伝説を体感した2日間
この文章を書いてから1か月と少し。どうしても田嶋選手を現地で見たくて大阪行ってきました!
まさかの大阪遠征
10年以上サッカーを見ている割にはほとんどアウェイに行くこともなく家族旅行と言えば沖縄だったので、西日本には全くなじみがない私。京都や奈良には修学旅行で行き、天皇杯を見る(なお土砂災害があって試合は延期)ために広島に行ったことはあるものの、それ以外は西日本に行ったことがない。
それが……まさか野球を見るために関西、神戸や大阪に行くことになるとは……人生は分からないものです。
シーズン終了後からずっと、どうしても田嶋選手を生で見たくて、同じ空間にいて応援したくて、もしチケットが余裕でとれるなら大阪に行きたいなと思っていた。そして日に日にその思いは増していき、とうとう行ってきました!
クライマックスシリーズ(以降、CS)の日程が決まってから、後期は木曜日全休で金曜日に1つしか授業の入っていなかったため、そのどちらかで1泊2日する予定を立てていた。エゴサ―チの結果、田嶋選手を3戦目と予想する人が多かったし、私自身も勝数が2番目に多く左のエースと呼ばれている宮城くんを2戦目に使うのだろうとも思っていたので、3戦目を狙うことに。飛行機の時間や授業のことを考えるとその方が都合がよかったとも言う。
チケットの一般発売日、10時からスタンバイしたもののサイトにも繋がらないしログインもできない。やっとまともに繋がったのは13時頃でもうほとんどチケットはないだろうと思っていたが、平日を狙っていたこともあって運良く3塁側が残っていた。なんなく購入してとりあえずチケットは確保。
しかし問題はここから。我が家は恐らく世間一般のご家庭と比べるととても過保護で厳しい家庭のようで、今回も1人での大阪行きを許可されず散々母に渋られ、結局父が一緒に行ってくれることで解決した。また、父が一緒に行くことになったため、経済的な事情を考慮しなくてよくなり、2戦目も行けることになった。お父さんありがとう。
こうして大阪行きが決まり、2戦目でも3戦目でも現地にいられることが決定したものの、その後のエゴサでは1戦目という人も現れるし4戦目予想も出てきて、まったく安心できないまま1戦目を迎えることになった。セ・リーグは1戦目の前に翌日の予告先発が出たのに対して、パ・リーグは待てど暮らせど予告先発の情報が出てこない。正直由伸くんが先発でまさたかさんも復帰したので1戦目は確実に勝つと思っていたこともあって、ほとんど試合に集中せず予告先発のことを考えていた。やっと発表されたのは試合後。試合中のあの時間返してくれ……。
こうして2戦目での登板が確定。本音を言えば、座席は3戦目の方が中央に近かったが、とにかく現地で田嶋選手を見られることが確定して安心した。
2021年11月11日 CS 第2戦
朝5時半起きなのに緊張と楽しみでまったく眠れず、睡眠時間3時間ほどで迎えた当日。10時から神戸にいて11時には大阪にいたのだが、関西は雨が降っていて観光どころではなかったため、ホテルに荷物を預けてそのまま京セラドームで時間をつぶすことに。サッカーのスタジアムでは考えられないの規模のグッズショップが球場内にあったり、チェーン店が入っていたり、改めてプロ野球すごいなと思いながら中を一周。ライブ会場としても使われているためアーティストの手形やサインがあったり、オリックスの選手のパネルがあったりして楽しめたため、暇でどうしようと悩むほど時間は余らなかった。(余談だが、そこまで野球が好きなわけでもなく娘のわがままに仕方なく付いてきただけという父が、大ファンであるザ・ローリング・ストーンズのメンバーの手形を発見して、これを見ただけで今日来た価値があったと言っていたので、本当に良かった)
そうこうしているうちに、入場の時間となった。席についてマウンドを見てみると、あんなに遅くとった席の割には結構近く感じられていい席だった。
ちなみに推しの登板日には必ずと言っていいほど体調が悪くなった私ですが、席に着くまでは慣れない入場の手順にどたばたして正直緊張している余裕もなかったし、席に着いてからも選手コラボメニューを買おうかと思うも行列を見て断念したりウォールアートを探して写真を撮ったり、やることが多かったこともあっていつもよりはマシだった。先発投手を応援している方には登板日に体調を崩さない方法をぜひ教えていただきたいです()
18時プレイボール。
横から投球を見る形になったのでどれほどいいボールを投げているかほとんど分からないものの、この大一番でロッテ打線を0に抑えていて与四球1で球数もすごく少ないので、相当いいのだろうと思いながら見ていた。実際に映像で確認しても攻めたピッチングをしつつ確実に打ち取ることができていて、もしかして今シーズン1番いいのかもと思うほど素晴らしい投球でした。
