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大型二輪の卒業試験

昨年(2019)の10月末から始めた大型二輪免許取得の教習もいよいよ大詰め、残り2時限と卒業試験を残すだけとなったのがその年末。しかし、聞けば試験は朝8時から始まって半日ほど掛かり、免許取得の手続きも含めると15時を過ぎるという。さすれば店を休みにしなければならないが、設定された試験日は年の暮れの最期の土曜日。蕎麦屋にとって一番の掻き入れ時に一日中休むのはご勘弁。それで、前日の練習2時限含めてごっそり年始に移動してもらって迎えた新年早々の教習。

ここまで28時間乗ってきて、なんとかオートバイなる乗り物にも慣れてきた。同じ二輪でも自転車とは全く異なる楽しさに気付き、毎回教習に来るのが楽しみで仕方なかったが、それもお仕舞い。親切丁寧、サービス精神に溢れた田方自動車学校の教官の方々とも随分顔なじみになったので淋しさもある。

さて、最後の時限の最後の最後。一通り試験のコースを走り終えて*一本橋の練習で上がりとなった。本番は10秒以上で満点合格だが、落ちたら即失格というキビシイもの。よっしゃ最後だ欲張って最高記録!、と思いきや前走者がゴール地点で留まっているのが目に入り、慌ててフットブレーキでスピード調整したら橋の上でエンスト。バランス崩して倒れそうになるも、なんとか足ついて最悪は免れた。

「いや〜、山川さん、さすがに試験前にこれは後味悪いですよね。終了時間来てますがもう一回やりましょう」

教官が気を使ってくれて、再チャレンジ。ことなきを得たが、ヘタクソだった始めたての頃が脳裏をよぎり嫌な感じ。明日は本番一発勝負の試験だというのに。

さて、そんなわけでいよいよ卒業試験。どうなることやら。

*一本橋…幅30cmの一段高くなった橋の上を低速でバランス取りながら走る実習。実際の路上ではないが、すり抜けや渋滞に向けた練習になるため必須。

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30時限の教習を終えた翌日。いよいよ大型二輪免許の卒業試験となった。朝8時前に集合し、係の教官から説明を受ける。今日の二輪試験は自分だけのようだ。幸い冬休みが終わり学校が始まっているので、免許取得通いの高校生達はいない。ただでさえこじんまりとした教習コースに自動車もトラックもオートバイも溢れかえるのが年末の自動車学校で、それでは試験に集中し難い。混み具合や天候など、いつの時季に教習に通うのかは重要だろう。自分も幸い雨に降られたのは一度きりだった。二輪免許ならば9月末から始め12月初旬に終えるのが良さそうだ。

普段よりも空いたコースのおかげでリラックスして挑める。しかしあれだ、いくつになっても試験は嫌なものである。ルール・マナー含めて致命的なミスだけ防ぐ様に慎重に走った。順調に坂道発進、急制動、S字、クランクと進み*波状路と一本橋に差し掛かった。バイクに立ち上がって半クラッチで低速で進みながら、段差に合わせてアクセルワークで越える。無事通過、そして一本橋前に一旦停止。と、橋上に乗り上げたそのタイミングで突風が吹いてきた。えっマジ勘弁。唐突に緊張感に包まれる。昨日のエンストが頭をよぎる。なのでタイムは捨てて素通りした。

さあ、残す課題はスラローム。しかし、先ほどからの緊張でバイクが倒れない。遅い。普段通りにやればなんという事もないことが、こんなにも難しくなるとは。こちらもタイムを捨ててパイロンを倒さないことだけに気を配る。それも即刻試験中止になるからだ。なんとか無事通過してスタート地点へ戻り停車するのみ。なのに焦る。道順が曖昧になり逆にウィンカーを出してしまうと、教官が無線連絡で「左折ですよ」と指示してくれた。

ふ〜、なんとか終わった。緊張からの解放は心地よい。おそらく合格だろうから安堵もあった。教官から感想を伝えられる。自分のミステイクは認識通り。そこから2時間待ち呆けていたのは勿体無いが、晴れて合格。そのまま運転免許センターに向かった。

その間に、実は色々あったのだが省略。イベント毎になると何故か色々やらかす悪いクセ。ネタになるから良いとして、そのうち書きます。講習が始まり説明を受けると、今回も免許更新となり新しい免許証に書き換えるようだ。

「では写真撮ります」

と説明されたが、無精ヒゲでツナギのこの格好では嫌だな、と、ちょうど自動車学校で貰った免許用写真を使わせて頂くことにした。前回の書き換えでロードバイクウェアを着て撮ったら、まるでJリーガーの選手名鑑みたいで良いではないか!。密かに自転車仲間に自慢したら、皆んな真似してウェアで写るミニブームが起きた。だから今回も。

これで晴れてバイク乗りになれる。あとはオートバイを買うのみ。とはいえ、これが一番ハードル高い。サーベロS5売ればすぐ買えるけど…。チャリの方が高いってやっぱり変だ。暫くはレンタルで色んな車種に乗って楽しみつつ、いつかはドゥカティ。【始めるスイッチ】に書いたように、パニガーレV2にまたがる日を夢見て、明日からの蕎麦宗エボリューションを迎えよう。

皆さま応援ありがとうございました。よし、ガンバラナシませう!

*波状路…5cmほどのハシゴのような不規則連続する段差をバイクの上に立ち乗りして乗り越える、大型二輪免許のみにある課題。

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山川宗一郎
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