プロDD・M ~その522

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

「ふぅ~、どこから聞き付けてやってくるのかね。どうせならアッキーさんが不在って事まで知ってほしいもんだ」
 ため息をついて座ったライコの下には、無数の屍が山になっていた。
 アッキーを狙った女傑団の刺客達であった。
「女神様…..万歳…….」
 微かに息のあった刺客が自らに装着してあった爆弾を起動した。
ソーダフロート気分
「へぐわ!」
 2層の障壁が爆発からライコを守る
「あーあ、俺、こいつら基本的に無理なんすよね。ったく、どこまで行ったのやら、早く戻ってこいよ、アッキーさん」


 その頃、アッキーは、流れ込んでくる女神の力に酔っていた。
「くははははは!漲る!漲るぞ!」
 目の前に転がる守り手達の身体を見もせず、悦に浸るアッキー。
 その手には、神殿に祀られていた神器があった。
「待て……貴様のような邪悪なものに、その神器は渡せん……」
「まだ…息があったか。では死ね」
「ぐぎゃああああ」
「くくく!素晴らしい神器だ。このナイフ。まるでリンゴの皮を剥くように人間が切れる
 神器を使いこなすアッキーに対し、瀕死の守り手達がまだまだ追いすがってきた。
「行かせぬ…行かせぬ…」
「そのまま寝てればよいものを。よかろう、せっかくだ、全員、剥いてやる」
 アッキーはニヤリと笑った。


 その頃、状況軍団のクラブに潜入したポッターは、女達と躍り狂っていた。
「ねぇねぇ、お兄さんどこから来たの?」
「最南端だよ~」
「またまた~冗談が上手なんだから~」
「だよね~」
 もはやポッターは、遊んでいた。
 すると、そこに強烈な蹴りが飛んできて、ポッターは吹き飛ばされた。
「うひぃ!!」
「きゃあああ!!」
 周囲から悲鳴があがる。
 そして、そこに立っていたのは、リョーだった。
(いてて..ん?こいつは、さっきの屋台の店主…..)
「おい……今月も水道止められてんだぞ!!金払え!!!!」
「!!!!?」
 騒動の中を、1人の男が歩いてくる。
 それを見て、ポッターは気づいた。
「あの派手なバケハは…..」
 それは幹部の証だった。
(これは良い展開かもしれん。店主には悪いが)
 今さら自分の任務を思い出すポッター。そして、幹部のパンチがリョーの頬をとらえた。
 しかし、それを踏ん張ったリョーは、幹部へと視線を向ける。
「邪魔するのか?」
「へっ、どこかの腕自慢か?ここがどこだかわかってんのか?」
 すると、リョーがすっと構えをとった。それを見た幹部は瞬間的に警戒した。
(こいつ……)
「悪い奴にはお仕置きをしてやる」
「これはこれは…面白い一夜になりそうだ」
 そんな中、どさくさに紛れて、客のいない方へと向かうポッターの姿があった。

 そして、隠し通路を発見したポッターだったが、その時歓声があがった。
(もう終わっちまったのか…?どっちが勝ったんだ?)
 振り返ったポッターは見た。
 無傷の幹部がリョーを見下ろしているのを。
(店主ゥ……!!)
 そして、その時、ポッターは幹部と目が合った。
「おい、貴様、そこで何をしている?」
(や、ヤバイ!!)
 その時だった。再び入口付近が騒がしくなった。
「あー、もう面倒くせぇな」
(ソウチョウ……!!)
 するりと幹部がソウチョウの方へと振り返った。
「なんだァ、てめぇは」
「愚かな従者を迎えに来た…む…」
 ソウチョウの視界に倒れているリョーの姿が映った。
ハラヘッタ…….
(店主!やられたのか!許せねぇ!善良な屋台の店主を……!!)
 ぐいっと迫る幹部。それに対してソウチョウは何かぶつぶつと言っている。
「お前らのような悪い奴らを相手にして悟ったことがある。悪い奴らと戦って、無条件に勝つ方法。絶対に負けない方法を…」
「は?何だって?」
 しかし、ソウチョウから漲る力の波動を感じ取った幹部は、警戒を強めた。
「流派は違えど、同じ武闘家の気概を感じる。正式に名乗ろう。俺の名はユ….
 幹部が挨拶をし終える前に、ソウチョウの両手が幹部の頭を挟んだ。
 そして、強烈な膝がその顔面を捉える。
瞬き!!絶対に勝つ方法、それは…..最初から必殺技を使うことだ」
「ぐへぉぉ!!こいつゥ….!!」
 思わぬ攻撃に必死で振り払おうとする幹部、だが、ソウチョウは攻撃の手を緩めなかった。
瞬き!瞬き!瞬き!
 顔をロックされたまま、膝を何度も叩き込まれ、幹部は苦悶した。
「手を離すつもりは、ない!瞬きぃぃぃ!!


「おかえりなさい、アッキーさん」
「ふっ、なかなか楽しめたぞ」
「どこ行ってたんですか?」
「各地の女神の力を吸収してきた」
(とんでもないことするな…通常の人間では器が足りないはず..やはり恐ろしい男だ)
「そろそろ出陣するか」
「ええ、ですが、白は巨大な組織です。この頭数で足りますか?」
 ライコの疑問も当然だった。だが、アッキーはふっと笑うと手で合図した。
 すると、大勢の男達が現れた。
「いつの間に、こんな大軍を…!!」
「白を倒す準備は整った。さぁ、白を塗り潰しに行進しよう…..パレットパレードだッ!!」

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