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マタニティブルーが襲ってきた話
わりと楽観的な性格だしマタニティブルーとかは関係ない!!! と思ってたんだけど……ちゃんと襲ってくるんですね……という記録。
産後2日目、義父母面会後に涙
産後2日目の入院中に、夫と一緒に義父母が面会にきた。もともと来ることは聞いてたし、そのときはウェルカムだったけど……当日はすこぶる体調が悪かった。
まず、会陰切開の傷が痛い。ご飯を食べるときも立ち膝で食べなきゃ無理。出産時に出血量が多めだったらしく、貧血ぎみ&悪露もでていて血が足りない。しかも面会の前日は隣のベッドの人に気を遣ってあまり眠れず、寝不足で頭が働かなかった。
歩きたくても、出産で骨盤が歪んだのか右側のお尻から太ももにかけてが激痛で足を引きずる形でしか歩けない。歩くたびに激痛が走る。
そんな絶不調のなか2日目からさっそく母子同室だったから、授乳やオムツ替えなども始まった。
授乳といえど初産なのですぐにおっぱいが出てくるわけもなく、赤ちゃんは全力でおっぱい拒否。授乳の体勢も慣れてなくて、肩から背中にかけて凝りでバキバキ。助産師さんに乳首を力いっぱいひねられてからは胸全体が張ってきて、おっぱいの痛みも加わった。
妊娠中、つわりとか坐骨神経痛とかツラいことが多すぎて、出産=ゴールだと思ってたけど、ここからがスタートだった。当然だけど。体感としてちゃんとわかってなかった。
降りられない電車の先頭に立ってしまった……そんな絶望感が襲ってきた。出産後、休むまもなく現実と対峙しているなかで、義父母の面会の時間がきた。
義父母にとって息子は初孫なので、それはそれは楽しみにしてきたそう。夫は赤ちゃんのためにカメラを新調したこともあって、来て早々に撮影大会になった。
いつもなら全然なんとも思わないんだけど、顔もカラダもボロボロだし写真に写りたくないな……とその時点でイライラした。それでも撮影大会はつづき、みんなが帰ったあとにはすぐにハッピーなタイトルの共有アルバムが作成された。
夫は張り切っているし、義父母は喜んでいる。本来なら嬉しいことなはずなのに、そのアルバムが共有されてきた瞬間に、私がいま見ている現実とみんなとのギャップを感じてツラくなってしまった。これからは誰にも頼れず理解されずに、1人で育児という現実に向き合わなくてはいけない。そんな気がしてプレッシャーだった。
その夜、声を殺して1人おろおろと泣いた。
義実家に翻弄される名前問題
さらに、義実家は息子の「名付け」も翻弄してきた(当人たちはそんなつもりないんだろうけど)。
もともと妊娠中から夫婦ふたりで「いいね」と言っていた名前があって、最終候補に残っていた。夫は「それでもギリギリまで考えたい」と言って、名づけ本を買って読み込んで「これどうかな?」とあれこれ打診してきた。けど私のなかでは、2人が「いいね」と言った名前がいいと思っていた。
夫は相当悩んでいたのか、家族のLINEで「どうかな?」と相談したみたい。そしたら義母と妹さんから「ええ〜女みたい」という意見がでてきたようで、「もっと男らしい名前を付けたい」と言いだした。
それを入院中に聞かされて、かなりイライラした。義母と妹さんも、たとえ女の子っぽいと思ったとしても、2人のことなんだから「いい名前だね」でよくないか??? いちいち水を差すようなことを言って夫を惑わせないでくれ。
言い方ちょっとキツイかもしれないけど、夫に「2人の子どもの名前だから、そっちの家族の意見とかどうでもいいよ。うちらがどうしたいかだからね」と言ったら、「そうだよね…」と。もうほぼ決まっていたし、一生のことだから気持ちよく名前をつけたかったのに、家族の一言で台無しになった。
身内だからとあれこれ口出しできてしまう家族が一番厄介だなと思った。
【後日談】出生届を出したあと、夫が家族LINEでその名前にした理由を長文で送ったら「いい名前だね」という意見に変わって、黙らせることに成功したらしい。最初からそれでよろしい。
実母の一言にもイライラ
うちは夫の家族と違ってお母さんと頻繁にLINEをするほどの仲じゃないので、退院してからテレビ電話で生まれたことを伝えた。
