サポーター組合とクラブの関係 #さかろぐ #2020apr16
サポーター組合の役割とクラブとの関係
六:ここまでがサポーターがなんで批判したのかって話。他にサポーター目線で言うと、この辺は邨田くんの関心に近いのかなとも思うんだけど、サポーター組合が一つ大きな役割を果たしたと思う。というのもSOS(Spirit Of Shankly)がCEOにメール送ってるのがきっかけだし、撤回のコメントの中にもSOSに触れているので。逆にこういう組合がなかったら反対は示せなかったのかなって思った。 日本のクラブとサポーターを見てて、サポーター側がクラブに働きかける事例を知らなくて、日本だとなかったのかなって思った。あとこの関係って、会社と社員の労働関係に見えて、それってクラブとサポーターと聞いて想像する関係性よりも緊張感がありそう。絶妙なバランスが必要だなと思って、想像つかなかった。プレミアリーグの文化と言ってしまうとそれまでだけど…。
邨: 歴史の長さは一つあるんかもな。ゴール裏で横断幕とか町田の話したやん。それよりももっと直接的、直球のメッセージをCEOに送ってる。
以前のフットボリスタの記事の中で、この組合自体は2008年に結成されて、
チケット代値上げ撤回の話が載ってたけど、今回のようなやり取りををずっとやってきたってことやからさ。そういう感覚はあんまないよな。
六:サポーターが組合作ってクラブと綱引きしないとクラブがあらぬところに行っちゃうってことじゃん多分。となると意外と、割とよく言われる「海外のクラブは地域に根付いて」みたいなイメージとは離れてるのかなって思う。
邨: ただ根本的には、自分たちのための試合だし、サッカーだし、クラブっていう感覚はあるんじゃないかな。あの記事の中にも、ファンの魂どこに残んねん、値上げして地域のファンがおらんくなったらどこに残んねんみたいなコメントがあったと思うんやけど、そんなスタジアムに魂残らんやろっていう。だから活動の源泉としては、やっぱり自分たちの試合でしょ、自分たちのクラブでしょって感覚はあるんじゃないかな。
労働者の町に根付いたグローバルなクラブの危ういバランス
コメント:逆に労働者の街リバプールだからこそ過敏に反応したのでは。
邨:労働者の町っていう感覚、リヴァプールっていうクラブ自体がどうかって言われると完全にそうですねとも一言では言えないですけど、そういう側面はあると思います。
六: そこに戻るんだろうな。クラブとしてのリヴァプールと、町としてのリヴァプールがけっこう今難しい関係性にあるんだろうね。
邨: 難しい関係性にはあると思う。歴史的に考えてもそうかもしれん。
ただリヴァプール自体も同じマージーサイドのエヴァートンと比べて、どちらかというとリッチな感覚。エリア内ではそういう位置づけではあったけど、リヴァプール自身も地域の歴史的にはロンドンと比べたら違うと思うから、労働者の立場からという側面も部分的にはあるかなと思います。
六: ビックマネーの流入ってところと、労働者の街って言う対立で見ることができる話だと思います。僕も正直最初その一面でしかみてなかったです。けど意外と見ていくといろんな要素が絡んでて、単純にその構図だけでは見れないんですけど、間違いなく一つの軸としてはあると思います。
っていうところでサッカークラブのあり方として、ローカルに軸足は置きつつ、でもグローバルに進出するっていう戦略を多くのクラブが採用していて、それによって放映権だったりスポンサー収入を得るというのが多くのクラブの狙いだったと思うんですよ。けどそこの土台にあるローカルが脆くはないけど、足場としてはかなり狭い足場になっていて、そこで立ってるのが難しい状況なのかなって思います。
ましてこの話をグローバルで考えちゃうと、すごく冷徹に行っちゃうと、日本にいる身としては、イギリスの人たちのことは見ようと思わなければ見えない話で、グローバルで見ちゃうとローカルって関係なくなっちゃうんですよね。サポーターの目線って言ったけど、ここまでの話はサポーター(現地)の話だったと思った。
邨: 制度を利用したときにもらえる金額と引き換えに、ローカルのサポーターの信任を減らすんだったら、それでいいやっていう天秤というか。そういう意図はないと思うけど。
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