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カミングアウト

7月からプロ活動復帰します!
思ったより早く復帰できて嬉しい反面、
何だったんだ感がすごくて不審者なのもいたたまれず、
ある程度のことはもうカミングアウトしちゃおうとnoteを書いています。
いそがしい皆さんのために、一番言いたいことはサムネに書きました。

告知

気づいている人も多いと思いますが、乳がんでした。

告知された直後、本当にパニクりました。
我が家はかなりのガン家系で、父母はガン後も健在なので、即死ぬとは思ってませんでしたが、
それにしても早く来すぎだろ。

とりあえずどうなるかわからないと思って、最高位戦を半年休みました。
お金的にも、時間的にも、仕事より前にまずプロ活動を休む判断をしたことも、個人的にはショックでした。

未だに正しかったのかわからないです。
なんか頑張れば出られた気もするし、無理だった気もする。
結局病院に行けるのは平日だけだったので、対局日はずっと暇で、飛んでくる通知がつらくて最高位戦の公式Twitterの通知をオフにしてました。

告知時に、書類を持ってきた看護師さんから、
「乳首の近くだから乳首は取ることになるかも」と言われました。
恐る恐る、乳首のない術後の写真を調べたりもしました。
本当にショックで毎晩泣きました。

だいたいの乳がん患者の体験談は、もう子供を育てたあとの女性や、
パートナーのいる女性が多く、
どちらの予定もない私は、本当に、
もう誰からも愛されないと絶望しました。
これまでの人生で、その相手を見つけられなかったこと、
その成績の判を押されたように感じました。

術前

告知されたとはいえ、今のところ私は無傷で、
私の胸には昨日と変わらないおっぱいがついていました。

私は全体的に肉付きがよくデブな方ですが
おっぱいだけは昔から男女ともに褒められて育ちました。
もちろんグラビアアイドルさんには比べるべくもなく、
お腹も一緒に出ているのでスタイルは良くないけれど、
顔や性格は褒められなくても、胸だけ褒められて生きてきました。

それがなくなる。
欠ける。
壊れる。
今はなんともないのに。
将来的に死ぬかもしれないから。
じゃあもういっそそのまま死んだほうがいいんじゃないか。
唯一の長所を失って、なんのために生きていくのか。
女として欠落して、ひとりでこの先、何を希望に生きていくのか。
笑われるかもしれないですが毎日考えてました。

もしこれが他人事なら、いくらでも綺麗事が言えるな、と思いました。
おっぱいだけが人の価値じゃないよ、とか、
ほとんどの人はそんなこと気にして生きてないよ、とか。
多分心から言えるし、心からの言葉だけど、
自分ごとになると残念ながら人間はそう思えないのです。
問題は、自分が自分に納得して生きていくかどうか。
私がおっぱいを失うということは、私にとって納得できないことでした。

ただ、男子高校生よりも毎日おっぱいについて考える日々で、
ふとした拍子に気づいたのは、
隣の席に座っている可愛い女の子に乳首がちゃんとついているかどうかを
確認して生きているわけではない、という事実です。
これは結構新しい発見でした。
私さえ、私におっぱいがないことを受け入れられれば、
他人は大して気にしないし、大体の人はそもそも見に来ない。
もとから視聴率は相当低いおっぱいなので、
被害はあくまで私にしかないということを改めて認識しました。

撮影

知人が「術前の写真を絶対撮ったほうがいい」と
強く勧めてくれたこともあり、写真を撮りました。
撮影は下記のスタジオにお願いしました。

ブレストキャンサーポートレート
https://breastcancerportrait.com/

カメラマンさん自身、乳がん経験があり、それをきっかけに
スタジオを立ち上げたということで、
おだやかな空気の中で丁寧に撮影していただけました。
とても綺麗に撮ってもらいました。
撮ってもらった、というだけで、気持ちがかなり軽くなり、
それまでに毎日やってた衝動的な自撮りも減りました。
もし同じ境遇になった人がいたら、超オススメです。