前日同様先制点が決勝点になる試合だと悟ってからはランナーが出るだけで大ピンチを迎えているような、そんな感覚だった。祈ることと拍手することしかできなかったけれど、何もできないテレビの前とは違って、同じ空間にいてその場の雰囲気作りに拍手という形で参加できて、一緒に戦えた気がして嬉しかった。あくまで気がしただけ、そんな気にさせてもらっただけ。
結果、6回無失点被安打3与四球1奪三振5の好投で、相手に2塁すら踏ませずリリーフ陣に託すことに。リリーフ陣もきちんと0に抑えてくれました。特に吉田選手は登場曲からノリノリで応援したくなる選手で、ミーハーだけど20日楽天戦の満塁のピンチを三振で完璧に抑えてから、すごい選手だ!!!と思っていたので、現地で見ることができて嬉しかった。
打線では結果的にはまさたかさんのヒットからラオウさんの2ランホームランでしか得点はとれなかった(打つべき人が打ったとも言う)が、何点差でも勝ちは勝ち。これで田嶋選手はリーグ戦から4試合連続で交代する直前の回に援護が付くことに。チームは昨年の442得点から551得点と100点以上増えているにもかかわらず、田嶋選手の援護率は昨年の3.30から3.20に下がるという謎がありましたが、やっと田嶋選手個人の投打がかみ合ったのかなと素人はぼんやり思いました。
まさか現地初参戦が推しの登板になるとも、勝利投手となってヒロインが聞けるとも思っていなかったので、一生忘れない初プロ野球観戦になりました。またいつか必ず田嶋選手を見に行きます。そのときも勝利投手になってふんわりした笑顔を見られるといいな。
2021年11月12日 CS 第3戦
この日の先発は山崎颯一郎選手。モデルのように手足が長くてイケメンでかっこいいのに、吹田の主婦のイメージしかない選手。
3回に1失点するもその1だけで切り抜けた投手陣。1戦目の完投が大きすぎてさすが大エース由伸くんだと思いながら見ていられるくらい、あまり危機感がなかった。
それは宗佑磨選手が絶対にこの試合何かしてくれると思っていたから。田嶋選手を好きになってからオリックスを見るようになった私だが、見続けることができたのは宗くんの影響も少なからずあった。それまでは田嶋選手の登板日しか試合を見ていなかったが、西浦選手の引退発表後、円陣で宗くんが言った「僕らは勝たなきゃいけないんです」に胸を打たれて以降、全試合見るようになった。彼は田嶋選手がピンチになると声をかけに来てくれていたり、田嶋選手との仲の良さがうかがえるSNSでの投稿があったりと、そもそも早い段階で名前を覚えて見ていた選手だったが、その円陣からさらに力を入れて応援するようになった。それからの宗くんはここぞ!って大事な場面で攻守が光るようになった。それはまるで漫画の主人公のように私には思えたし、彼の物語を見ているようだった。だからこそ、彼の活躍がオリックスを日本シリーズに導くんだと信じていたし、その瞬間を現地で見ることができたらどんなに幸せだろうと思っていた。
そして6回。最高の瞬間が訪れた。この試合、リーグ戦の相性そのままに全く打てなかった岩下投手から福田選手が2打席連続でヒットを放つと宗くんの打席へ。ここで岩下選手は治療をしにベンチに下がるも戻ってくる。その初球だった。ボールはライトスタンドへ運ばれ、逆転の2ランホームラン。やはり彼だった、宗佑磨だった。涙が溢れて止まらなかった。待ち望んだ展開が目の前で繰り広げられ、なんて幸せな瞬間に立ち会っているのだろうと。
しかしこの試合はそう簡単にはいかない。昨日抑えてくれた吉田選手とヒギンス選手が1失点ずつ喫して再び1点先行されることに。
そして迎えた8回。代打の神様アダム・ジョーンズ選手が倒れ、福田選手が再びヒットを放つも宗くんはファールフライに倒れ、昨日ホームランのラオウさんも三振。正直ジョーンズさんが打てなかったところでやっぱりそう上手くはいかないよな……3試合で決まるなんてそんなことはないよなと40%くらい負けを覚悟した。
しかし9回2アウトからでも希望を持てるのが今年のオリックスだと私は知っている。60%の希望をもって迎えた9回。増井さんが4者凡退()に抑えて流れを作る。対するロッテはオールスターでのお茶ココアゲームで好きになってしまった益田選手が当然登場する。9月30日逆転の3ランを放ったTさんがここでもうまくヒットにすると、安達選手もバントのファールから切り替えてヒットを放つ。代打で頓宮選手が用意されていたが、登場したのはそのまま小田選手。後述する駿太さんと共に走塁と守備固めでの登場が多かった選手である。誰もがバントだろうと思っていただろうし、その中の1人に私も入っていた。9月30日のあのプレーを思い出しながら、小田さんは確実にバントして後ろにつないでくれと祈っていた。しかしここで中嶋イル―ジョン。バントの構えからヒッティングに切り替えてファーストの横を抜けるとTさんの代走に入った山足選手がホームに帰ってきて劇的な引き分け。これで日本シリーズ進出が決定。
