戦……始まる…….ッ!!

 今大会で学んだのは、シングルスは、皆ドロップショットを使う
 ダブルスは使わない。ほとんど使わない。前衛に取られるから。
 つまり、ダブルスしかやったことない私は、ドロップショットが使えない。少なくとも試合で、大事な局面で、そんな博打打てない。

 そして、この相手は、その中でも、特にドロップを武器として多用してくるタイプだった。
 賢明な読者の方はお分かりかと思うッ!
 そう、私はめちゃくちゃ前後にもダッシュさせられる事になるのだァーーー

 というわけで、まんまといきなりブレイクされ、0-1のビハインド。
 そして、2ゲーム目も相手は上手くゲームメイクして40-0まで追い込まれた…..

 ちなみに、テニスの点数は、15,30,40,で40の状態からもう1回取れば、1ゲーム取れる(本当はデュースというのがあるが、今回はデュースなしなので、説明を省く)
 そして、6ゲーム取った方が1セット取れる。
 今回は、1セットマッチである。

 閑話休題して、普通の人間なら強引に攻めそうな所、私は相変わらずの羽子板テニス←
 いいや、私はね、相手の行動パターンを観察しているのだよ
 特に、どの位置に打ったらドロップが来やすいのか、それはどっちのコースに打つのか、とかね。

 見極めたら、どうするのか?
 そこに打たないように避けるのか?
 ククク…違うぜ…..
 打たせるんだよォォォーーーーー!
 ドロップなんてわかっちまえば、何も怖くないぜェーーーッ!

 40-40まで持ち直した!
 その最初の40-40で、スーパーショットが飛び出した。
 粘る私に対して、相手が前がかりになって攻めてくる、まさにイケイケだ。
 そして、ネット付近に球が高く弾んだ。超~~~絶好球!
 当然、相手は、思い切り強打した。ストレート!めちゃくちゃ鋭い球だ!ベースライン&サイドライン付近ッ!コースも絶好ッ!

 しかし、総長、それを横っ飛びで止めたァ~~~!

 漫画みたいなダイビングキャッチ。しかも、速い球を芯で捉えたから、高速カウンターとなった。
 今大会で唯一後ろから取ったエースである←
「うわぁ!すげぇ!今の絶対ビデオ撮っとくべきだった!」対戦相手も絶賛である。

 さらに、次のゲームで、ドロップショットを拾った私は、滑って派手に転んだ。
 相手は、余裕のロブで、ポイントを確信していた。
 だが、総長は、諦めていなかった……!

 転倒したはずの私が、立ち上がって走り、そのロブを背面ロブで返す姿を見た対戦相手は、試合後、次のように語った。
「あの時、この人には絶対勝てないと思いました」

 6-1
 この試合中、40-40で4回ぐらい並んだ。
 そして、それを尽く制したw
 諦めたら、そこで試合終了なのである。

5.決勝戦

 試合を終えると、やっぱり対戦相手は、とっくに試合を終えて待っていた(それはそう)
 怒涛の4連戦……!!

 相手のレベルは上級ぐらい、しかもおそらく20代前半…
 違うブロックを圧倒的な強さで勝ち進んだ若手。
 その中には、年代別とはいえ県大会王者も含まれる……

 強力なストローク、めちゃくちゃ上手いドロップ、前に出たらボレーも強い。安定したバックハンド。
 そして、試合中、危険だと判断したのがフォアの逆クロス。アングル気味に打ってくる。
 センター付近、もしくは少しでも浅い所から打たれると、ほぼエース。もちろんほぼミスらない。恐らく最も自信のあるショットだと思われる。

 ちなみに、最初から強いのはなんとなくわかっていたので、
 先にサーブを譲った。
 え?テニスはサーブが有利じゃないの?って
 その通り。要するに、サービスゲームを絶対落としてはいけない。落としたら負ける

 だから、落としても支障がないリターンのゲームを最初に選択した。
 もし、先にサーブを選択していたら、たぶんブレイクされていただろう。
 最初のリターンのゲームで一番危険な所だけでも、頭にインプットしておいたのだ!

 あ、それでも最初のサービスのゲームで2本リターンエース喰らってるからねwww

 でも、落としてない(最重要)
 相手が一撃で仕留めてくるのに対し、こっちはその次のポイントで粘りまくって10球ぐらいで取って、の繰り返し。
 めちゃくちゃ神経使ったわ!すげぇ攻めてくるんだもん!!

 とはいえ、もはや何本エース取られたかわからないw
 それでも、とにかくバックハンドの深い所、バックハンドの深い所!!

 こちらのショットの内訳は、
 バック側80%、センター10%、フォア側10%
 深い球90%、中途半端10%
 スライス割合(フォア70%、バック90%)
 って感じ。

 中途半端にしてチャンスボール作戦は意外と効果ある。
 あと、高くて深いトップスピンで攻められた時に、上から押さえ込みスライスで止まる球打つと効く。

 それにしても、一瞬も気の抜けない試合…
 互いにキープし続け、4‐4の所で、相手の動きを読み切り、ブレイク!!

 0‐1(相手キープ)
 1‐1(キープ)
 1‐2(相手キープ)
 2‐2(キープ)
 2‐3(相手キープ)
 3‐3(キープ)
 3‐4(相手キープ)
 4‐4(キープ)
 5‐4(ブレイク!)
 6‐4(優勝!)

 執念であった……
 好きな女に「優勝したよ!」と言いたいがために、走り続けた。
 「この大会に優勝したら、俺、結婚するんだ(しない)」
 いやー、フラグ立てたのに生きてて良かった!

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