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《SOBASO ORIGINAL SOBA ALE》物語 その3【仮称・蕎麦茶ビール】

これから蕎麦のビールを作らんとするにあたってこう言うのもなんだが、ビールは蕎麦との相性が悪い。舌先に残った苦味が蕎麦の繊細な香りや旨味を消してしまうからだ。

ビールは、そのものを味わうこともあるとはいえ、基本的には食中酒。どんなお酒であっても食べ合わせというものがある。白ワインにキャビアやイクラなどの魚卵は最悪だし、逆に牛スネの煮込みに深い赤ワインなどはさらに美味しさを引き立てる。その意味では蕎麦との相性で言えば日本酒が適役であり、蕎麦宗でも純米酒や純米吟醸酒を取り揃えているのでそちらを勧めている。

では、なぜビールなのか?それは『最初の一杯』として、グビッと飲んだこの上ない美味さは、その右に出るものはないと思うゆえ。乾いた喉を潤し、五臓六腑に染み渡るあのひとときは至極である。そこから、高めのアルコールの日本酒や蕎麦焼酎に移して天ぷらや出汁巻き、そして蕎麦を楽しめば良いわけで、つまり『食前酒」といての役割を担うということだ。これはそのまま蕎麦のビールを作るにあたってのコンセプトとなった。

…伊豆箱根鉄道の伊豆長岡駅前に反射炉ビヤのスタンドがある。普段はロードバイク通勤な僕も、さすがに雨の日は電車で行き帰り。その帰り道についついふらふら〜っと立ち寄って、その頃出たばかりの限定ビール《ほうじ茶エール》を飲んだ時、これはと閃いたのがそば茶のビールだった。煎った香ばしさが飲みやすさと後味のキレの良さを作り出し、軽やかな飲み口のまさに食前酒にふさわしいものと感じーた。

『食前酒・最初の一杯として、香り豊かで飲み口軽く爽快なキレ』

稲村君と山田君との打ち合わせにて、先ずはこのコンセプトを決めた。そして、二度目の打ち合わせの際にはさらに《仮称・蕎麦茶ビール》をどんなものにして行くのかを煮詰めていった。泡の具合や味、ビールの色、ラベルデザインや販売方法も含めたブランディングなどなど、実に多岐にわたることを語りながらイメージを共有してゆく。当然だが僕はビールをどうやって作るのかは知らない。具体的な形にしてゆくのは醸造長である山田君で、だからこそイメージの共有は一番大切なことだ。そしてそれは最もエキサイティングで、実に楽しい『ひととき』でもあった。

色々と決まって行く中で、副原料である『蕎麦茶』の用意と『ラベルデザイン』に関しては蕎麦宗が準備する事となった。モルト(大麦)以外の穀物を副原料とすることはあれど、《そば》に関しては初めてとのことで、その道は蕎麦屋に任せた方が良いと言う判断。ラベルについては、今まで多くのコラボレーションをやってきた反射炉ビヤも、オリジナルのラベルを用意するパターンは多くないようだが、ここはどうしてもこだわりたい、という僕の我儘だ。

さて、ではその二つをどう用意していったのか?。つづきの2話で語ることにしよう。

#反射炉ビヤ #蕎麦宗 #そば茶 #コラボレーション #食前酒 #食中酒





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