お母さんはいわゆる毒親なので、あんまり息子には関わらせたくないと思ってる。それでも彼女なりに楽しみにしてたようで、息子を見るなり「めんこいね〜」と甘い声を出していた。そしてまた「男の子、いいな〜!!! 」と食い気味に言ってきた。
うちは三姉妹で、お母さんは私の前に男の子をひとり流産している。だから男の子への執着がすごくて、妊娠中から「男の子いいな〜」と電話のたびに言われてきた。でも、それを"残念ながら女の子として生まれた私"に言うか?という複雑な気持ちがあって。ほんとにデリカシーのない人だな……とイライラした。
それに加えて「おっぱいは出たの?」と質問された。前述の通り、入院中からおっぱいはほぼ出てないし、息子はおっぱい拒否ぎみ。初乳だけでも……と頑張っているけど、それ以外にとくに母乳へのこだわりもないし、「このまま出ないようならミルクでもいいかな〜」とも考えていた。
そう答える前に、お母さんは食い気味に「絶対おっぱいにしなよ。お母もお姉もそうしてきたから。おっぱいはラクだから!!! 」と言ってきた。
またイライラスイッチがオン。おっぱいが出る人はそりゃラクだろうけど、ママとか赤ちゃんの状態によってはお互いにツラいと思うんですけど??? いつだって自分が100%正しいと思ってるみたいだけど、その自信はどこからくるんだ???……てか、何が正しいかは私が決めますから。
とりあえず「はいはい、そだね、頑張るね〜」と言って早々に電話を切った。お祝い金を送ってくれたけど、内祝いだけ返したらしばらくは距離を置きたい。
夫にあたってしまう…
そんなこんなで、まともに話せる大人が今のところ夫しかいない。
退院後、夫はホントによく動いてくれてる。健康に気遣ったご飯を用意して家事も頑張ってくれてるし、3時間おきの授乳も「起きなくていいよ」と言ってもオムツを替えたり哺乳瓶を洗ったり、なんだかんだ動いてくれてる。
産後すぐママ任せで夫は不倫……みたいな夫婦も世の中にはいるであろうなか、本当にありがたい存在だ。
でも……退院後のカラダの不調がどの程度なのかがあんまり伝わってないらしく、"ふつうに歩ける人"として接してこられるとイライラしてしまう。
今朝4:00の授乳時には、悪露がドバッと出たり、お尻の骨?が急激にズシズシと痛んだり、おっぱいが張って痛いけど赤ちゃんが飲んでくれなくて搾乳を試してもうまくいかなかったり、横になってからもそれらの解決策を調べて睡眠を取れなかったりした。
そんなんだから朝になっても頭が回らない。夫が起きしなに「今日、出生届を出しに役所に行く」と言うから、書類のことなどを改めて確認したら「なんだっけそれ?」と。退院の日にあれだけ丁寧に説明したのに何で覚えてないの???とイライラした。
プツンと糸が切れたのはお昼ごはんのとき。「退院して一週間経ったし、そろそろ回復しただろ」とでも思われているのか、「野菜切って」「冷蔵庫からあれ出して」と色々指示されて、その一つひとつの動作のたびにカラダが痛くて、ついに涙があふれてしまった。
泣きながら豚汁をすすっていたら、「そんなにカラダ痛かったんだね……」とやっと悟ってくれた様子。
「努力して元気なようにふるまってるだけで、まだまだカラダあちこち痛いんだよ……」と伝えた。夫にとっては泣く=あたるってことになるだろうから、できれば泣きたくないけど、どうしても涙は出てきてしまうのだった。
【後日談】このあと、区役所帰りの夫がミスドを買ってきてくれてホントに癒された。夫もほとんど寝れてないのに、ご飯つくって区役所に行ってミルクつくってオムツ替えして合間で自分の仕事して……ってホントによく頑張ってくれてるよな。当たりたくない。
解決策はいまのところ…
どうしたら以前の自分みたいに楽観的でいられるだろう?と考えてみた。今のところ、自分の時間を持つことが有効だと思ってる。
ご飯を食べてるとき、ストレッチしてるとき、スキンケアをしてるとき、トイレでネトフリを見てるとき、寝る前に本を読んでるとき、こうして文章を書いてる今も。これまで当たり前だった自分をいたわる時間が今は1秒でも尊くて、リラックスできるし生き返る(逆に言えば、それ以外の時間はカラダの不調と赤ちゃんのことでずっとピリピリしてる)。
気持ちが沈んだら、少しでもいいから自分の時間を持ちたい。よし、さっそく眠ります……