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【4.琵琶湖・竹生島神社(滋賀県) …レイラインツアー2024】
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長浜港へ飛ばせ!岐阜関ヶ原越え
一宮から大垣までの県道21号は、かつて美濃街道と呼ばれた。3本の大河を跨ぐ難所だったこの区域も、今は全て立派な橋梁が造られているので、なんの不自由もなく往来ができる。しかしながらボトルネック現象と言われる、橋への通行車の局所集中によって渋滞が起こる。朝の通勤ラッシュのその激しさは想像以上だった。
やむ無くまた歩道を行くことにするが、2日目の寒川神社区間のように、今日はバンクなどのトラブルがあっては困る。長い橋を渡る時も含め慎重に走った。
そんな予想も考慮して一宮の宿は早々に7:00の出発とする。長浜からのフェリー乗船は10:15。3時間ほどの余裕を持っての55kmとなる。しかも、大垣から先は前回のレイラインツアーで走った既知の道。まぁ、なんとかなるだろう。
それにしても、濃尾平野を造った3本の大河は大きい。順に木曽川、長良川、揖斐川と渡るその中でも、木曽川の川面はまるで湖のよう。川幅も含めて圧巻だった。それを渡り切ると新幹線の岐阜羽島駅があり、何も無い田んぼの真ん中にあると揶揄されたその駅の周りにも、60年の時を経て立派に都市が出来上がった。
長良川を渡る橋は新幹線と並行している。遊びっ子に5分間隔で走る弾丸列車と競走する動画を撮った。もちろん勝てるわけはない。でも、愉快だ。
最後に揖斐川を渡り、*ハイケイデンスで溜まった疲労物質を流すかのように走るうちに、大垣を過ぎて関ヶ原の手前まで来た。今朝も気温は高く暑い。コンビニで水分補給をして残りの距離を調べたら楽勝で、30分以上の余裕を持って港へと着きそうだ。と、予想しながらも関ヶ原の坂道へと差し掛かると明らかに失速している。幾ら鶏肉をたっぷり食べたとはいえ、昨日のダメージは大きく、その疲労は拭えない。
『やはり長浜までは*回復走だな。早めの出発は正解だ』
そう話しながら進めるものの、中々どうして足取りは重い。昨日の富士〜一宮間は、244kmの距離に加え、獲得標高も1000mを越えた。しかも信号のストップ&ゴーの反復。相当に脚は削れている。
ようやく峠へと差し掛かってあとは下り坂となった。ところが残り距離と残り時間を見比べると合わない。しかも風まで吹いて来た。
『このままじゃヤバイな、船に間に合わん』
なんとなくのうる覚えな国道365号の緩斜面を飛ばす。ヤバい、本当にギリギリだ。脚が痛いとか言ってられなくなった。残り時間と巡航速度をリアルタイムで計算しながら、めいいっぱいにペダルを踏む、そして回す。まさかこの場に及んで40km/hオーバーの巡航をするとは。ええい、恨めしい向かい風め。
手塚も必死に喰らいつく。風除けを失ったら一人旅。体重の軽い彼は平地の巡航は苦手だ。それに不思議なもので、1人で走るよりも2人のトレインの方が空気抵抗は減る。つまり、前を引く僕も2人で走るそれの方が楽なのだ。後ろに付く手塚にも、改めてここで礼を言っておこう。
見覚えのある県道37号に折れ、高速道路の下をくぐる。そろそろ長浜の街が見えてくるはず。時間は?ギリギリだが間に合う。可能な限り飛ばせ。
『今、何時?10:05か!セーフティで行こう』
市街地に入り信号も増えた。道はわかっているのが救いだ。慌てるな、間に合う。
そうこうしているうちに長浜港の前回泊まったホテルの建物が見えてきた。
『間に合ったな!!』
乗船は10:10。ギリギリの出港5分前。船の予約をしていたのが幸い。ああ、しんど。
座席に荷物を置いて、船尾に廻るドアを開ける。薄曇りの空の隙間の青色を見上げながら、白い飛沫をかき混ぜてゆっくりと出港する船の甲板に立った。
*ハイケイデンスと回復走…負荷を上げずにケイデンス(回転数)を上げて走ると血流が高まり疲労回復を促す。
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竹生島神社参拝
甲板に吹く風は心地良く。ダラダラと流れる汗を乾かしてくれた。座席に着くとクーラーが寒い。炎天下の運動からの落差で身体がおかしくなりそうだ。
フェリーは30分ほどで竹生島へと到着。冷え切った身体を、今度はまた炎天下に晒す。またおかしくなる。この島に上陸するのは2度目。前回のレイラインツアーの際だから1年半前。なのに、不思議と懐かしさが無い。先週来た程度の感覚なのはなぜなのだ。それは僕だけでなく手塚君も同様に感じたらしい。
あの時は神社巡りを始めたばかりで、コレクション感覚で初見の神社が楽しかった。あれからの歳月は、僕を真の意味でスピリチュアルな世界に向かわせた。そのキッカケはレイラインツアー2023、その直前に見たUFO、そしてそれを機に連絡を取り親しくなったサイキックヒーラーの愛守花さんなのは間違いない。
竹生島は、神仏混淆の歴史と、江戸時代的な娯楽詣がぎっしりと詰まった場所だと思う。けれどそれは物質的な現世利益を願うもので、己の内面や宇宙のあるがままと向き合う精神性を持ち合わせていない気がする。
