「悩み多い大学生だからこそ、自分を大切にする術を身につけて欲しい」――人文学科合同研究室助手の森本裕子さんに相愛大学で学んだことを聞いてみた
相愛大学を卒業し、今は同大学の人文学科合同研究室で助手をしている森本裕子さん。学生や先生、卒業生、外部の方と連絡を取り合うなど大学との橋渡しのお仕事、学部の行事や入学式、卒業式、オープンキャンパスなどの企画運営をされています。
「人の心を勉強する」ことは「自分の心を勉強すること」
そんな森本さんが相愛大学に進学した理由は、高校生の夏休みにカウンセラーの仕事に密着しているテレビ番組を見て「こんな仕事もあるんだ」と知ったのがきっかけだったそうです。
中学の頃から友達に相談を受けることが多く、一生懸命アドバイスをしていました。だから、カウンセラーの仕事を知ったときに「これって自分に合っているのかも」と思いました。実は、ジャーナリストの道にも興味がありましたが、先生から「険しい道だぞ」と言われ悩んでいました。そのような時にカウンセラーの方に密着したドキュメンタリー番組に出会い、「人の心を勉強する」ことは、「自分の心を勉強すること」と言うコメントに心惹かれて、心理学を学ぶことを決断しました。そこで、学校の先生に相談したところ「相愛大学はどうや?」と、勧められたのがきっかけで相愛大学に進学しました。
私は毎日「キュン」を探すようにしている
心理学を学び、助手となり多くの学生を送り出していった森本さんに、これまでの人生を振り返りながら、幸せについてお伺いしたところ、「健康が一番」と気持ちよく答えてくれました。
新型コロナウイルスが爆発的に流行していて、いつ自分が感染し、亡くなってもおかしくないなと毎日不安にかられています。そんな不安が渦巻くなかでも、私は温かいお風呂に入れて美味しご飯も食べることができている。最近は、そんな何気ない日常にこそ、幸せを感じます。コロナの日々を通して、当たり前だと思っていたことが、実はそうじゃなく、とっても幸せなことなんだと気づくことができました。
ささやかな日常に幸せがあることを教えてくれる森本さん。と同時に、悩み多き私たち学生に寄り添いながら、ご自身が習慣にしている毎日の工夫を教えてくれました。
私は毎日一個「キュン」と感じることを探すようにしています。おじいちゃん、おばあちゃん、動物など、何かしら「キュン」とすることを見つけられた日は、「今日一日頑張ろう!」「明日も頑張ろう!」と、思えるんです。私は「キュン」ってなると、ポジティブに物事を考えられるようになります。そういったことを毎日の習慣を大切にできているのは、大学生の頃に心理学を学んだ影響もあるかもしれません。
「キュン」というのは私の感覚ですけど、学生のみんなもそれぞれ自分がポジティブになれたり、少し気持ちが楽になる方法があると思います。コロナで思うようにいかないことが多いし、そうじゃなくても大学生の頃は悩みも多いと思うので、自分で自分をケアできるような方法を身につけて欲しいですね。
今回、森本さんにお話を伺い、自分自身の心を整える方法を身につける大切さを教えてもらいました。それはコロナの時代をやり過ごす上でも、あるいは、近い将来社会人になったときにも大切にしたいことです。みなさんも、このコロナの時代にあたって、先ずは自分自身を大切にする方法を考えてみてはいかがでしょうか。
このマガジンについて
このマガジンは、2020年度相愛大学「宗教社会活動論」を受講する学生が制作したインタビュー記事を掲載したものです。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、来春卒業予定で就職を希望する大学生の内定率が、前年度と比べて急落していることが話題となっています。そのような厳しい時代の中で、「何のために働くのか」を考え、自身にとっての豊かさを見つめることが重要なのではないかと考えています。そうしたときに「當相敬愛」を建学の精神とする相愛大学の学びや仏教思想にヒントがあるようにも感じます。そこで、相愛大学を卒業された先輩たちに、卒業後の人生に、相愛大学の学びがどのように影響をもたらしているのかについてお話を伺い、相愛大学の学びの豊かさについて広く共有できればと思っています。(担当講師:釋大智|霍野廣由)
インタビュアー 貴島理恵(人文学部3回生)