きみに会いたい
いよいよ産休。
昨日で36週に入り、ついに臨月!
妊娠してからの日々は、つわりの時期をのぞいて本当に幸せで、お腹の中で子が動くたび、かわいくて、あたたかな光がぽっと灯るような気持ちになる。
体調面の変化はたくさんあるけれど、たぶん順調な方なんじゃないかしら。
心配していたネフローゼ再発も、いまのところ大丈夫。プレドニン5mgだけでよくもっている。
この前、母に「赤ちゃんが守ってくれてるんやね」と言われてハッとした。
わたしがこの子を守らなきゃ、と思っていたけど、この子がわたしを守ってくれているのかも。
妊婦になると、人の優しさも沁みる。
買い物するだけで「予定はいつごろ?」「がんばってね〜」と声をかけられたり、お昼をテイクアウトしたら「たくさん食べてくださいねー!」と言われたり。電車で席を譲ってもらったり、会社でもちょっといい椅子を使わせてもらったり…。
いままでとは明らかに違う目で周りから見られているのが、不思議な気持ち。
それもこれも、赤ちゃんのおかげ。赤ちゃんがお母さんを守ってくれているのだろう。
赤ちゃん、ありがとうね。本当にありがとう。
前々回の検診で逆子と言われて、少し焦った。
夫も逆子だったらしく、どうやら生まれる前からよく似ている。
せっかく無痛分娩を予定していたので、逆子体操やらお灸やら頑張ってはみたものの、ぐるっと回る気配はなし…。
でも、いまの場所が居心地いいのかな、気に入っちゃったのかな、と思うとかわいい。もういいよ、きみの好きなように生まれておいで…という気持ちになりつつある。
でも帝王切開はやっぱり、怖い。産むときは麻酔して一瞬とはいえ、傷が治らないうちから歩かされるなんて聞くと、ちょっとびびる。
まぁでも、どう産んだって痛いものは痛いのだし、割り切るしかないね。
赤ちゃんが苦しくないなら、それがいちばん。
出産が怖い、育児が不安。
そんな思いは当然ある。
でも、夫との今の暮らしは本当に愛おしさにあふれていて、ここにもう一つ大好きが加わると思うと、楽しみで楽しみでしかたない。
2人でふざけてケラケラ笑ったり、家の中でぼーっと過ごしたり、お互いのだらしない姿を横目にそれぞれやることやったり。
夫は「愛おしい」という言葉をけっこう口にする人で、わたしがぽやっと歯磨きしたりぐうたら寝たりしているだけで、くすっと笑っては「なんかもう、愛おしい…」とつぶやいてニコニコしている。
わたしも、あんまり言葉にできていないけど、夫が家の中でぽやぽや過ごしているだけで、ああ、大好きな人がこんなに近くにいるなぁ、こんなに気を抜いて、ふふふ、おかし、うれしいなぁ、といつも思うのだよね。
それが「愛おしい」って気持ち、なのだよね。
泣きそうなほどあたたかくて、くすぐったくて、やわらかい。
もっともっとあたたかくて、くすぐったくて、やわらかい存在が、もうすぐわたしたちの家にやってくる。
それはもう楽しみでしかないのだ。
いまお腹の中でうにょうにょと動くきみは、どんな顔かな。どんな性格かな。
まだ、抱っこの仕方もわからない頼りない2人だけど、きみがしっかり育てるように学んでいくから。
どうか無事に生まれてきてね。
大好きなきみに、はやく会いたいよ。
毒にも薬にもならない文章ですが、漢方薬くらいにはなればと思っています。少しでも心に響いたら。