「典型」を生きる ゴールデンウィーク振り返り
ゴールデンウィーク最終日は、妙な達成感に満ちていた。
連休半ばに息子が風邪をひいてどうなることかと思ったけど、無事にお出かけもできて、楽しく過ごせたこと。
ときどきイヤイヤもありつつ、息子の笑顔をたくさん見られたこと。
本当にホッとしている。
連休に来る遊園地 子を持てば典型を生きることの増えゆく
これは俵万智さんの歌だけど、それを実感するような連休だった。
その「典型」を、自分が生きていることの不思議。そしてそれが、決して楽ではないことも。
4/28
夫が息子を連れて友人の集まりに行くというので、任せて美容院に行けた。
こういうときにサラッと、自分から連れて行くよと言ってくれるのは本当にありがたい。
普段ワンオペのときの不満から、ついつい悪態(笑)をついてしまうことが多いけれど、できていないことだけでなく、やってくれたことへの感謝も忘れないように。
4/29
前々から楽しみにしていたプラレール博へ。
電車が大好きな息子、さぞ喜ぶだろうと思って行ったのだけど…。
人が多すぎた&昼寝の時間にかぶってしまったために、グズグズに。大好きな電車に反応しつつも、おもちゃをさわれない、思うように動けないストレスでイヤイヤ全開。ほぼ展示は見られず、抱っこで回った。
よかったのは、イベント会場では6,000円ちょっとしたプラレールセットを、帰り道に寄ったショッピングモールで2000円も安く買えたこと!イベント価格おそろしい。
5/1
保育園に預けて一安心、と思ったら、17時くらいになって園から電話。お熱でーす。はい、すぐ迎えに行きまーす!
というわけで久しぶりの風邪でした。
それにしても、これよくあるんだけど、保育園では38度台の熱が出たらしいのに、帰ってきて測ると平熱なのなんで???
5/2
仕事を休んで様子見の一日。
熱は高くないものの、どうやっても泣くし、「あっち」(抱っこして別の部屋に連れて行ってくれ)という要求がすごくて、ひたすら息子を抱えて移動していた。とりあえず病院に行って薬をもらう。
夜中に起きて、「おちゃ、おちゃ」「あちゅい、あちゅい」と言い、お茶を持ってきてあげるとごくごく飲み、服を一枚脱がせてあげるとまた寝た。自分で辛さを伝えられるようになったんだな…と変なところに感動してしまった。
5/3
ごはんをほとんど食べないのが心配だったが、この日は少しずつ食べだす。
ギリギリまで迷ったけど、夜には元気いっぱい遊び回っていたので、これなら大丈夫か…ということで、予定していた旅行に行くことに。
5/3
混雑を避けるため、朝4時に家を出て軽井沢に向かう。
最初に、ノルンみなかみフラワーガーデンへ。朝イチにここへきたのは大正解だった。
ちょうど水仙祭りをやっていて、水仙とチューリップが花盛り。道端のたんぽぽを見つけて「ぽ、ぽ」と言いながらぽてぽて歩く一歳児、平和そのもの。
施設内では「宝石探し」というのをやっていて、水の中の砂を掘って天然石を探す遊びをした。単に私の趣味ですね、ハイ。
息子は隣でバケツを持って、とれた石をつまんだり、食べそうになったり、ひっくり返しそうになりながら吟味する係(笑)。そのあと乗った電車の中でも、石の入った袋を大事に握りしめて、自慢げにお父さんに見せるなどしていた。
そして今度は夫の趣味、SLに乗車!
眠かったのかごきげんななめで、涙のご対面に。
SLに乗ると、私の手を引いて車内を歩いたり、外を眺めたりしつつも、いつのまにか夫の腕の中でスヤスヤ寝てしまった。
最近偏食気味の息子、本当に気に入ったものしか食べないので、旅行中何を食べさせるか本当に困った。
この日、お店で頼んだうどんや天ぷらは、ほとんど受け付けず、別のカフェに入って注文したキャロットケーキは、一口二口くらい食べて、あとは拒否。食べないときの対処法、難しい…。
そこから2時間くらい移動して、ホテルに到着。敷地内におもちゃ王国のあるホテルで、その大きさに思わずおおー!と声が出た。このホテルいっぱいに、主に子連れの家族がみっしり詰まっていると思うと、なんだか圧倒される。息子は部屋で電話を見つけると、どこで覚えたのか耳に当てて「もしもし」のポーズ、何度もやる。
5/4
朝から、おもちゃ王国へ!
