「ユダアンドブラックメシア 裏切りの代償」 これを機に黒人解放運動について調べてみました。
2021.9.1 個人ブログより転載。
「ユダアンドブラックメシア 裏切りの代償」
オンライン試写会(@theriver.jp )にて鑑賞
【あらすじ】
1960年代後半から70年代のアメリカで、急進的な黒人解放運動を展開した政治組織「ブラックパンサー党」の指導者フレッド・ハンプトンが暗殺されるまでの日々を描いた実録ドラマ。
【感想】
この映画は実話を基にしています。
なのでフィクションのようなどんでん返しはなく、結末はわかった上で観ているのですが、
俳優の演技が素晴らしくドキュメンタリーを観ているようでした。
特にフレッドハンプトンの演説シーンや、暗殺を手伝うことになってしまうオニールの表情など、見応えのあるシーンは多かったです。
劇場公開はなく、9月3日からレンタル開始だそうです。
よければぜひ観てみてください。
ただ、アフリカ系アメリカ人公民権運動に対する知識が少なくてわからない言葉も多かったので、
そろそろちゃんと勉強しておかないとなぁと思い、色々と調べてみました。
アフリカ系アメリカ人公民権運動とは
“アフリカ系アメリカ人公民権運動とは、主に1950年代から1960年代にかけて、アメリカの黒人(アフリカ系アメリカ人)が、公民権の適用と人種差別の解消を求めて行った大衆運動である。” 【出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)】
簡単にまとめると、
・1700年代は白人が黒人を奴隷として働かせることが「合法」だった。
・1861年、「それじゃいかんだろう!」とリンカーン大統領をはじめとした奴隷制度廃止組が南北戦争に勝ったことで、表向きは廃止に向かっていた。
・しかし、それから100年間特に大きな動きは無く、差別は一向に無くならなかった。
・1950年代から人種差別を受け続けていた黒人をはじめとする有色人種が、アメリカ合衆国市民(公民)として法律上平等な地位を獲得することを目的とした「公民権運動」を始める
・1963年「ワシントン大行進」で世界中に公民権運動が注目される。
*キング牧師が” I Have a Dream “ の演説をしたことで有名
*この1950年〜60年代に出てくるのが、キング牧師、マルコムX、今作に出てくるフレッドハンプトンなどのカリスマ指導者が多く登場する。
・ケネディ大統領暗殺後に就任したジョンソン大統領の猛プッシュでついに1964年7月2日に公民権法(Civil Rights Act)が制定
・しかし、1968年にキング牧師が暗殺・ベトナム戦争による情勢の悪化により雲行きが怪しくなってくる
*今作はキング牧師暗殺後の話です。
・指導者がいなくなったことでブラックパンサー党などの過激派組織が増えたが、ベトナム戦争が終結した1970年代中頃になって運動は沈静化した。
ざっくりとこういう流れだったみたいですね。
去年起こったBLM(ブラック・ライヴズ・マター)運動は日本でも大きく報道されました。
日本に住んでいるとわからないことばかりですが、今作のように公民権運動に関する映画を観たり、
自分で調べてみたり、歴史を知っていくことが今起きていることの理解を深めてくれるなと感じました。
あとブルース、ゴスペル、ソウル、R&B、ジャズ、ファンク、ヒップホップなどの今でも主流になっている音楽は、奴隷制時代に、黒人たちがみんなで励まし合って歌ってできたものが基になってるみたいです。
だから「ブラックミュージック」っていうんですね。
余談でした。