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Was machen Sie!〜閃きからの出逢い

 旅するスーパースター、蕎麦宗です。

 先だって、引っ越し蕎麦を食べに来て下さったお客さんがいた。三島が大好きになって、勤務先は横浜のままこちらへと移住したという。僕も大学生の頃横浜に住んでいたので、ご当地トークで盛り上がったついでに就活時分の話もした。その一つに、ドイツ留学を目論んでいたけれど、就職氷河期の教員採用試験の狭き門を現役合格(自慢でしかない)したことで流れた、なんて事を披露。
 
 その翌日、星読みをキッカケにして蕎麦宗に興味を持ったというお客さんが来てくれた。聞くに、一時留学したドイツへと、勤めを離れて本格的に就職留学予定とのこと。おお、昨日その話しましたよ!タイムリーだ!そこで

『Gutentürk!…Was machen Sie』

と声掛けすると、

『え〜』

って身振り手振りで喜んで下さった。なんて事ない、『こんにちは、どうしてますか?!』そんな感じの挨拶を言ったまでだが、まさかひょっこり訪れた蕎麦屋のオヤジが、ドイツ語話すとは思わなかろう。

『第二外国語がドイツ語(落第した!…)だったので、社会体育の先進地ドイツへの留学を目論んでたんですよ!』

なんて、今はすっかり時代も移り変わり自身の興味も無くなった話から振って、その方のドイツへの道のキッカケを尋ねた。
 すると思わぬハッピーな展開へ。始めは精霊が好きが講じてケルト文化に興味を抱いた故のアイルランドへの関心。この話題も【しばらく積読、久しぶりに本を買った】に書いた中の2冊にあるので、*河合隼雄先生のネタを紐解いてしばし…。ならばアイランドへ留学?と思いきや、ところがどっこい、直前になって急にドイツが降って涌いたらしい。リハビリなどの医療に関わることもドイツは超先進国。そんな興味関心があって実際に一時留学をしたようで、当地で語学を学んでいたらしい。
 そしたらなんと、その際に人生初の《恋人》が出来たというのだ。女性には失礼だが、いわゆる結婚適齢期はちょいと逃してしまったかなというお歳で、あまりそちらには今まで縁がなかったとご自身も宣う。彼氏さんはそのままドイツで働いているらしく、ならば

『それはおめでたい!安心してドイツへと旅立てますね。じゃあまさに今日は引っ越し蕎麦だ』

 僕はこの話を聞いて、昔、恋人が出来ないと悩んでる友人に僕が話した内容を思い出した。それは

《変わり映えのない日常に、恋する気持ちや出会いは降ってこない》

という事だ。
 職場が変わり映えないのは致し方ない。でも、いつも通りの時間に出掛け、いつもの電車のいつもの車両のいつものドアから乗る。あるいはクルマで化粧を済ませながら(誰にも会わない前提だ)、いつも通りの渋滞の道順で通勤する。なんの変化もないルーティンの中にときめきはない。それは恋に限った話ではなく、仕事や趣味や生き甲斐に対してもおんなじこと。
 ちょっと突拍子なかったり、唐突な閃きだったりに突き動かされた時に、人は運命的な出逢うべき相手や物事に出会うのだろう。この方のお話はまさにその節理の通りにある。もし、今そんなこんなに思い悩んでいる人がいるのならば、日常という障子紙を拳でビリリと突き破って、そこから見えるいつもと異なる景色を眺めに、ほんのちょっとの勇気を握りしめて出掛けよう。
 そんな話は以前【バスから降りる勇気】にも書いたけれど、きっと、あなたに必要な素敵な出逢い・出会いにありつけるはず。
 ああ、いい話聞けたなー!ごっつぁんです、ってことで読者の皆さんにもお裾分け。さてと、ガンバラナシませう。
*河合隼雄先生…心理分析における日本の第一人者。様々な研究から日本の文化の深層を語り続けた。

#必然の出会い #日常を突き破れ #運命の人と出逢う #小さな勇気 #海外留学


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山川宗一郎
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