開園の9時半ごろには、おもちゃ王国へ向かうバスは満杯。大変な人混みを覚悟したけど、入ってすぐのアトラクションは思ったより混んでいなくて、少し並ぶだけで乗れた。
入ってすぐ、まずはミニトレインへ。この時点で楽しそうな場所だとわかったのか、息子はテンションが上がっていた。
ほかにも観覧車、ゲームセンター、メリーゴーランドなどで遊び、11時過ぎにフードコートへ。テーブルはほとんど満席で、空席を求めて徘徊する親があちこちで目を光らせていた。私もその一人になる。
昼寝してくれたので、親もゆっくりごはんを食べられた。昼寝から覚めた息子、焼きそばをもりもり食べる。クリームソーダを少し食べさせてみたら、自分でスプーンをつかんで大きな口開けて、アイスに食いついた。甘いものは大好きよねー。
園内を奥に進むと遊びのテーマごとに分かれた11の建物があって、まずは息子の大好きなトミカとプラレールの部屋へ!
部屋中に広がるトミカとプラレールの中を、好きなように動き回れて、息子はもう何時間も夢中で遊んでいた。途中、夫と子どもから離れた場所にいたとき、背中にトンっと何かが当たって振り向くと、部屋の向こうから息子が一人で歩いてきていた。夫いわく「遠くからでもママを見つけて歩いて行ったんだよ」とのこと。なんともうれしかった。
他の部屋や外の遊具でも遊んで、大満足の息子。帰り道は爆睡だった。
5/5は家でゆっくり過ごし、5/6に両親たちを家に招いて、端午の節句のお祝いをした。
息子はこの連休中に、プラレールのセットとトミカ4台、アンパンマンのことばずかんを手に入れて、楽しそうに遊んでいる。
記憶には残らないかもしれないけど、いつかこの時間が彼を支える何かになりますように。
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親になってわかったことがある。
「絵に描いたような幸せ」に見える、遊園地や公園にいる家族の、その実は「幸せに過ごすための闘い」なんだということ。
親になると、子どもの幸せ=自分の幸せになるのも本当だし、子どもが笑顔なら親もうれしい。
けれど、子どもが楽しい場所が親にとっても楽しいかというと、うーん、どうかなあ。子に何を食べさせようか、どこで昼寝させようか、どうやって機嫌よくいてもらおうか、そんなことばっかり考えていて、あんまり私は楽しめない。
それは周りの親たちの顔を見ていても、そうなんじゃないかなぁと思う。夢中で遊ぶ子のそばに、無の表情の親あり。
たしかに楽しい時間なんだけど、振り返ってみれば自分が楽しかった!というより、みんな楽しく過ごせてよかったね!という感じに近い。
だからたしかに「典型」を生きてはいるけど、それは周りから見えるほど平和でもないし、幸せいっぱいでもない。
そのことを知って、同じような家族連れの見え方がすっかり変わった。妙に「お互い頑張ろうな…」と同志めいた気持ちになってしまうのも、そのせいか。
だからなんだろな…、いまいろんなライフステージの人がいると思うんだけど、誰かのことがちょっと羨ましく見えてしまうのは、お互いの景色がよく見えていないからなんだろうなと。
だから、子育て中の友人とだからできる話もあるけど、違うライフステージにいる友人たちとも、本当は断絶したくなくて。
あなたの切なさは共有できないけれど、あなたとわたしの世界は隔絶されているわけではない。みんなそれぞれの場所で闘っているし、幸せも孤独もある。
それだけのことだよって、わたしが信じたいだけかもしれないけど。
毒にも薬にもならない文章ですが、漢方薬くらいにはなればと思っています。少しでも心に響いたら。