叫んではいけないのはサッカーと同じなのだろうが、思わず声が出てガッツポーズをしてしまった。それくらいすごい展開だった。40%もこの試合を諦めていてすみませんでした、反省しています。
今後球団の歴史に刻まれファンが語り継ぐであろう試合をこの目で見られたこと、その場の雰囲気・興奮・感動・歓声すべてを体験できたこと、誇りに思います。2試合連続で素晴らしい試合を魅せていただいて本当にありがとうございました。行ってよかった、それしか言葉が出ない。
試合後
まさか日本シリーズが決まったら全選手が登場してセレモニーが行われるとは思っていなかった。なんと2試合連続で田嶋選手を見られることに。
ベンチに来たときから最後ベンチ裏に戻っていくところまで、ほとんどずっと見ていた。やはり田嶋選手の隣には竹安選手がいて、クラッカーを鳴らすときには直前まで比嘉選手に何かを確認していて山田選手に笑われていた。スタジアム一周では高山コーチに声をかけられ、頭をなでられていた。その後場内一周も終わりそろそろベンチというあたりで能見選手兼コーチのそばにいると思ったら特に何をするわけでもなく、ただいる場所が近くになっただけだった。こんなことをずーっと見ていた。テレビでは目を凝らして必死で見つけ出さなければならず、誰かの背景で映ったりたった1秒ほどカメラを向けられたり、ここまで田嶋選手フォーカスでは見ることができないため、本当に現地にいてよかったなとここでも思いました。
2日間通して~応援編~
声は出せないものの、チャントに合わせて手拍子をするのは野球でもサッカーでも同じだった。特に野球は登場曲でも手拍子ができて、福田選手と宗くんの登場曲は拍手しやすかったのでノリノリでやってきた。またやりたいけど、もう大阪に行けなさそうなので最初の最後ながらできてよかったと心の底から思っている。
応援歌の方はテレビの耳コピで何とかついていけた曲が大半だったが、まさたかさんのものはほとんど聞いたことがないので全くできず、福田宗はめっちゃ応援するのに俺たちのまさたかは応援しない謎の人間になってしまっていた。周りにいたファンの方申し訳なかった。
伝説を体感した2日間
正直行く前は私が行ってぼろ負けしたらどうしようと思っていた。実際とあるチームの現地参戦敗北率は人に言えないくらい悲惨なので。そんな心配も杞憂に終わり、初現地・初プロ野球観戦・初勝利・初推しの登板・初ヒロイン・初ホームラン・初サヨナラ・初日シリ確定・初胴上げをたった2日間で体験することができた。最高の体験をさせていただきました。本当にありがとうございました!!!
おまけその1
3日目の帰り道、たまたま降りた駅にB-WAVEがあり、グッズを一通り見終えて、何を思ったかふと宗くんのタオルとキーホルダーを手にしてレジへと向かってしまった。そもそも現地観戦は来年の予定だったし、それに合わせてグッズは来年以降買う予定だった。いつまた現地に行けるか分からないしお金も湯水のように使えないのにグッズなんて買わなくても……と理性のあるときは思っているのだが、なぜかさーっと商品を選びふらーっとレジで精算していた。
推しにはお金と時間を使うスタンスである私は推しのグッズしか買わない。逆説的に言えば、(もちろんそれだけではないが)グッズを買ってしまったらその選手は推しである。こうして関西3日目にして宗佑磨選手を完全に推すことが確定した。もう推しは増やさないと決めたのに……。
おまけその2
田嶋選手の登板日翌日。オンライン練習見学会がYouTubeにて配信され、7:36~田嶋選手のコメントが載っているので、全オリックスファンは見てください。昨日の雰囲気どうだったとの質問に、返した答えはもちろんそのときの表情に注目していただきたい。たった1分ほどの短い時間ではあるが、田嶋大樹らしさ全開である。すでに彼に魅了されている人はもちろん、まだそうではない人にも必ず伝わるものや感じることがあるはずだ。
彼は・・・?
ここからは完全にいらん話をするので、よかっためでたしめでたしで終えたい方はここで回れ右してください。
今回のことでたった1つだけ心残りがあるとすれば、後藤駿太選手だ。田嶋選手を好きになってオリックスを見始めたとき、初めて好きになったのが駿太さんだった。1度でいいからオリックス・バファローズのユニフォームを着てプレーする彼の姿を見たかったな。2戦目にはベンチにいたけど出番なし、3戦目はベンチ外。試合前から心にぽっかり穴が開いたような、そんな気持ちになった。調子のいい人が出られるしいつもベンチにいられるわけではないことくらい分かっているが、それでも彼が出場している姿を見たかったな。いつかまたどこかで彼のプレーを見たい。それが京セラドームであり、オリックス・バファローズのユニフォームを着ていることを願って。
最後の最後、監督の胴上げで嬉しそうに万歳している姿を見れて、心に開いた穴を少しだけ埋められました。
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