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幸せな瞬間

ある広大な草原

そこには日本から脱出してきた集団がいた

彼らは日本において生きづらさを感じ この地に逃げてきた

彼らの1日は 日の出とともに始まる

日が昇ると各自の石でできた 暖かい 家から出てくる

おはようございます 

おはよう

ここに住んでいるのは だいたい300人ほどである

ここにはリーダーはいない

僕の役目は朝早く高い山に登って今日の天気をみんなに伝えることだ

雲の動き 風の向き 太陽の光

そういうものから 今日の天気を予想する

たまに外れるがだいたい当たってる

皆さん聞いてください

今日の天気は晴れ時々曇り

降水確率は夕方から20%ぐらいですね

お〜

という声が聞こえる

このグループの中で生きていくには何か一つ そういう仕事を見つけないといけない

僕は空を見るのが 好きで ここに来た当初 何回か天気を予想したら当たったのでその役目についた

他の人たちは水を汲んでくる人 

トマトを植える人

牛乳を絞る人

掃除をする人

お米を栽培する人

そういう人がそれぞれの仕事を毎日こなしている

僕は朝 天気 を発表する仕事が終わったので、牛乳を絞ってる人のところに行った

そして牛乳を250ml カップに入れてもらった

そしてそれを 火を管理してる人のところに持っていく

そしてその牛乳を温めてもらう

ありがとうございます

僕はそう言って次は ハチミツを作っている人のところに行く

そして ハチミツを少し分けてもらう

ありがとうございます

いえいえ こちらこそ 毎日 天気予報ありがとうね

ハチミツ の製造にも天気は関係あるからね

そうなんですね ありがとうございます

そして温めた牛乳の中にハチミツを入れる

小指で少し かき混ぜて その甘いホットミルクを飲む

これが僕の幸せな瞬間だ