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ヘルスケア「プロバイダー」の呼称問題

家庭医ギータです。

連日投稿すると決めてから今日で14日目です。日を跨いでしまったり、質は限りなく低かったりするものの、とにかく続けています。

1) 連続投稿を始めてから起きた変化は?

noteに毎日、投稿すると自分で決めてから1日の過ごし方が変化しました。

「今日は何を書こうかな」と考えながら、身に起こる出来事を知覚し、
「この出来事(学び)をどう表現するか?」と頭の中で考えるようになりました。これまで、日々の出来事を漠然と受け止めていたんだな〜、と気づきました。

2) 14日間続けて見つかった課題

 しかし、内容が浅く、一貫性がありません。これでは、学びを深めることも、あわよくば他者に貢献できるようなアウトプットを吐き出すこともできません。

そこで、自分の専門分野の論文を読んで、内容を要約する企画に変えてみます。そうすれば1カ月、2カ月と続けるなかで少しは成長が感じられるかも知れないと信じて……。

自分にとってのアンタッチャブルな領域に突っ込むので、毎日が事故の予感しかしませんが、人生がチキンレースのようなものなので、突っ込めるところまで突っ込んでみます。

3) 本題:ヘルスケア「プロバイダー」という呼称はダメ?

さっそく取り上げるのはコチラです。正確には論文と言えないかも。まあ、面白い話題だったのでよいでしょう。

取り上げた背景

論文を読んでいると、よく”health care provider”という言い方が出てきます。日本語だと「医療供給者」ですが、あまり一般的ではないですね。

アメリカのDepartment of Health and Human Servicesによる定義では、

person or organization who furnishes, bills, or is paid for health care in the normal course of business.

となっています。「通常の業務において、医療を提供し、請求し、または医療費の支払いを受ける個人または組織」なので、医師だけではなく病院など組織も含んだ呼称です。

こちらは少し古いですが、在米の看護師さんの記事です。

プロバイダーという言葉にずっと違和感を抱いていましたが、この記事を読んで自分のモヤモヤが少し晴れたような気がしたので取り上げてみました。

内容

「プロバイダーという言葉の使い方を変えて、信頼とモラルを高める」

冒頭をみると「プロバイダー」という言葉が使われるようになった背景が描かれています。

 医療における「プロバイダー」という用語の使用は、政府や保険の分野で医療提供組織を指定するために始まった。1965年、メディケアは、メディケアの償還を受ける資格のある団体に対して、「プロバイダー」という言葉を使い始めた。年々、この言葉の使用範囲は拡大し、施設(病院、診療所、治療センターなど)や第三者支払人に加え、特にプライマリーケアに携わる支払資格のある個々の医療従事者を含むようになった。

もともとは保険の分野などで、償還を受ける団体に使われていたのが、やがて医療従事者を含むようになったのですね。名前に歴史あり。面白いですね。

その後をザックリ要約すると

・プロバイダーという言葉は、商業や商品化されたサービスの提供の世界から来ている。一方で、医療は信頼とプロフェッショナリズムに依存している。

・providerという言い方は、患者が単なる消費者であり、プロフェッショナリズムへの関わりなしにサービスを受ける人であると捉えられかねない。

・この呼び方は医療従事者に不快感を与えるかも。

・そもそも、医療従事者のことを指しているのか、組織を指しているのかがはっきりしない。ケアを提供する個人は”clinician”または”health care professional”で十分ではないか。

と主に医療従事者を呼ぶ文脈で「プロバイダー」はふさわしくないのでは?と問題提起しています。

定着してしまった呼称を変えるのは大変だけど、COVID-19パンデミックが良い契機になるのではないかと言ってます。

・COVID-19パンデミックの際に、医療従事者が個人的にもキャリア的にも犠牲を払ったことが明らかになり、医療従事者に対する感謝の気持ちが新たに生まれたことは、医療従事者を指す言葉を修正する機会となる。

・医療従事者を指す言葉を正確に使うことは、患者、医療従事者、医療機関、そして医療システム全体にプラスの効果をもたらす可能性がある。

4) まとめ

論文シリーズ(?)初回は小ネタと終わりました。このまま小ネタで人生を終えそうな気がしています。それでも、「試す→挫折する→しつこく試す」しか自分には残されていないので、日々、なにかしら学びを得て、突き進むのみです。

闘いはつづく…。

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