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真夜中の新幹線

 旅するスーパースター、蕎麦宗です。

 蕎麦宗にとって最後のイベント【成瀬家LIVE in蕎麦宗】も無事に終わり、残すところの営業日はあと9日となった。

 のろのろ台風の影響で開催も危ぶまれたのは、出雲から来てくれる成瀬家のお二人の飛行機や、神奈川からの愛守花さんの脚である東海道線が計画運休される可能性があったから。
 が、想定以上に台風の進度は遅く、なんと難は免れた。あおりを受けたのは週末のお客さんで、東京方面から来店予定だった2組5名様がキャンセル。ひと組は小田原まで辿り着いたものの足留めを喰らい、敢えなく断念。それでも、一週間後になんとか来たいと再予約して下さった。よし、今度こそ!

 そんな2024年の台風10号は、一週間以上前からメディアも気象庁も大騒ぎで、新幹線をはじめとした幹線鉄道網をいつ止めるか?!という、『計画運休』が目的になっているようで妙。
 実際に被災している地域もあるので、穿うがち過ぎな見方かも知れないが、あまりに安全志向に振り過ぎているはいかがなものか。蕎麦宗と同様に多くの飲食店や宿泊地がそれらの情報に翻弄され、キャンセルなどが相次いでいるけれど、外れた天気予報は何の引責もしない。
 キャンセル続きのそんな日の朝、ちっとも来ない嵐の前の静けさか、すっかり晴れ渡った伊豆の空と富士山を眺めながら自転車通勤のペダルを漕いで、そんなことを想った。

 その際思い出したのが先だっての南海トラフ地震騒動。地震予知は不可能であるという結果は、東日本震災などで明らかだ。
 にもかかわらず、相変わらずその危険性リスクを政府やメディアの煽るがままに受け入れるとしたら、毎日・毎週・毎年・一生の間、ビクついて何も出来ないて終わる。安全安心だけ求めて想定と計画で歩むのは、自然に対する冒涜だし、予期せぬことが起きるから災害。それらも受け入れて進むからこそ、人生は豊かな冒険になる。
 もしそれを嫌うならば、VRゴーグルつけて、サッサと寝たきり引き篭もりで過ごす方が良かろう。
 と、ついつい悪態をくのは、残り少ない蕎麦宗の営業を妨害された気分のやり場の無さと、来店出来なかったお客さんの無念さを想うから。けれど、こんな時こそ、気持ちに余裕は持ちたいもの。と、自分をいさめる

 実は、先の南海トラフ騒動の厚木を震源とした地震に巻き込まれ、飲んでいた大船の居酒屋から韮山へと帰宅するのに5時間以上も掛かってしまった(通常なら2時間未満)。
 小田原でしばらく停車している際に、不安そうにするインバウンド旅行者に英語で語りかけている人を見た。その先の東海道線は動いていない。幸い、新幹線が真夜中にも関わらず運行を再開したので、三島へと戻れた。改札で清算する長い列に並ぶ。皆、疲れは見せど平静だ。順番が来た際に、急な深夜営業を強いられたJRスタッフにねぎらいの声を掛けた。

『ご苦労様です。こんな時間に新幹線動かしてくれるだけでありがたい』。

『すいませんご迷惑をお掛けします』と言いながら、その駅員はうっすらと涙を浮かべた。きっと、悪態をつく人も居たのだろう。しかしながら、ああいった突然の災害やトラブルの際にも冷静に行動し、パニックを起こさない日本人の態度は誇るべきだ。

 いつ来るかわからない災害。最低限の備えはしつつ、自分と愛する人を守れるように、そして多くの人を救えるように、落ち着いた行動を日頃から鍛えたい。それと共に、来るかも知れぬ災害を杞憂することなく、日々その瞬間を、めいいっぱいに楽しんで行動したいと思う。

よし、ガンバラナシませう。

#災害列島 #地震と台風 #いざという時の備え  #人生は冒険の方が楽しい

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山川宗一郎
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