面白いもので、立派な社殿や煌やかな社務所を構えたところほど神様は居ない、と視える方々から教わった。あるのは願掛けと名を借りた、一方的で搾取的な《欲》という人間の念の塊と、それによってしゃぶり尽くされて消え去った神の、代役の振りをした妖怪達だったりする。
そんな心持ちだったので、参拝とお札を受けてからは、すぐに桟橋の袂で椅子に座って身体を休めた。
90分の上陸時間が経ち、フェリーがやってきた。帰りの船内もまたクーラーで凍える。この日の参拝は、神社やスピリチュアルを考えさせられる有意義なものだったと思う。
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敦賀経由の小浜行き
『冷え切って、身体がおかしいです。脚も動かなくなりました』
そういう手塚に僕も同感で、冷えて固まった脚をどう解すのかを探りながら、ゆっくりと走り出して琵琶湖半を巡った。
その県道331号・44号は有名なビワイチこと琵琶湖一周のコース。サイクリング道路としても整備されているので、安心して誰でも走れるオススメのルートだ。
琵琶湖の北の端にあたる塩津からはビワイチコースを離れ、国道8号線を行くことにした。計画段階では琵琶湖の北側を回り、高島から小浜へと抜ける前回同様のルートのつもりでいた。よくよく調べてみたら、宿のある若狭町世久見は敦賀周りの方が最短で、手塚の調べたそちらの案を採用して前日に変更した。せっかくの旅は未知なる道を行った方が興味しろいのも確か。
脇をすり抜けるトンネル内のトラックに怯えたのは前回同様。本当に生きた心地がしない。8号線の峠道がそんなだと嫌だなぁと話していたら、すっかりトラックなど車の台数が減り、快適な坂登りになった。
正直言って、千葉から長浜までの一都6県の幾つもの市街地を抜ける道は、移動手段でしかない。本当の意味での楽しいサイクリングはこの琵琶湖から始まる。つまり走ることそのものが目的。ここからの4日間はまさしくそんな風に味わえた。何しろクルマが少ない、嫌がらせをするような低マナーの運転者もいない。そして道は広く整っている。
『なんか道が悪くないですか?*28cのチューブレスタイヤにした質感が無いんですよ』
と、この3日間手塚が話していたのは言い得て妙で、太めのタイヤを履いた恩恵を全く感じないほどに路面が荒れていた。
『都市部は仕方ないけど、この一年半の間のアスファルト交換とか道路維持管理に予算割かれてないんじゃないかな』
昨今のコロナ禍からの景気の減速は、そういうところに現れるものだ。しかし、元々の交通量が少ない若狭地方から出雲地方にかけての日本海は、雪の降る地域の割に快適な路面が維持されていた。
やがて敦賀を抜け、原発銀座と呼ばれる若狭湾をひた走る。原発マネーのおかげで、ど田舎に不釣り合いな開発があちこち散見された。出来れば、三方五湖に代表される麗しい風景はそのままに残して欲しい。あらゆるものが揃う伊豆の地理でも見かけないような、入り組んでかつ優しい地形の合間をゆく国道162号をのんびりと駆け抜ける。
途中、梅干しショップを見つけて立ち寄る。ここ若狭町は梅干しの産地らしく、補給食として購入。昔さながらの酸っぱくって塩っぱい梅干しは、炎天下の疲労にガツンと効く。クラファンしてくれた東商会の寺井氏と奥様から頂いたドリンクサプリに加えて、日本人にとって最強の天然サプリメントは、やはり梅干し。これで、明日からも心配要らず。
*28c…タイヤの太さを表す。太めで空気圧が低く乗り心地の良いタイヤがトレンド
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漁師の宿《勇晴》
琵琶湖・長浜からの80kmは余裕を持って世久見漁港へと到着出来た。ゆっくりと風呂に入って汗を流す。その間洗濯物も済ませてあとは食べて寝るだけだ。
特に楽しみなのは夕飯で、釣り立ての魚をたらふく食べられること。クラファンメンバーの尾池氏が、小浜方面で宿泊するならば民宿が超絶オススメだと教えてくれた。食通の彼がいうことだ、間違いない!。なのでそれを想像して涎を垂らしながらここまで走ってきた。
案の定、追加した舟盛りを含めて、これでもか〜という新鮮な日本海の幸。魚!肴!魚を食べると♬ああ幸せだ。これこそ旅の醍醐味。
ちょうど昨日サポートして引いてくれた麟太郎が書いてくれた感想を思い出した。嬉しかったから載せておこう。
お疲れ様でした!!
今日はありがとうございました😭
大人流の人生の楽しみ方を学べました🫡
続きの旅程も安全に遂げられることを祈ってます🙏
なので、嫌がらせみたいな写真を沢山送ってあげた。
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最高ですね🫣🫣…
…距離に余裕を持たせられるのが大人 と言うわけですね😎
どうだ参ったか!今度ご馳走するよ。
さて、130kmの今日とは打って変わって、明日5日目は200km、あの矢部周作もやってくる。そして、あらゆる意味で今回の主役の区間。早めに休んで備えよう。
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