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ランボルギーニ物語〜太っ腹礼賛

目指せスーパースター。蕎麦宗です。

だいぶ前になる。

BARの名店ひしめく三島にあって僕がよく行くのがBAR AOKIで、一杯やろうと立ち寄った時に席を並べたのが渡辺洋さんだった。沼津の(株)渡正配管工業という会社を経営しておられるが、色々話しているうちに同い年だったり【正解だらけのクルマ選びその15 ダイハツコペン】で紹介した白岩の親父さんに世話になっている、などと、妙に親近感が湧いて親しくなった。

僕は先に席を外してハシゴ酒、三島広小路駅の【ビアリッツカフェ】で飲んでいた。するとそこへ渡辺さんご夫妻が現れて

『宗さん、また会ったねー』

と意気投合。暫しスパニッシュワインで一杯やって

『では、お先に』

と今度は渡正さん達が席を外した。

ずいぶんと飲み終えての帰り際、支払いを済ませようとビアリッツカフェ店主・広瀬君にチェックを頼むと

『宗さんの分も頂いてますよ!』。

『く〜、ヤラレタな、悔しいけどカッコいいな、今度何かお返ししとくよ』。

同い年だけに尚更だが、有り難く心意気を頂いて、いつかどこかで何かしらを返したい、と思っていた。

といってもモノや金銭で返すのも野暮ったい。ましてやこちとら小さな蕎麦屋。事業の規模も売り上げも遥かにかなわない。それならば、何か面白い事で返せないかな、と色々目論んでいたところへ二つの話が舞い込んだ。

 一つはゲンノジという三島にある自転車店に【サーベロ×ランボルギーニ】のコラボ自転車が入るという話。世界限定63台で日本に割り当てられたのは5台。抽選に当たって三島にNo.16が1台来ることになった。実はこの経緯には僕・蕎麦宗が絡んで代理店の東商会副社長・寺井君との面白い物語があるのでまた紙面を改めて紹介する。
 もう一つはホンモノの《ランボルギーニ・ウルス》というSUVを渡正さんがオーダーしていて、納車待ちだと小耳に挟んだ話。これを聞いてハッと思い付いた!
 折角のSUV・ウルスだ、世界にそれだけしかないランボルギーニのロードバイクがリアキャリアに積んであったら愉快だ!。それはおそらく日本はおろか世界に一人しか、そんなランボルギーニオーナーはいないんじゃなかろうか。

 勇み足になった僕は渡正さんに連絡を取った。

『僕も絡んで色々な経緯があってランボルギーニ×サーベロR5という自転車が三島に来るんですが、渡辺さんのランボルギーニ・ウルスにリアキャリア付けて、そのロードバイクを飾りに吊るしたら面白いと思って!どうですかね?!』

『それ面白いね!でも宗さん、それ俺が買っちゃってもいいの?』

『もちろん、っていうか僕は買えませんよ、ビックリ価格過ぎて』

『でもさ、ところで何色なのかな?』

 ここで偶然にも奇跡的な一致が起きた。続きは後半へ

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サーベロR5ランボルギーニ
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カラーリングモチーフとなったアベンタドール

さて、後半。

『それって何色なの?』

『白黒グレーのカモフラージュ柄に差し色でオレンジです』

『宗さん、俺のウルス、オレンジ色なんだよ!それ買うは!』

ランボルギーニ×サーベロR5は、こんな感じで呆気あっけなく渡正さんが購入することになった。

 オマケにと思って冗談半分にこんな提案もしてみた。

『こんな僕でも2019の富士ヒルは年代別4位だし、カメラマンとか伝手がなくもないから、ひょっとしたらメディア掲載とかもあり得ますよ!何せこういう限定物は床の間バイクになることが殆どで、こんなのでレースに出る人はいませんからね〜!なんならお借りしてレース出ますよ、箔付けて来ましょう!』

すると

『それ面白いね〜、なんならそうしてよ!』

またまた呆気なくレースでお借りできることになってしまった。一体どれだけ太っ腹なのか…。

 …2021年の年が明けてしばらくして、三島の自転車店《ゲンノジ》のにそランボルギーニ×サーベロのロードバイクが入荷した。
 渡正さんと現地合流してフィッティングをする。組み上がったら納車だ。と、思いきや今度は彼から提案があった。

『俺、多分乗らないからさ、それにウルスが届くのはまだ半年かかるし。でもせっかく自転車なんだから飾るだけじゃもったいないでしょ、レースだけじゃなくて練習とかも乗ってよ、だから宗さんのポジションに組んじゃってイイからさ、まぁ、スポンサーみたいな感じで!』

 僕もゲンノジも目が点だ。何故なら軽自動車の新車を優に超える価格の自転車だから。でも、渡正さんはなんだか楽しげだ。僕は意を決して図々しくもランボルギーニ×サーベロR5をお借りすることにした。僕が乗らない時はゲンノジに飾ることにもした。そうすれば日本に5台しかない貴重なバイクなので、店としても客寄せになる。

『渡辺さんのランボルギーニ・ウルスが納車されたら一緒に走って写真撮って、何ならランボルギーニジャパンや*東商会がカレンダーとかに使ってくれたら最高ですね!』

なんていう妄想めいた話で盛り上がった。

 2021年4月の半ば、予定よりも少し早まってウルスが納車された。

『イタリアのランボルギーニ本社が遅れを気にして船便から飛行機便に変えて運んでくれたみたいだよ、もちろん送料は向こう持ちだけど』

おいおい、なんなんだこのスケール。また目が点になるけれど面白すぎる。今まで知らなかった世界が目の前に一気に広がった。ちっともやる気にならなかったmt富士ヒルクライムレースのスイッチが入った。
 僕は《(株)渡正配管工業》というステッカーを作り、サーベロのフロントフォークとチェーンステイに貼った。そして、久し振りにホームコースへ向かった。【日通道路がお帰りと言っている】に書いたように中々気合は入りきらないものの、また走りだした。

『いっぱい使い込んで!』

と、奥様までもが言っている。ホント、どこまで太っ腹なんだ。僕は渡正さんから今までになかった刺激を貰った。

『受け取った、掴んだ何かは、また誰かに配ることが大事だ』

以前【星を掴む時】に書いたとおりだ。

 太っ腹礼賛。桜家の5代目社長、従姉と黒澤さん、そして渡正さん。ここ最近に僕の身近に現れた太っ腹な方々はモノを通じたやり取りの中で、多くの大切なメッセージを伝えてくれている。出来ることならば僕も彼等のように、かくありたい。

 よし、ガンバラナシませう。僕はランボルギーニに跨って、日通道路を駆け上った。

ランボルギーニ×ランボルギーニ
渡正さんとランボルギーニウルス
ランボルギーニ
日通道路にて
コラボ撮影
渡正配管工業(株)のステッカー

#ランボルギーニウルス #サーベロR5 #蕎麦宗 #BAR_AOKI  #ビアリッツカフェ




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