見出し画像

ディズニーのドローンショーにすごく感動したと同時に寂しく感じた。

「なぜ静岡が選ばれた?」多くの地元民が不思議がっていることだろう。

というのは、なぜかはわからないが昨年に続き、静岡のローカルな花火大会にディズニーのドローンショーが来てくれた。しかもドローンの数は昨年のおよそ2倍の1500機。私も今年はタイミングがあって観に行くことができた。

ただこの日もものすごく暑かった。今年の静岡は異常である。初めての40℃越えを7月上旬に記録するなど、異様な暑さになっている。たしかこの日の日中は39℃くらいまであがり、花火大会の始まる夕方になっても気温はなかなか下がってくれず蒸し暑い夜になっていた。

そんなことでかき氷屋の前には長蛇の列が出来ていて、買うつもりはなかったのに結局買ってしまった。ちょっとおしゃれなふわふわのかき氷。ちろん美味しかったが、やっぱりかき氷って書いてあるカップに入ったいわゆる普通のかき氷を買って、舌を着色料に染めたかったな、と後になって思った。

その後ふらふら歩いてなにか美味しそうなものはないかと探したが、結局いいなとと思ったのは、最初に見つけた屋台とかじゃくて、近所の人が売っている300円の焼きそば。だからしょうがなく戻ってきたのにその時には既に売り切れていた。そのため屋台で倍の600円払い、それなのになぜか量が少なかった。そのあと重くなった足で席へと向かった。

席といってもブルーシートだが、そこにつくと既に多くの人が、各自持ってきていたクーラーボックスから冷えた缶ビールや酎ハイを取り出して飲んでいた。あ、大人はこうやって楽しむのだなと、大人になって初めて来た花火大会で思った。

まだ花火が始まるまで1時間くらいあったので、暇だった。日も沈みかけていてだいぶ暑さは和らいでいたが、まだまだ暑かった。だから受付でもらった団扇で涼んでいたが、ほとんどの若者は電動ファンを使っていた。そのせいか昔より団扇をあおぐのって疲れるなと感じた。そんなことも気にも止めずに、寝っ転がって団扇をあおいでいるお腹の出た老夫婦の姿がなぜか美しく感じた。


花火大会は19時30分に始まった。最初がそのディズニーのドローンショーだった。詳細は省くがびっくりした。思っている以上のクオリティだった。空というキャンバスに絵を描けるのは花火だけだと思っていたのに(ブルーインパルスのショーもか)、そうじゃなかった。現実空間にこういったファンタジーのものが存在しているのが不思議な感覚だった。花火もファンタジーかもしれないが、儚い。大輪の花を咲かせると一瞬にして崩れてしまう。ブルーインパルスのショーも、もう少し持続性はあるがいうて煙なので美しい状態を止めておくことができない。

それに比べてディズニーのドローンショーはある程度美しさを止めておくことができる。花火には存在している感覚がないというか、”存在していた”と感じがあるだけ。一方ドローンによって作り出されるものはそこにあるような錯覚を覚える。たぶんドローンの配置が3次元なのもあるだろう。プロジェクションマッピングにはないリアルな物質的なものを感じた。


私はこのテクノロジーの進化に感動した。こんなことができるのかと。ただ一方で寂しかった。寂しかったのだ。ただその時はその寂しさがどこから来ているのかはっきりはわからなかった。それが時間が経っておよそこの4つからきたのではないかと感じている。

1つ目は、自分から離れすぎてしまったような寂しさ。ドローンショーは花火ではないが、花火大会に出るということは大枠は花火といってもよいのかもしれない。その花火がこれから向かう先が私から人間から一線を超えて離れてしまうような感じがした。

2つ目は新しさに目が眩んでいる自分に対しての寂しさ。ディズニーのショーはすごかった。でもまだ新しいっていう価値がその魅力の大部分を占めていたと思う。私はそこに寂しさを感じてしまった。

3つ目は感動の閾値が上がってしまったことに対する寂しさ。なにかすごいものを見た時や美味しい料理を味わった時、幸福感に包まれる。その一方で「あ、これで今まで十分満足してきたものが、これからは満足できないのかな。」と感じてしまう。そのような寂しさをこのショーには感じた。

4つ目はそれでも儚さに美しさを感じる自分がいること。ドローンショーに儚さはないが花火にはある。儚さに美しさを感じるということは何かが長続きせず失われてしまうことを欲しているということ。それはなんだか寂しいことに感じた。


ドローンショーのような新たなテクノロジーを使ったエンターテイメントはこれからどんどん出てくるだろう。その"新しさ"は、私を、人を魅了する。今回感じた寂しさは私に気をつけろと伝えてくれているのかもしれない。気をつけないと、誰に壊されたのか分からないまま、いつの間にかに、私は内面から破壊されてしまうのかもしれない。そんな怖さをこのドローンショーに感じてしまった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?