いざとなったらコレを売って治療費にあてよう。売れないか。

術後

このあと、術後の治療が、なんだかんだ10年くらい続きます。
いろんな副作用も出るそうです。
とっても憂鬱です。

ただ、今回の手術や入院も、
もっとしんどくて痛くて長引くと聞かされていて、
何が起きるかわからないと言われていて、
実際ほとんど影響なく日常に戻れたので、
もうあまりビビって自粛するのをやめようと思います。

考えて備えても、なるようにしかならないので、
なったときに考えます。
意外と人間、それでいいのかもしれない、と思えるようになりました。

雰囲気、だいたいいつかガンで死ぬけど今んとこしばらく死ななそう、
という感じです。
そんな人この世にいっぱいいるよね。

いつかやりたいを今やる

今回の経験で、「いつかやりたいなー」と思っていることを
ちゃんとやらないと「いつか」が来る前に死ぬなー、と実感したので
「いつかやりたいリスト」をちゃんと潰していくことを
これからの人生では意識しよう、と誓いました。
人の意識ってそんなに変わらないというけれど、
病気は人の意識を変えてくれる。

ということで髪の毛もハイトーンにしました

髪だけじゃなく、いつかお金が溜まったら、機会があれば、etc…
と思っていたことで、本当にやりたいことは
どんどん手を出さないとダメだな、と痛感しました。

とにかくいますぐ健康診断に行ってくれ

本題です。
今回私は健康診断で引っかかり、精密検査で診断がおりました。

それでも、発見時のステージは手術ギリギリでした。

普通の健康診断だけだと見つからなかった可能性もあるそうです。
会社が手厚い健康診断を組んでくれていたおかげで、
本当に感謝しています。

でも、麻雀プロは個人業なので、
自分で健康診断に「行くかどうか」から決めなければいけない。
そして結構な人が行ってない気がする。
行ってダメな結果が出ても、
不摂生がかっこいいと語ってのけるフシがある。

ほんとうに。
頼むから。
なんでもいいので健康診断にだけは毎年行ってください。
去年大丈夫でも今年手術、ってことがあるんです。
今年手術しないと来年はアウトかもしれません。

どんな病気でも、早いうちに対処すれば、
症状も軽くお金もかかりません。

早期発見は先制両面リーチくらい正義です。

あと、日本の医療レベルは激高&料金は激安です。
4日入院して手術して検査もして20万弱って安すぎません?
本当に人間の入院か?
ここから保険とかなんとかが降りたら、ほぼ無料です。
日本は弱者に厳しいとよく見かけますが、
病人にはめちゃくちゃ優しいです。

割合的には、今、気づかないうちに乳がんになってる人が
麻雀プロの中でも2・3人いておかしくない。

その人達に届けばいいな、と思ってます。

ちなみに、自覚症状は「ゼロ」です。
触ってしこりがあれば、とかよく聞きますが、ありゃ嘘です。
私は手術前日でも触ってもわかりませんでした。
取り出したら2.5cmあったのに。
できる位置によったらコブみたいになるのかもしれませんが
アテにならないと思っていただいたほうが良いです。

麻雀

今回半年休んで改めて、
麻雀プロとして生きていきたい、と実感しました。

入院中でも普通に天鳳打ってたし、
それは一生変わらないだろうけれど、
Beastのオーディションや各大会や最強戦、
Mトーナメントなど、身近な先輩が活躍している場を見ると、
私も絶対いつかあの場で打ちたいし、打てるような選手として認められたいと思います。
そのためにプロになったんだから。

夢は口に出すと叶うというから、
ここに羅列しておこうかな、と思ったけど
かなり長くなっちゃったのでまた次回に。

ただ、今はたくさん麻雀を打ちたい。
活動が再開出来ることを、本当に嬉しく思ってます。

今後とも、生沼紗織をよろしくお願いします。

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