見出し画像

第2節 vs FC町田ゼルビア 雑感

結論から言うと、自分が想定していたものより面白く、確実にチームの完成度は高まっているけど、魅力的なチームであるかというとまだまだだなと。
というのも、ボール支配率が75%を超えていながらもシュートが二桁いっていないというスタッツからも分かるように、決定機の数では町田と互角でしたし。
内容は確かに去年と比較して改善はしましたが、負け試合を何とか引き分けに持ち込んだというのが感想です。

ただ、永井ヴェルディの狙いが感覚的ではありますが、大分見えてきたのは大きいです。
ボールを保持する目的は当然ゴールを奪うためで、その手段としてポケットを活用するというのは去年から一貫していて、今年も継続されています。
ここで、話題はずれますが、昨日以下のTwitterでこんなツイートをすると、このような回答がえられました。


なるほど、ポジショナルプレーかと思い、少し調べるとさらに符に落ちました。
ポジショナルプレーの目的は「相手のプレッシャーラインの背後に優位性を生み出す」ことであり、「ライン間にフリーマンを作り出す」とも言い換えられるよう。
ああ、この表現だ!と納得しました。
ただリージョは「大外にフリーマンを作る」というように述べていますが、これは永井ヴェルディは違うなーと。
そもそも、サイドに絶対的な質的優位を持つアタッカーはいませんし。
なので、先ほどのポケットの活用のところからさらにブレイクダウンすると、「中央3レーンの敵DF-MF間にフリーマンを作り出す」ことが目的だなーと。
サイドではなく、バイタルの中央にフリーマンを作ることが目的で、これが欧州でのポジショナルプレーの解釈とは違うのかなとものすっごい適当ですが、思いました。
ただ、そのフリーマンを作ることの目的は「相手を引き出すこと」なので、そこのフリーマンを必ずしも経由する必要はないです。
例えば、前半の立ち上がりに井上のスルーパスに小池が反応したシーン。
この場合、フリーマンは佐藤ですが、敵CBを位置的優位によって引き出しているので、背後にスペースを生み出しています。
つまり、、、

狙い:相手を引き出す
手段:ライン間にフリーマンを作る
   横幅68mを目一杯使う

ということかなと。
横幅を目一杯使えば、確実に中は空いてくるし、中で優位な状況を作ることでポケットのスペースをより効果的に使えるので。
さらに細かく考えるとそのフリーマンを作り出すにはそれぞれのライン間で優位な状況を作ることがあって、そのために最終ラインから優位な状況でビルドアップをするのだと。
今回の町田だと守備ブロックは「4-4-2」なので、ライン間は2つありますよね。
それぞれのライン間で「時間とスペース」があるフリーマンを作ることが目的で、そのためにビルドアップの際にも敵第一プレッシャーラインに対して優位な状況でのビルドアップを試みるのだと。
この優位な状況を作るために「位置的優位」と「数的優位」を組み合わせていく。
非常に感覚的なので、このあたりを全て言語化できると良いのでしょうが。

なので、今回の試合、フォーメーションは「3-4-3」と表記するのでしょうが、永井さん的にはいつもとやり方は変わっていないのでしょう。
それぞれのポジションに今節限定の「役割」を与えただけであって、これが「戦略」ですね。
「戦術」の理解度が上がってきたことで、今まで机上の空論のようにも思えていた「戦略」をようやく選手だちが実行できるようになってきました。
目的は「第一プレッシャーラインを交わしながらライン間にフリーマンを作り出す」ことですので、その明確な戦術に合わせて「戦略」を組んでいるのではないかと。
そういう意味では今回はある程度成功でしたね。
敵2トップには「3vs2」の状況を常に作って、3人でビルドアップしてました。
なので、ミスが非常に少なかった。
また、敵FW-MFライン間でフリーマンを作ることもできてました。
特に、佐藤が瞬間的に数的優位を作ってジョエルにボールを渡す形。
この状況では、ジョエルがフリーマンとなっています。

課題はここから。
フリーマンとなった選手のプレーの判断の質ですね。
時間とスペースを得ている状態であれば、やはりライン間へ楔を打ち込むかあるいはサイドを変える長いパスは求めたいですね。
よかったシーンとしては、潮音がシュートまでいったあの場面。
今回では井出が相手のSH脇まで落ちて相手を引き出し、カットインすることで自らが「フリーマン」となりました。
ちなみに、今回の「フリーマン」の定義は「時間とスペースを十分に得ている状態の選手」です。
そこで、井出から敵DF-MFライン間に位置している端戸にボールを渡し、潮音が見事なサポートでスピードアップ。
このシーンは理想的ですね。
それぞれのライン間で井出と端戸がフリーマンとなり、相手を引き出したスペースに井上が飛び出してくる。
こうしたシーンをもっと増やしていかないといけないです。
それぞれのライン間でフリーマンを作り、そこに選手がどう関わるか。
そのためには、出し手と受け手がフリーマン(時間とスペースを十分に得ている状態)であり、空いたスペースに選手が入ってくる必要があります。
なので、結局は選手の判断の質になると思うのですが。
選手たちはよくやっていたと思いますが、まだまだ完成には時間がかかりそうですね。

まあ最後に、ネガトラと守備を少しだけ。
ポジションを適切に取れていたことで相手への負担は多く、それがネガトラにも反映されていたりとかなり改善されていることはわかります。
守備はもう少し頑張れ。
失点シーンは頼むから寄せてくれい。
て感じで。
攻撃についていっぱい書いたので、これくらいにしておきます。

ある程度狙いが見えてきたので、個人的には面白くなってきましたが、結局決定機を作らないと意味がないですね。
とはいえ、輪郭が見えてきたので、期待感は増しています、普通に裏切られそうですが。
やっとスタートラインに立ったなという感じですね。
これから、巻き返していきたいですね。
ま、今回はこんな感じで。