開業してから伸び悩んだ10か月。【episode21】
開業してから伸び悩んだ10カ月
2018,11,15開業してから前回の記事にも述べた様にそんなにすぐにたくさん注文が入る店ではなかった。
それは当たり前って言えば、当たり前で。
一般よりも高値で菓子を売り出していたし、
そこも踏まえていたので予想内であったにも関わらず。
やっぱりそれでも注文が来ないと、焦る自分は確実にいて。(笑)
開業した2018年の11月~年末にかけては、、
急に「あー!!!」とか声をあげたりして発狂していた^^;
余りあるお金で店を始めたような趣味の領域ではなく。
それなりの志をもって小さいながらも出来る事から!!と
店を出したので
余計に金銭的にも精神的にも焦っていた。
だからと言って菓子の値段を下げての安売りはしなかった。
もちろんその数か月の間に心折れて「安売りしたら売れるのかな?とりあえず売れるのかな?」と浅はかな考えを持ったことは正直ある。
けれど、値段を下げての安売りは結局出来なかった。
そしてこれからもやるつもりはない。
それは前回の記事にも書いた、最初にご注文頂いた15名さんがいたから。
まだ出来立てほやほやの財力も発信力もない
そこそこの店を信じて
一般よりも高値で買ってくれている方がいたこと。が
とっても私の中では大きかった。
その購入しくれた商品と、違う商品であろうとも、
そぼくな。が目指す店の在り方や菓子の在り方を覆すような安売り商品を展開すれば
この信じて買って頂き、食べて頂いた方を裏切ることになる。
そして、信じて今まで頑張ってきた自分を裏切ることになる。
そんな売り方を一度でもしてしまえば、
果たして【焼き菓子屋そぼくな。】をこの社会で営む意味はあるのだろうか?と。
けれどもう一人の自分は、
「いやいや、それでも取り合えず何かしら売れたら店のお金は小さい数字でも回るのだから、安売りしたら?」と。
頭の中をぐるぐる、
ぐるぐると。
ぐるぐると。
2人の自分が話し合う毎日でした。
でも結局。
自分が人生の時間を使って届けたいのは、
ただ安く売りだし誰彼構わず大量生産した菓子をお届けしたい事。ではないなぁ。と。
一人ひとりに向けて、誠心誠意向き合い菓子を焼き届けたい。
そしてその一人一人に【おいしい感動】をお届し
人生の一コマにそっと彩を添えたい。
そんな菓子屋でありたい!!
だから今の価格設定のまま、突き進もう。
そして菓子の種類は変わったりしながらも
そのままの一般よりも高い価格帯で菓子屋を営むことにしました。
★
店も育った家族もボロボロに。
そんな思考で続け、
開業して10カ月はご注文が0とはいかずとも赤字ギリギリのラインでした。
やはり、大量生産はしたくない。と言いつつも、ある程度ご注文が無ければ店はつぶれる訳です。
そんな中一緒に住んでいた祖母との関係も悪化していき、
知らぬまに親戚や実父にまで、悪影響な輪が広がって行った。
育った家族の中で母と妹だけは
公平に人、一人一人を見てくれていたけれど
それでも育った家族、親戚に馬頭されながらの赤字ギリギリの店を運営していくことは精神的にとても追い詰められていった。
2019年5月。開業して半年
あまりにも追い詰められていたようで
息が出来なくなり(過呼吸というやつ?)黙っていても涙がポロポロとこぼれるようになっていた。
その時は転校までさせて、私のやりたい事に付き合わせている息子達や夫に申し訳なく。
けれど、結果も出せず、自分の育った家族のいざこざにまで巻き込ませていることに頭がおかしくなっていった。
それでも、焼き菓子は有難いことに
一週間に数回はご注文が入る、そんな状況で。
少なくとも何度目かのリピーターさんにも恵まれ、支えられていました。
30年間信じ大切にしていたつもりの育った家族に裏切られ(詳しく知りたい方は昔のnoteを遡って頂けたら)
金銭的にだけみれば店が回らないことにも絶望寸前でした。
けれど、
それでも開業当初からお客さんに恵まれていたのは事実で。
少ないお客さんだからこそ、
さらにその人、その人とのやり取りを大切にしよう。と
そぼくな。なりに誠心誠意を込めて菓子をお届けしていました。
店を始める前も後も、有難いことにお客さんには恵まれ
結局、菓子を焼きお届け出来る事が私の生きがいとなっていました。
(本当にその時であったお客さんとの出会いは宝物です。一生忘れない。)
けれども、菓子を焼いていようものなら、厨房の外からドンドンドン!!と叩かれたり、ご近所や親せきに悪口を言って回られたりと祖母や父からの嫌がらせが止まる事はありませんでした。
このまま、ここに居ても
自分はもちろん、そぼくな。や息子、夫にもいい影響はない。
と考え。
まぁ結局父や祖母の「言う事を聞かなければ出て行きなさい」と言われたのですが。(言うことって、そんな簡単なって思うかも知れないけれど苗字を旧姓に戻したり、夫や息子達よりも優先して奴隷のように祖母に遣えなくてはいけない事を意味していました。)
そんな事柄があり、
家を出ていくことに決めました。
それは厨房を一度手放すことをも意味していました。
その決断が今(2020,7)引っ越しをし、店を休業している理由です。
引っ越しを決めてから。
そんなすぐに物件が見つかるわけでもなく。
まず、住む場所を一年の間に見つけると決めて動き出しました。
それと同時に、一度、焼き菓子屋そぼくな。は休業する。というこ事も意味していました。
それからは
より一層、
菓子のご注文を頂けることは当たり前ではない。
人生の中で菓子をお届けできるのは最後かもしれない。と
心の底から想い菓子を焼き届けるようになりました。
だからなのか?
そこからお客さんが増えていき、
そこかリピーターさんもどんどん増えていきました。
言葉にしちゃったら簡単に聞こえるかもだけれど
焼き菓子屋そぼくな。を通して出会えたこのご縁はとても有難く、
今でも私やそぼくな。の支えとなっております。
この時すでに2019年9月。
開業して10カ月。
やっと店が起動に乗った音が聞こえたようでした。
それでも、その半年後には店の休業が待っているのです。
この頃はまだ住む場所さえも
引っ越しの時期さえもわからない、そんな時でした。
ただ、一年以内にどこか違う場所にいて
焼き菓子屋そぼくな。はあるのかわからない状況にはなる、、ていう
ふんわりした状態だけは確定していました。
けれども、
それでも、
だからこそ。
今を全力で生きようと思った。
全力で
目の前のお客さんに向き合う。
終わりが決まっているからこそ
菓子を焼ける有難さは余計に体中に染みわたっていました。
読んでくれてありがとう!
写真は軌道に乗り始めたきっかけになった
次回は開業して11カ月目~休業までの事を。
今までの焼き菓子屋そぼくな。店主の、足跡はこちらから↓
今日も良い一日!^^
ゆ季
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