和心庵 茶道稽古:如月(2)
本日の稽古は逆勝手。
裏千家の点前では、通常は亭主(お茶を点てる人)の右側に客が座ることになり、それを基本に所作手続きが決められている。だが、様々な理由によってそれが反対になることがあり(客は亭主の左側に座る)、それに応じて点前手続きが変わってくる。
一番最初に戸惑うのは、茶室に入る足である。いつもは右足から入るが、逆勝手では左から入室する。
これだけで、慣れていない人はパニックになる(←ちょっと大袈裟だけど)、多分。
だが、段々と慣れていくと、最初の足さえ間違わなければ何とかなっていく。
入室した後1、2歩進み、畳の縁を超えて1、2、3歩進んで、水指を置く。
初心者の頃は、右や左で色々なことを覚えていたが、基本的な動作がなぜこうなるかと考えていくと戸惑うことも少なくなっていく。
例えば、お茶が入っている器(棗や薄器)は右手で持つ。建水を持つのはお客さまから遠い手。通常右手で置く柄杓は、置く場所が遠いので(右手では届かない)左手。などなど。
何でもそうだが、長い年月を費やして覚えた習いは段々とスムーズにできるようになるが、それが慣れになってくると何も考えずに機械的な動作になってしまう。(もちろん、そういう時も必要だが)
なので、年に数回稽古する逆勝手の点前は、オートメーションで動く体にちょっと刺激を与えてくれる。
考えなければならない所作(=ちょっと調整が必要なもの)、そのまま続行すればいいものなどを考える絶好の機会になる。
人間の頭と体は良くできたもので、最初は戸惑っていた逆勝手の稽古も数回すれば段々と体に馴染んでくるもの。素晴らしい!
が、厄介なのは、また元の稽古(本勝手という)に戻ると、何だかしっくり来なくて、あれ〜っと慌ててしまう点である。
なかなか器用に出来ないからこそ、ず〜っと稽古しているんだよね。
うん、これからもまだまだ続く、お茶のお稽古。